SSブログ

お彼岸に阿古屋 [歌舞伎]

暑さ寒さも彼岸までとは言うけど、なんだか妙に生温かかった
春のお彼岸の中日の今日は、京都南座に「南座新開場記念 坂東
玉三郎特別公演」を観に行ってきました。
IMG_4514.JPG 
今回の演目は、壇浦兜軍記 阿古屋、太刀盗人、傾城雪吉原。
IMG_4519.JPG 
阿古屋は、昨年、Eテレのにっぽんの芸能で玉三郎さんが映像
を交えながら直々に詳しく解説をしてくれた演目で是非とも見
たいと思っていたところ、年始の文楽でも上演され、そちらも
しっかり楽しませてもらって、十分に予習もできたところで、
今回の玉三郎さんの生阿古屋と相成りました。
阿古屋.jpg 
平家の残党狩りの中、悪七兵衛景清の愛人である遊君阿古屋
(玉三郎さん)が、景清の居場所を詮議するために代官所に
つれてこられ、秩父庄司重忠(彦三郎さん)は、阿古屋に琴、
三味線、胡弓の三曲を弾かせることで、心の乱れを探ろうとす
ると言う話で、なんと言っても見どころは阿古屋と言うか玉三
郎さんの琴、三味線、胡弓の演奏。特に胡弓の演奏は満員の会
場が独特の緊張感に包まれて、静寂の中で胡弓の音だけが響い
ている感じでした。いぁ~~!凄かったです。痺れました。
悪役なんですが、人形振りの岩永左衛門(坂東亀蔵さん)が、
緊張感のある舞台をところどころで和ませてくれます。シュッ
とした感じの功一さんの榛沢六郎もイイ感じでした。

次の太刀盗人は、狂言の演目“長光”をベースにした話で、何度
か狂言では見ているんですが、歌舞伎で見たのは初めてでした。
田舎者の万兵衛(坂東亀蔵さん)が都での仕事も済んでお土産
でも買おうと市場をウロウロしていると、すっぱ(泥棒)の九
郎兵衛(彦三郎さん)に目を付けられ、持っていた太刀を盗ま
れるという話。万兵衛が手に持っている太刀の紐を、すっぱの
九郎兵衛が自分の腰に巻いて、自分のモノだと言い出すところ
が笑えます。
緊張感のある能の間のひと息って感じの狂言と同じように、玉
三郎さんの阿古屋と傾城雪吉原の間で、ちょっとひと息って感
じでした。

最後の傾城雪吉原は、舞踊モノで玉三郎さんの傾城が、雪景色
の中、傘を持って舞台にせり上がってくる姿は息を呑むほどの
美しさでした。
絢爛豪華な衣装で、冬から春、夏、秋の季節の移ろいと一日の
時間流れの中、どことなくアンニュイで耽美的な雰囲気を漂わ
せながら美しく舞う玉三郎さんの傾城、幽玄の世界が感じられ
て素晴らしかったです。

お彼岸の語源は波羅蜜多で六波羅蜜寺と言えば阿古屋って感じ
で、お彼岸にふさわしい(?)演目を楽しませてもらいました。
感謝です。

観劇前の腹ごしらえは、「総本家にしんそば 松葉(北店)」
さんで、にしんそばとちりめん山椒ごはんをいただきました。
IMG_4517.JPG IMG_4515.JPG 
分厚いにしんから染み出す甘めのタレがあいまった蕎麦、美味
しい!

nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。