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秋の奈良と言えば正倉院の宝物 [美術館]

朝夕はひんやりしてきましたが、昼は秋晴れでぽかぽか陽気
って感じだった今日は、秋の奈良を代表する展覧会、奈良国
立博物館の「御即位記念 第71回 正倉院展」を観に行ってき
ました。
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本年の正倉院展は、41件の宝物が出陳してあり、そのうちの
4件が初出陳だそうです。

先ず、会場に入ると紅と緑の“牙撥鏤尺”が並び、細かく描か
れた花や動物がなんともカワイイ!
そして、諸々劣化が進んで今は抽象画のような風情の“七條刺
納樹皮色袈裟”もイイ感じでした。金色の波の向こうに極楽浄
土が描かれた“金銀平文琴”は絶品の美しさです。
もともと鳥の羽が衣装を彩っていたという“鳥毛立女屏風”は、
羽の痕跡はありませんが、シンプルに墨で描いた身体に眉の
濃い少しふっくらとしたうりざね顔の天平美人が印象的です。
今回、全6扇がずらりと並んで圧巻の迫力でした。第6扇だけ
が妙に新しい感じで違和感はありますが。。
これが今回の目玉かな?聖武天皇が履いたと言われる儀式用
の赤い靴“衲御礼履”は、足の指とおぼしき形が残っていて、
実際に履いていた痕跡が妙にリアルです。横には靴底の形が
きっちりと刻まれた靴の箱も置いてありました。(靴だけで
はなく鏡とかもですが、正倉院展では必ず入れてある箱も一
緒に飾ってあるのが、素晴らしい。箱に入れていたというの
が劣化を抑えた要因の一つだと言われているみたいです)
他には、仏事の時にお坊さんが手に持って香を炊く“紫檀金鈿
柄香炉”、足の部分の鮮やかな色合いが印象的な“粉地彩絵八
角几”、花の形の角を持つ鹿が描かれた金属製の大皿“金銀花
盤”、今のベルトとバックルの構造が一緒なことに改めて驚い
た“紺玉帯残欠”などなど。
今年も素敵な品を堪能させてもらいました。

そして、正倉院展の帰りにが学園前で途中下車し、こちらも
楽しみにしている生駒山の学園前界隈で開催されている「学
園前アートフェスタ2019」に立ち寄ってみました。
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テーマは2019年ってことで語呂でブレイクだそうで、語呂
だけではなく、今まで招待アーティストさんの展示だけだっ
たのを、今年は、公募も行い8名のアーティストさんを審査
で選び、招待のアーティストさん12名と合わせて20名のア
ーティストさんの作品を展示する試みもされているそうです。

先ずは、駅前の帝塚山学園の構内に展示してある、瀬戸芸の
宇野のチヌでもお馴染みの淀川テクニックさんのゴミの花輪
とゴミが出てくるガチャガチャ。なんともシュールです。
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次は丹羽家住宅。葛本康彰さんの樹脂っぽい網目の壺の彫刻
と揺らめくインスタレーション。奥の部屋では小野サボコさ
んの金属の板を打ち出したインスタレーションが秋の日差し
に輝いていました。
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ギャラリーGM-1では、小柳優衣さんの繊細で美しい銅版画
とレリーフが展示してありました。
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道路際の高台にある風情のある旧福本家住宅(上がるのが一
苦労です)では、公募入選のアーティストさんを中心に展示
がしてありました。
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水島太郎さんの乾漆技法のような技法の彫刻、奥田誠一さん
の焦げた和紙の人型が台所や風呂など生活空間にたたずむイ
ンスタレーション、谷本有沙さんの混沌としてノスタルジア
な街並みの心象風景の絵画、出村実英子さんの金糸や銀糸で
仄かに輝く織物によるインスタレーション、玲翠さんの極細
のペンで描いた模様の世界、Chiaki Akadaさんの創り上げた
無数の蝶が舞う部屋など、どの作品も幻想的で素晴らしかっ
たです。
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離れには、石賀直之さんの超絶な切り絵をモチーフにした作
品が輝いていました。
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文華ホールで、遷都をテーマにした成田直子さんの“みやこ
うつし EYEcon”を拝見。野外展示の木津川アート2018、近
代的な京都駅ビルに置かれたKG+2019も良かったんですが、
3回目のレトロな建物の中に大きな瞳が並んだ風情も素晴らし
かったです。
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淺沼記念館では、二階武宏さんの木版、山本雄教さんの約一
万円分の一円硬貨で描いた一万円札、近藤大祐さんの注射器

で描いた風景画、加藤千佳さんのガラスの彫刻。
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特に札本彩子さんの面白いけどちょっとグロい食品サンプル
の彫刻と釣光穂さんのニットのような可愛くって不思議な陶
芸が印象的でした。
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茶室では、BIWAKOビエンナーレでもお馴染みのあわ屋さん
のナチュラルな音響インスタレーションが楽しめました。
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学園南1-9ガーデンでは、奥田誠一さんが大地を四角く切り
取った野外彫刻も柵の外から眺めることができます。
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学園前駅に戻り、駅前のビルで石賀直之さんの切り絵と小形
栞さんの文様の入ったちょっと不思議な日本画を拝見して大
阪に戻りました。
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スタンプラリーはコンプリートできませんでしたが、秋のひ
と時楽しいアート散策をさせてもらいました。感謝です。
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昼ごはんは、学園前にある中国西安料理の店「王楽園」さん
でビャンビャン麺をいただきました。
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平べったい麺に酸っぱ辛いタレをからめて食べるちょっと不
思議な味の麺でした。不思議と言えば、ビャンビャン麺はこ
んな漢字みたいです。これをそらで書ける人がいるのか?

いつもお世話になっているmarutomomamaさん手作りの柚
子ジャムのお裾分けが梅田のパイルさんに預けてあるってこ
とだったので、大阪に戻ってジャムを受け取って家路につき
ました。いつもありがとうござます。
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