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文楽と落語を感じる歌舞伎 [歌舞伎]

GW8日目。曇天模様でパッとしない天気の中、今日は、大阪松竹
座新築開場二十周年記念の「五月花形歌舞伎」を観に大阪松竹座
に行ってきました。
五月花形歌舞伎.jpg 
今回は、花形歌舞伎と言うことで、若手(?)の市川猿之助さん、
中村勘九郎さん、中村七之助さんが競演される舞台。

先ずは、先日、野崎まいりに行ってしっかり予習をした、文楽で
もお馴染みの新版歌祭文「野崎村」。
本筋は、お染、久松の悲恋の物語ですが、この段は、野崎村の百
姓久作(彌十郎さん)の娘のお光が主役。そのお光を務めるのは
七之助さん。

大阪から野崎村に戻った久松(歌昇さん)との祝言を控え、楽し
そうに準備をするお光。そこに油屋の娘お染(児太郎さん)が訪
ねきたから大騒ぎ!恋敵お染に対して嫉妬して意地悪をするお光
ですが、一緒になれないのなら心中をしようと思っているお染と
久松を察し、2人を救うために身を引き尼になる覚悟をして、髪
を下ろします。最後は、迎えに来た油屋の後家お常(竹三郎さん)
と共に、久松は駕籠、お染は舟で大阪に戻るのを、お光と久作が
見送ると言う話。

最初、ソワソワウキウキ楽しそうに祝言の準備をしているお光か
らはじまり、お染に意地悪をしているお光、覚悟を決めて尼にな
るお光、最後は茫然自失で2人を見送った後に泣き崩れるお光の
心情の変化を七之助さんが見事に演じてらして、素晴らしかった
です。端々で浄瑠璃に合わせて人形を意識したような所作で演じ
てらしたのもイイ感じでした。

次は、三遊亭円朝作による落語の怪談話「怪談乳房榎」の序幕・
二幕目、休憩を挟んで三幕目・大詰。
“三世實川延若より直伝されたる十八世中村勘三郎から習い覚え
し”と“中村勘九郎三役早替りにて相勤め申し候”サブタイトルが
ついている通り、勘三郎さんが工夫した演目で、菱川重信と下男
正助とうわばみ三次の三役を、勘九郎さんが早替りで演じるのが
見せ場の舞台。三役の勘九郎さんの他、重信の妻お関には七之助
さん、敵役の磯貝浪江には猿之助さん、そして、早替わり以外に、
本水を使った滝壺での大立回りも見せ場でした。

絵師菱川重信の妻お関に横恋慕した磯貝浪江、お関を助けた縁で
重信の弟子となり、重信が高田南蔵院本堂の龍の絵を描くために
出かけた隙に、子供真与太郎を人質に自分の物にする。お関を手
に入れるために重信殺害を企て、下男正助を仲間に引き入れ落合
田島橋で重信を殺害。真与太郎も邪魔なので正助に滝壺に放り込
んで殺すように頼むが、その後で正助も殺すように悪友うわばみ
三次に金を渡し、滝壺での正助と三次の大立回り!重信の幽霊に
助けられ正助は真与太郎と一緒に逃げ、数年後、乳房榎に願掛け
に来た磯貝浪江に出会って、敵討ちをするという話。

話は色々複雑ですが、なんと言っても勘九郎さんの早替わり!
大道具ばかりではなく傘や蓑など小道具も使った秒単位の早替わ
りに、会場は大いに盛り上がりました。
特に下男正助を演じている時の勘九郎さんが、勘三郎さんを見て
いる様で、なんだかジィ~ンとしてしまいました。

滝壺での大立回りの準備をしている合間に、笑いもまじえてビニー
ルシートの使い方の解説していたら、2階と3階の通路をうわばみ
三次の勘九郎さんが走り回ったりと、幕間も飽きさせない花形歌
舞伎らしい活きの良い演出も楽しませてもらいました。

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