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今年の観劇始めは歌舞伎から [歌舞伎]

お正月休みが明けたと思ったとたんの3連休。今日は、十日えびすか!なんて
思いながら、今年の観劇始めって感じで、本日は、大阪松竹座で開催中の四代
目中村鴈治郎さんの襲名披露公演「壽初春大歌舞伎」を観に行ってきました。
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劇場に着くと、新春と襲名のお祝いムードでいつも以上に華やかな雰囲気。
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舞台にかかった4羽の鴈の描かれた襲名披露のお祝いの幕を眺めながら、こ
ちらもなんとなく楽しい気分で開演を待たせてもらいました。
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最初の演目は「将軍江戸を去る」。将軍慶喜(梅玉さん)が、水戸にちっ居する
ために江戸を去る予定日を延期すると言い出しのを知った橋之助さん演じる山
岡鉄太郎。このままでは江戸が官軍との戦に巻き込まれてしまうと慶喜に直談
判に赴き、慶喜に命がけで尊王と勤王の違いを説いて・・・って話。
橋之助さん演じる山岡鉄太郎の実直な感じが伝わってくる素敵な舞台でした。 

そして、本日のある意味メインの幕とも言える「(翫雀改め四代目中村鴈治郎
襲名披露 口上」。主な演者の方々が舞台に並び、仁左衛門さんの進行でお祝
いの言葉が進み、最後は四代目中村鴈治郎(翫雀さん改め)さんの挨拶と仁
左衛門さんの〆。何回見ても襲名披露口上の舞台は良いもんですね!

口上の後は、襲名披露の幕として、四代目鴈治郎さんが忠兵衛を演じる「恋飛
脚大和往来の新町井筒屋の場“封印切”」。大阪の頼りない男の代表のような
忠兵衛(鴈治郎さん)も良かったんですが、大阪弁で忠兵衛への悪口雑言をま
くし立て、忠兵衛をドンドン追い込む仁左衛門さんの八右衛門が最高です。
あまりにテンポの良い大阪弁での悪口に、不謹慎なんでしょうが、思わず笑っ
てしまいました!
実は明日、新春文楽公演でも“冥途の飛脚”の封印切を観る予定なので、ちょ
いと予習もかねての歌舞伎版“封印切”って感じで、楽しませてもらいました。

最後は、愛之助の次郎冠者と壱太郎さんの太郎冠者で「棒しばり」。これは狂
言の演目なんですが、それをベースに酔っぱらいの楽しい舞いをふんだんに
盛り込んだ楽しい舞台でした。
棒で両手をくくられながらコミカルだけど華麗に舞う愛之助さんが凄いです!
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夏の歌舞伎 [歌舞伎]

まだまだ梅雨は続くみたいですが、台風が過ぎて一気に夏っぽく蒸し暑くなった
感じの大阪。そんな、そぼ降る雨の今日は、「七月大歌舞伎」を観に大阪松竹
座に行ってきました。
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本日の演目、先ずは、伊賀越道中双六から“沼津” 、藤十郎 さんの十兵衛に
翫雀さんの平作と扇雀さんのお米。
十兵衛の荷物をふらつきながら運ぶ老雲助の平作というシーンから始まるんで
すが、2人で舞台の右側から客席におり、1階席を巡って、花道に現れるという
サプライズ演出で会場が盛り上がり、そこから平作の家での印籠の薬をめぐる
お米(傾城瀬川)とのからみ、最後は、千本松原で平作が命がけで藤十郎から
敵討ちの相手股五郎の情報を得る悲劇の場面へ。喜劇から徐々に悲劇に転が
り落ちてゆく落差が素晴らしい!

次は、これが観たくて今回夜の部を選んだといっても過言ではない新古演劇十
種の内から“身替座禅”、仁左衛門さんの山蔭右京、翫雀さんの奥方玉の井、
身代わりにされる太郎冠者は橋之助さん。
恐妻家の大名山蔭右京、旅先で出会った恋人が上京していると聞いて会いたく
てたまらないが、奥さんが怖くて出かけられない。なんとか会いに行きたいと一
計を案じ、夢見が悪いからお寺に参じたいと言うが許してもらえず、だったら邸
内で座禅をしたいというが、それも渋られ、一晩でもよいからと懇願し、太郎冠
者を身代わりに仕立てて、恋人のところへ!って話。兎に角、仁左衛門さんの
山蔭右京が大好きなんですよね!
特に恋人のところからほろ酔いで帰ってきて、奥さんにばれているとも知らずに、
のろけ話を語りながら舞う場面が素晴らしい!

そして、夏といえばやはり怪談!って感じで、落語でもおなじみの真景累ヶ淵か
ら“豊志賀の死” 、時蔵さんの豊志賀に菊之助さんの新吉。
顔が腫れる病で苦しむ富本節の師匠豊志賀と師匠を一生懸命に看病する若い
恋人新吉だが、豊志賀は、新吉と弟子のお久との仲を疑い嫉妬に狂い、嫌味
ばかり言っている。そんな状況に嫌気がさした新吉が、近所の寿司屋でお久と
逃げる算段をしていると、豊志賀の声が聞こえ、怖くなって伯父さんのところに
逃げ込むが、伯父さん曰く、病の豊志賀が迎えに来ていると言うと奥から豊志
賀が現れ、今までのことをわびる。とりあえず豊志賀を伯父さんのところで寝か
せ、帰り支度をしていたら、今度は同じ長屋に住む噺家さん蝶が現れて、長屋
での豊志賀の最期を語り出す!奥に寝かせたはずの豊志賀は・・って話。
落語を題材にしている部分を残しつつ、怖いながらもちょっぴり面白くって楽しい
舞台でした。

最後は、こちらも夏の演目、五変化舞踊邯鄲園菊蝶の夏の景“女伊達”、孝太
郎さんの女伊達木崎のお秀です。
屋号(まつしまや)の書かれた傘の中でキレ良く優美に舞う孝太郎さん!これぞ
歌舞伎って感じで華やな一幕でした。
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趣向の違う4つの演目にワクワクドキドキ!今回も歌舞伎の面白さを満喫させ
てもらいました。

そして、観劇前の腹ごしらえは、なんばウォークにある「焼きスパ ローマ軒」さん
で“焼きカルボ(大)”をいただきました。
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ナポリタンの進化版というか派生版という感じのスパゲティ、濃い、多い、安い!
で、お腹いっぱい!満足!


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日本の美しさ [歌舞伎]

めちゃ寒かった日曜日。本日は、大阪松竹座に「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演
(中村七之助出演)」を観に行ってきました。
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入口には餅花が飾られ初春公演のめでたい雰囲気が漂っていました。中に入ると
「午」と書かれた玉三郎さんの色紙も飾ってあります。
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席について双眼鏡のピント合わせなどしているうちに開演となり。先ずは、「村松風
二人汐汲」。在原行平が残した烏帽子と狩衣を身にまといながら踊る須磨の浦の
海女の姉妹。しっとりとした風情の玉三郎さんの松風と初々しさを感じる七之助さん
の村雨。紅白の豪奢な着物が新春公演のお祝いムードを醸し出していました。

次も新春ムード漂う「操り三番叟」。翁(月乃助さん)と千歳(笑三郎さん)の厳かな
舞いが終わると、後見(薪車さん)が、舞台に置いてあった箱から三番叟の人形(猿
弥さん)を取り出し、糸をくくって、ユーモラスな舞の始まり。途中で糸が切れて変な
踊りになったりと、端々で笑わせてもらいました。格式の中に笑いをちりばめた楽し
い演目です。

そして、待ってましたの「二人藤娘」。松の大木のもとで、華やかで艶やかに踊る玉
三郎さんと七之助さんの二人の藤の精。歌麿の美人画から抜け出したような、浮世
離れした美しさの玉三郎さんの藤の精と、渓斎英泉の美人画から抜け出したような、
上品さの中にどことなく艶かしいデカダンスな雰囲気を感じる七之助さんの藤の精の
対比が素晴らしかったです。
双眼鏡の中で藤娘を舞う玉三郎さんは、左右の顔が違った表情に見え、人間と精
霊、生と死、現世と浄土がこん然となったような美しさに息を呑むばかりでした。

最後は、七之助さんがお光・お染・久松の早替りをする「於染久松色読販 心中翌の
噂」。七之助さん演じる物狂いのお光の姿がなんとも生々しくってエロティックで、や
っぱり英泉の浮世絵が頭を過ぎりました。見せ場は、“なかむらや”の文字も鮮やか
な傘が乱舞する中でのお染・久松の早替り!素晴らしかったです。最後に、玉三郎
さんの土手のお六も登場し終演の挨拶となりました。

久しぶりに玉三郎さんを観ましたが、やっぱり凄いです。

朝、日曜美術館を見ていたら藤田嗣治の特集をやっていたので、なんとなく本物が
見たくなって玉三郎さんを観る前に、山王美術館で開催中の「藤田嗣治展」に立ち
寄ってみました。
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日本画の手法である下地の色(藤田の場合、この下地の乳白色が代名詞になって
ます)を活かしつつ、極細の繊細な輪郭線で女性の美しさを表現した藤田の洋画の
耽美的な世界を堪能させてもらいました。
別の部屋には、逆に、洋画のように輪郭線を排除し、新しい日本画に挑んだ横山
大観の作品も展示してあり、藤田の絵と見比べながら楽しませてもらいました。
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歌舞伎もやる黒崎さん [歌舞伎]

10月になりやっと朝夕に秋の気配を感じるようになった(昼はまだまだ暑い日も
ありますが・・)、今日この頃、本日は、ドラマ半沢の妙な“おネエ”キャラで一般
に知られるようになり「歌舞伎もやるんだ黒崎さん!」と声をかけられるようにな
ったと言う片岡愛之助さんが主演を務める「通し狂言 夏祭浪花鑑」を観に大阪
松竹座に行ってきました。
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今夏、文楽でも観た“夏祭”、6名の人形遣いの方々が舞台狭しと駆け回りながら
壮絶な殺人場面を描いていた長町裏の段を、今度は生身の人間で観てみようと
いう趣向です。
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先ずは、序幕“お鯛茶屋の場”と“住吉鳥居前の場”。夏の文楽では住吉鳥居前
からはじまったんですが、歌舞伎では、茶屋で遊女琴浦(右近さん)にほうける磯
之丞(薪車さん)に実家に帰るように意見し、一寸徳兵衛(亀鶴さん)と使ってひと
芝居打つ団七女房お梶(壱太郎さん)と言う前段からはじまりました。そして、住吉
鳥居前の場で、主人公であるクロはクロでも黒崎ではなく九郎兵衛(愛之助さん)
の登場!

二幕目“内本町道具屋の場”と“横堀番小屋の場”。文楽では磯之丞(薪車さん)を
質屋の娘お仲(新悟さん)にまで手を出すただの女性にだらしないスケベ男のよう
な雰囲気に描いてましが、こちらはお仲に言い寄られてちょっと困ってる程度にと
どめている感じ、それより猿弥さん演じる番頭伝八がなんとも滑稽で素晴らしい!
笑わせてもらいました。

三幕目“釣舟三婦内の場”は、徳兵衛女房お辰(吉弥さん)が自分の顔を傷つけ
てまで磯之丞を守ろうとする場面と、釣舟三婦(翫雀さん)が、佐賀右衛門の横恋
慕に堪忍袋の緒が切れて仏から鬼に変わる場面が泣けます。
そして、団七が女房の父三河屋義平次を殺害する壮絶な“長町裏の場”へ!
やはりこのシーンは、人間がやった方が生々しくって好きかも!でも、個人的には、
団七をいじめる義平次のネチネチ嫌味っぽい雰囲気は、文楽の方がヒシヒシと感
じられた気がします。

文楽は、舅義平次殺しで終わりでしたが、歌舞伎では、団七を逃がそうと画策する
一寸徳兵衛と釣舟三婦、最後は大捕物へとつながる大詰“田島町団七内の場”と
“大屋根の場”があり。これが、歌舞伎の夏祭のもう一つの見せ場になっています。

愛之助さん大活躍の夏祭浪花鑑!めちゃ面白かったです。やっぱり本業もと言う
より本業は凄い!

今回の幕間の腹ごしらえに選んだのは、売店にあった染五郎さんもお奨めという
高砂堂さんの栗赤飯まんじゅう。
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餡の代わりに赤飯の入ったまんじゅうで、ほのかな甘さが美味しい!結構腹持ち
も良いです。

そして、観劇後、甘党まえださんで軽く晩ごはんを食べようとにゅうめんを啜る。
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焼いた餅のおこげの風味があっさりしたにゅうめんとあいまってイイ感じです。


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今年の観劇初めは歌舞伎 [歌舞伎]

正月休みも今日までかぁ~!と思いながら、本日は今年の観劇初めって感じで、
大阪松竹座に「壽 初春大歌舞伎(昼の部);二代目市川猿翁・四代目市川猿之
助・九代目市川中車 襲名披露公演」を観に行ってきました。
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昼の部の演目、先ずは、新春公演と言うことで曾我物“正札附根元草摺”。
曾我兄弟の仇討ちを題材にした舞踊劇で、曽我五郎(猿弥さん)が、鎧を手にし
て仇である工藤の館に向かおうとするのを小林朝比奈の妹の舞鶴(笑也さん)が
止めようとするもの。鎧を引き合うときの足の指まで反り返る力の入った型がな
んとも素敵でした。

次は、歌舞伎十八番の内“毛抜”。
物語性をほとんど排除し歌舞伎の様式美を追求した歌舞伎十八番。今回の毛
抜は初めて見せてもらいました。が、かなり面白かったと言うか大笑いさせても
らいました。
家宝である小野小町の短冊が盗まれた上、お姫様が髪の毛が逆立つと言う災
難にみまわれた小野春道、そこへ姫の婚約者文屋豊秀の家臣粂寺弾正(右近
さん)が来訪し、手にした毛抜が動くことから髪が逆立つ原因を科学的(?)につ
きとめ解決するとともに黒幕まで退治すると言う話。
粂寺弾正が正義の味方って感じではなく、頭も良いし腕も立つけど小姓にも女中
にも言い寄るちょっと助平な男として描かれていて、コミカルな仕草で笑わせてく
れますし、最後に黒幕の首をスパッとはねて一件落着ハッピーエンド!って場面、
絢爛豪華な舞台にすっかり忘れられたようにほっとかれた生首の違和感が最高
です!めちゃ笑えます。
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そして、亀治郎改め猿之助さんの襲名演目“義経千本桜 吉野山”。
満開の桜を背景に繰り広げられる美しい舞踊劇、義経を追い、桜が満開の吉野
山へ向かう静御前(藤十郎さん)、義経から預かった初音の鼓を打つと、花道の
すっぽんから現れる佐藤忠信実は源九郎狐(猿之助さん)。
狐である忠信の時折見せる人間離れした仕草や親の皮を使った初音の鼓への
愛着、追っ手である逸見藤太(翫雀さん)の歌舞伎役者づくしの口上、最後に忠
信から源九郎狐に戻り、まるで操り人形のように舞う猿之助さんが凄い!見所満
載の華やかな舞台でした。

最後は、猿之助改め猿翁さんと中車さんの襲名演目“楼門五三桐”。
こちらも満開の桜を背景に南禅寺の山門の上で、「絶景かなぁ~、絶景かなぁ!
春の宵は値千両・・・」の名台詞を高々に響かせ煙管をくゆらせる石川五右衛門
(中車さん)、山門がせり上がると、巡礼姿の真柴久吉(猿翁さん)が現れ「石川
や 浜の真砂は尽きるとも」の台詞とともに、久吉と五右衛門が、山門の上下で対
峙すると言うもの。

カーテンコールで、中車さんに支えられた猿翁さんが、ほとんど動かない身体で、
客席に向かって、手を振ってくれました!なんだか涙が出てしまいました。
お帰りなさい。
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六代目中村勘九郎襲名披露 九月大歌舞伎 [歌舞伎]

3連休の最終日。心斎橋でアートを楽しんだ後は、難波に移動し大阪松竹座で
開催中の中村勘太郎改め六代目中村勘九郎襲名披露興行「九月大歌舞伎(夜
の部)」を拝見。
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今回、夜の部の演目は、玉三郎さんの“女暫”、襲名披露口上、新勘九郎さんの
六変化“雨乞狐”、翫雀さんの“雁のたより”でした。

女暫は、昨年の團菊祭の折り時蔵さんの巴御前バージョンで初めて拝見させて
もらって今回が2回目。今回の巴御前は玉三郎さん。この話はストーリーが云々
ではなく様式美の世界、華やかな舞台の上で演者の台詞が一巡した後、いよい
よ花道に玉三郎さん扮する巴御前登場!双眼鏡の中の玉三郎さんの美しさに
ため息が出てしまいました。凄い!優雅で優美で力強いくて可愛らしい巴御前を
堪能させてもらいました。
そして、勘九郎さんを中心に演者がずらりと並んで襲名披露口上の始まり!挨拶
するだけと言えばそれまでですが、なんだか好きなんですよ口上。
次は、野狐姿の新勘九郎さんが現れ、巫女、座頭、小野道風、狐の嫁、提灯の
六変化で踊り分け!素晴らしかったです。
最後は、上方の人情話。若殿左司馬(亀鶴さん)が郭から身請けした花魁司(壱
太郎さん)を連れて家来と有馬温泉に遊山に来たが、司は終始ご機嫌斜め。酒
宴の席で司が宿の裏の髪結い床の五郎七(翫雀さん)に惚れていると話題が出
て、邪推した若殿と家来が五郎七に司からと言う偽の手紙を送り不義の罪に落
としいれようとするが、家老の治郎太夫(彌十郎)の機転で難を逃れたと思ったら
槍を持った家老が五郎七に襲いかかり・・・実は!って話。大阪弁のお芝居も良
いですね。
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三代目中村又五郎 四代目中村歌昇襲名披露 七月大歌舞伎 [歌舞伎]

今日は、大阪松竹座で開催中の三代目中村又五郎さんと四代目中村歌昇さんの
襲名披露興行「七月大歌舞伎」を観に行ってきました。
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やっぱり襲名披露興行なんで口上を観たいな!と思い、今回は夜の部の席を購
入。まぁ~!いつものように、3階席の一番安い奴ですが・・・!
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本日、夜の部の演目、一幕目は、吉右衛門さんが銀平と知盛を務める「義経千本
桜の渡海屋と大物浦」、義経に梅玉さん、典侍の局に魁春さん、入江丹蔵に襲名
の歌昇さん。
義経千本桜ってタイトルですが、どの段も義経が活躍する話はほとんど無く、概ね
脇役。この段も義経は出てきますが、主役は吉右衛門さん演じる渡海屋銀平実は
平家の残党新中納言知盛、先ずは、義経を探索する鎌倉からの追手を渡海屋の
亭主銀平が船宿の頼もしいおやじって風情で威勢良く追い払い、その後、自ら義
経を倒すために高貴な鎧姿で現れる知盛(銀平)、最後は、義経方に敗北し血み
どろの瀕死の姿で、大きな碇とともに壮絶に入水すると言うまったく趣の違う姿を
見せる大役。舞台中央に設えられた大きな岩から後ろ向きに海に飛び込む吉右
衛門さん!凄い迫力でした。

そして、二幕目は、出演者が舞台にずらりと並んでの、襲名披露の「口上」。
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ただいま海から上がって参りましたと、いきなりの冗談で会場と舞台を和ませなが
ら進行を務める吉右衛門さん。年配の方は、二代目又五郎さんとの思い出話など
を交えて三代目さんと息子で同時に襲名する歌昇さん(又五郎を襲名するおやじ
さんの名前を襲名するかたち)を称える挨拶、若手の人は、現又五郎さんや歌昇
さんとの話で襲名に華を添えていました。

三幕目は、襲名の又五郎さんの狐忠信、芝雀さんの静御前、ひょうきんな役どころ
早見藤太を仁左衛門さんが演じる「道行初音旅(吉野山)」。
桜が満開の吉野山が舞台、義経を追いかけて旅をする静御前と佐藤忠信ですが、
この忠信は、静御前の持っている初音の鼓に使われている狐の皮の子供で親恋
しさに忠信に化けていると言う設定。この幕は、所作事(舞踊芝居)なので、静御前
の優美な舞と忠信のたまに狐の本性の出る軽妙な舞を前半は楽しみ、後半は早
見藤太が登場し打って変わったユーモアたっぷりの楽しい舞台となります。
仁左衛門さん演じる早見藤太の出演者の名前づくしのとぼけた啖呵に大笑いせて
もらいました!

最後の四幕目は、妙にシュットした数奇屋坊主河内山宗俊の染五郎さんに、腰元
を追い掛け回す助平な殿様にはあんまり見えない好青年風の松江出雲守の歌昇
さんと言う「天衣紛上野初花の河内山」。
松江出雲守のところに腰元として奉公している浪路をみそめて妾になれと殿様が
言い寄るが、ガンとして断る浪路、怒った殿様は浪路を屋敷に閉じ込めるが、それ
を助けに来たのが、上野寛永寺僧侶を装った河内山宗俊(金目当てってところが
リアル)。松江出雲守を脅したり賺したりの直談判で、なんとか浪路を実家に返す
段取りをつけ、金も巻き上げ、帰ろうとする屋敷の玄関で、顔見知りでもある松江
出雲守の家来北村大膳に化けの皮を剥がされるが、粋な啖呵で切り抜けるって話。
染五郎さんのキレの良い啖呵を楽しませてもらいました。

幕間の楽しみは、お弁当!今回は吉野さんの細巻き寿司をつまみました。
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ひざの上にのっけてそそくさと食べるお弁当ですが、幕間に食べると妙に美味しい
んですよね!
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團菊祭五月大歌舞伎 昼の部 [歌舞伎]

朝から5月中旬とは思えないくらい肌寒い今日は、大阪松竹座に「團菊祭
五月大歌舞伎 昼の部」を観に行ってきました。
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昼の部の演目は、菅原伝授手習鑑の「寺子屋」、「新古演劇十種の内 身
替座禅」、恋飛脚大和往来の「封印切 新町井筒屋の場」でした。
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先ずは、海老蔵さんの武部源蔵と松緑さんの松王丸の「寺子屋」。
寺子屋の段は、有名で文楽や歌舞伎でよくやる演目です。が、前後が無く
だいたいここだけをやるので、いつも見終った後に???と言う妙な後味
が残るんですよ。
話自体は簡単で、主君の子供(菅秀才)をかくまってる寺子屋のおやじ(武
部源蔵)が、かくまってる菅秀才の首を差し出せと言われ、困っているとこ
ろに都合良く上品で顔立ちの似ている子供が入門し、その子供の首を切っ
て、首実検役(松王丸)に見せたら、顔を知っているはずの松王丸が、この
首に間違いないといって偽装が成功する。が、実は松王丸が自分の子供
を身替りにたてたのだったと言う結末。
忠君と親子愛みたいな話なんでしょうが、どぉ~も現代人の私には判らん
です!(寺子屋だけではなく、前後の幕があっても、心情的な部分は理解
できないと思います。)
だからと言って、嫌いな演目ではない、有名な台詞「せまじきものは、宮仕
えじゃなあ~!」は、いろんな思いで、沁みます。

次は、團十郎さんの奥方玉の井と菊五郎さんの山蔭右京の「身替座禅」。
これは、狂言をベースにしたお笑い話。恐妻家の旦那が、浮気相手に会い
たいために、奥さんに外に出たいと言うが許してもらえない、それなら一晩
だけ家にあるお堂にこもって座禅をしたいと奥さんにお願いし、家来を身替
りに浮気に行くが、行ってる間に奥さんにばれ、旦那が帰ってくると家来の
代わりに奥さんがお堂で座禅しながら待っていたと言う、男性的にはいたた
まれない話。
助平で奥さんに頭の上がらないナヨっとした菊五郎さんの旦那がなんとも
イイ感じ!團十郎さんのあの目でギロリと旦那を睨みつける奥さんも最高
です。笑わせてもらいました。

最後は、藤十郎さんの忠兵衛に菊之助さんの梅川、敵役八右衛門を三津
五郎さんが演じる「封印切」。    
言わずと知れた、“梅川忠兵衛”。近松の冥途の飛脚の歌舞伎版。
藤十郎さん演じる、近松モノには欠かせない大阪の頼りない男と言う風情が
イイですけど、なんと言っても菊之助さんの梅川が美しい!最初、暖簾を分
けて舞台に現れたときに、会場中が一瞬息を呑んだ感じがしました。暗闇の
離れでの忠兵衛とのやり取りも可愛くって色っぽい!素晴らしいです。
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二月花形歌舞伎 [歌舞伎]

朝、何気につけたTVに愛之助さんが出てるのを見かけ、あぁ~!
大阪松竹座で歌舞伎やってるんだ!と思い出したので、その足で
と言うか、ちょっくら観に行っていました。
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ほぼ満席で3等席の一番後ろと言う当日券が2枚だけ残っていた
ので、なんとか滑り込んで観劇と相成りました!無計画過ぎ!!
TVに出ていた愛之助さんをはじめ、染五郎さん、獅童さんと言う中
堅どころが主演の花形歌舞伎。

昼の部の演目は、由比正雪の慶安の変を題材にした“慶安の狼
丸橋忠弥”と喜劇“鳰の浮巣 大當り伏見の富くじ”でした。

慶安の狼は、槍の名手で実直ながら酒癖の悪い浪人丸橋忠弥に
獅童さん、忠弥の親友野中小弥太に愛之助さん、慶安の変の首謀
者由比正雪に染五郎さんと言う配役。
諸藩を潰しまくる徳川幕府に不満のある忠弥は、由比正雪の計略
に加担するが、酒癖が悪く計画がばれたら一大事と命を狙われる
始末。いっぽう友人の小弥太は忠弥を自藩になんとか仕官させよ
うとしているが、由比とのかかわりを懸念し、探りを入れ、計略に気
付き、親友も大切だが謀反を見逃せないと家老に進言するが、自
藩への飛び火を恐れた家老は、忠弥ともども小弥太も捕らえるよ
うに命令。最後は、舞台全面を使い壮絶な大立ち回りと言う話。

うって変わって大當り伏見の富くじの方は、最初から最後まで笑い
っぱなし!(途中ほろりとくる場面もありますが)
幕が開くと染五郎さんの紙屑屋幸次郎がスポットライトを浴びて舞
台中央に座り、なんだか際々な感じの口上を述べるところから始ま
り。伏見稲荷で神様との笑点のようなやり取りなどいきなりぶっ飛
んだ演出にビックリ!
幸次郎は実家の質屋が潰れ、妹と2人、兄は紙屑屋、妹は神社の
茶店で働きながら、潰れた質屋を再建しようと細々と暮らしている。
そんなある日、幸次郎が紙屑を拾いに島原を通りかかった折、鳰
照太夫の花魁道中と出くわし、鳰照太夫(翫雀さんのふっくらとした
鳰照太夫がなんとも可愛い!)に一目惚れ!
一目花魁に会いたいと貯めた金、拾った大金をつぎ込んで島原へ。
そこで買った富くじが当たって大騒ぎ!一目惚れした花魁が実は
許婚だったって伏線もありつつ、大いに笑ってちょっぴり涙もありつ
つの本当に楽しい舞台でした。
ぽちゃぽちゃの鳰照太夫も良かったですが、獅童さん演じる変態ヅ
ラ侍黒住平馬が最高!カブト虫って!面白過ぎですよ獅童さん♪ 

まったく雰囲気の違う2作品のコントラストが鮮やかで滅茶苦茶楽し
ませてもらいました。
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壽初春大歌舞伎 [歌舞伎]

世間は3連休の中、年末に休日出勤をした振休を本日取っていたので
私的には4連休!
ってことで、今日は、当日券でも良い席で観られるかな?なんて期待を
しつつ、難波の大阪松竹座に「壽初春大歌舞伎」を観に行ってきました。
(端っこですが、二等席の最前列で観られたので予想的中!)
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今日の演目、先ずは、翫雀さんの又平と秀太郎さんのおとくの「傾城反
魂香」。
絵から抜け出した虎を退治した功績で弟弟子が土佐の苗字を使うこと
を許される一方、吃音症で奥さんのおとくががいないと会話もままなら
ない又平の方は功績が無いと師匠から冷たくあしらわれる。
そんな折、狩野元信の姫が捕らわれた知らせが入り、功績をあげたい
又平は姫の救出を申し出るが、それも許されず弟弟子が救出に向かい。
絶望した又平は死を覚悟し、最後の絵を手水鉢の裏に描くが、気持ち
の入った絵は手水鉢の表に移動。それを見た師匠が技が成ったと苗字
と姫の救出を許し、夫婦大喜びで助太刀に向かうという話。
翫雀さんの又平がどんどん追い込まれていく途中の切ない展開と、最後
に秀太郎さんのおとくと夫婦漫才のようなユーモラスな明るい雰囲気の
対比が印象的で面白い作品でした。

次は、我當さんの夜叉王に扇雀さんの桂と海老蔵さんの頼家の「修禅寺
物語」。
半七捕物帳の岡本綺堂作の作品、修禅寺で娘2人と娘婿と暮らす能面
師夜叉王のところに、自分の顔を映した面を頼んだがなかなか完成しな
いのに腹を立て、催促に来た源頼家。納得しない面(何回作っても死相
が現れる)を渡したくないと死を覚悟する夜叉王であったが、姉娘が面は
完成していると夜叉王が嫌がるのを振り切って面を渡し、本人も頼家に
見初められ面とともに頼家のところに行く。が、その夜、北条の夜討ちあ
い、姉娘は頼家の身代わりになろうと面を付け長刀で戦うが・・・って話。
気の強そうな扇雀さんの桂と立ち姿が凛とした海老蔵さんの頼家が素
敵でした。

最後は、團十郎さんの大伴黒主と藤十郎さんの小野小町(小町桜の精)
の「積恋雪関扉」。
逢坂の関で、関守の関兵衛に化け謀反を企てる大伴黒主と小町桜の精
が華麗に戦う(?)という、歌舞伎を見たなぁ~!って気分満載になれる
様式美の世界。なんとなくストーリーもあるみたいですが、それよりなに
より、華やかな舞台の上で、荒々しい團十郎さんの型と柔らかな藤十郎
さんの型のコントラストが素敵でした。
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夜の部は海老蔵さん主役の雷神不動北山櫻ですが、海老蔵さんは昼の
部も全演目出演で、めちゃ頑張ってました。

十日えびすの日だったので、松竹座の前に福娘さんや芸者さんがずらりと
並んだり、戎橋では文楽人形も登場して、華やかな雰囲気を醸し出してい
ました。
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歌舞伎の後、小腹が空いていたので、法善寺横丁の水掛不動横にある
「夫婦善哉」さんで名物の二つの椀に盛られたぜんざいをいただきました。
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甘いぜんざい→塩昆布→甘いぜんざい→塩昆布→濃いお茶の流れで甘
辛ミックス!?美味かったです。


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