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久しぶりのお能 [能・狂言]

お盆休みの初日。今日は山の日でしたが、このクソ
暑いのに野外をウロウロするのも身体に悪かろうと
思ってって事でもないですが、山には行かず、涼し
い大槻能楽堂に「第六十六回 大阪薪能 昼の部」を
見に行ってきました。
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薪能なら野外だろうって気もしますが、コロナの
影響を鑑みてって事だと思います。室内の能楽堂
での公演となってました。
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もちろん薪能ですが、かがり火は無しです!笑

昼の部の演目は、お能の“難波(なにわ)”と“半蔀
(はじとみ)”の二曲に狂言“寝音曲”でした(+松
井一郎大阪市長のあいさつ文の副市長の代読付き)。
先ずは、井戸良祐さんと小西玲央さんの演目解説
からスタート。演目の大まかなストーリーや難波
に使う大悪尉などの面は話、半蔀とは何ぞやって
話などなど。

そして、半能の“難波”。シテの王仁(わに)には金
春穂高さん、ツレの花(梅)の精木華開耶姫は湯
本哲明さん。
この能は、仁徳天皇をたたえた渡来人である王仁
博士の歌“難波津に咲くや此の花冬籠り今は春べと
咲くや此の花”に由来する世阿弥作の能で、ワキで
ある朝臣と従者2人の後に王仁と木華開耶姫が現れ、
強面の王仁が金糸銀糸の豪奢な衣装で舞い踊る曲
でした。特段ストーリーは無かったんですが、絢
爛豪華で力強いお能でした。

狂言“寝音曲”は、主人(上西良介さん)が歌の上
手い太郎冠者(善竹彌五郎さん)に歌を歌わせよ
うとするが、一回歌うと事あるごとに歌わさせら
れるのが嫌で、酒を飲まないと歌えないとか膝枕
じゃないと歌えないなど言い訳を並べるが、最後
は歌っておしまいと言う話です。後半、主人の膝
枕で歌うシーンは笑えました。

間に、大阪副市長の代読

最後は“半蔀”。半蔀とはお寺とかにある上に開く
窓のことで、その奥から源氏物語の夕顔の霊(上
野雄三さん)が現れて、立花供養をしている僧
(福王茂十郎さん)の前で、光源氏との恋の思い
出を歌い踊る話。物憂げな夕顔の舞も素晴らしか
ったですし、薄い鶯色の衣装が涼やかでイイ感じ
でした。

観劇前の腹ごしらえは、こちらも久しぶりに谷四
にあるビストロ「コションローズ」さんでランチ。
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今日は若鶏のグリル、シャキシャキのカブに爽や
かなソースがあまって、さっぱりした味わいで美
味しかったです。

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和歌三昧の春の能 [能・狂言]

コロナの感染が再拡大し、明日からのんびりした響きの
マンボウではなく“まん防(まん延防止等重点措置)”が
はじまる大阪です。が、今日は、山本能楽堂に「四月の
たにまち能」を観に行ってきました。
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本日の番組は、春らしく、能の“羽衣”、狂言で“土筆(つ
くづくし)”、仕舞で“兼平”と“阿漕(あこぎ)”、能の“西
行桜”でした。
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先ずは羽衣で、シテ(天女)は山本麗晃さん、ワキ(漁
師の白龍)は廣谷和夫さん。
お馴染みの羽衣伝説の話ですが、こちらは、漁師が羽衣
を奪って天女を嫁にするみたいな展開ではなく、漁師が
松の枝にかけてある羽衣を取るんですが、天女が気づい
て返してくれと願うと舞を舞ってくれるならと言って羽
衣を返し、お礼に天女が舞を舞うと言う話です。
天女が謡う“天の原ふりさけ見れば霞立つ 雲路まどいて
行方知らずも”が、百人一首でお馴染みの安部仲麿の“天
の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出し月かも” が
思い浮かばれ、遠い天界を思う天女と遠い日本を思った
安部仲麿が重なり、もの悲しさが感じられました。

次は、網谷正美さんと増田浩紀さんの狂言で土筆なんで
すが、つくしではなくつくづくしと読むみたいです。
ある男が春の陽気に誘われ友人と二人で野遊山に出かけ、
土筆を見つけて“つくづくしの首しおれてぐんなり”と詠
うが、ぐんなりはヘンだよと友人に笑われたので、この
歌には引歌があると言って“我が恋は松を時雨の染めか
ねて 真葛が原に風騒ぐんなり”と詠うが、それは“真葛
が原に風騒ぐなり”だとさらに笑われる。さらに進むと
芍薬を見つけ、今度は友人が“難波津に芍薬の花冬ごも
り 今は春べと芍薬の花”と詠むが、それは“難波津にさ
くやこの花冬ごもり 今は春べとさくやこの花”だと指
摘して、言い争ったあげく相撲で勝負をすると言う話。
和歌の飛び交う楽しい狂言です。

そして、仕舞の“兼平”と“阿漕”の後、“西行桜”。シテ
(老桜の精)は山本章弘さん、ワキ(西行法師)は福
王和幸さん。
西行法師が詠んだ“花見んと群れつつ人の来るのみぞ
あたら桜の咎(とが)にはありける”を題材にした世
阿弥の能だそうです。
京都西山にある西行法師の庵に立派な桜の古木が生え
ていて、西行法師が満開に咲きほこる桜を楽しんでい
たら、京都の市中から花見客がたくさん訪れ追い返す
のも悪いので引き入れた。が、一人で静かに桜を楽し
みたかったとの思いから思わず“花見んと群れつつ人
の来るのみぞ あたら桜の咎にはありける”と言う和歌
を詠んでしまう。それを聞いていた桜の精が、俺のせ
いとは聞き捨てならん!と夢枕に立つと言う話。
能舞台の中央に置いてある頭に桜の花を飾った小ぶり
のガゼボ(バラ園とかによくある花のドームみたいな
奴)みたいな作り物の中に白髪ロン毛のお爺さんの桜
の精が座って現れる風情はかなりシュールです。

春を感じる素敵な公演だったんですが、コロナで観劇
数がめっきり減った私にとっては、換気のための10分
間の休憩のみの3時間余りにわたる能の公演は、集中
力とお尻が限界でした!涙
そんな私にもお能が楽しめる工夫って感じで、あらす
じを漫画にしてあるチラシが挟んでありました。
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判りやすかったです。素晴らしい!

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春を感じるコラボ能 [能・狂言]

三寒四温って感じでちょっと寒さが戻った感じの今日は、
山本能楽堂に「文化の伝承 花と芸能 work#11」を観に
行ってきました。
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山本能楽堂では異分野芸能のコラボ企画をよくやってる
んですが、今回は、住野秦士さんのチェロ演奏でバッハ
無伴奏チェロ組曲 第2番ニ短調、山本章弘さんのお能で
“嵐山”。そして、舞台の周りには粕谷尚弘さんの一葉式
生け花が飾られ、春らしい華やいだ雰囲気が漂っていま
した。
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先ずは、住野秦士さんが舞台に現れ、チェロ演奏でバッ
ハの無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調とアンコールで第4番
を聞かせてくれました。
能楽堂自体が音が響くように造られていると言うことも
あって、空間を包む深みのある音でチェロの世界に誘っ
てもらいました。と言っても音楽は門外漢で、バッハも
無伴奏チェロ組曲第1番ト長調はなんとか耳憶えがある
んですが、第2番とか第4番とか初めて聞いた気がしま
す(もしかしたらテレビなどで、よく流れているのかも
しれませんが意識して聞いたのは初です)。

そして次は、山本章弘さんのシテでお能“嵐山”の後半部
分を楽しませてもらいました。
吉野山から移した桜を吉野の神々が見守り、満開の花が
咲くと言う春らしい華やかでめでたいお能で、先ずは、
桜の枝を持ってツレの木守の神(河村浩太郎さん)と勝
手の神(樹下千慧さん)が登場し、ひとしきり舞った後、
吉野金峯山寺の蔵王権現(山本章弘さん)が真っ赤な髪
にオレンジの袴と黒字に金模様の着物を着て現れ舞を披
露して去っていきます。なんとも絢爛豪華なお能で迫力
が有りました。

最後に粕谷尚弘さんが登壇し、今回、設えた生け花に関
する解説してくれました。コロナでイベントが無くなく
なり、花を生ける機会も少ないと言うことで、季節の花
を用意するのが、かなり難しいと言うことでした。コロ
ナってそんな影響もあるんですね!
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お話の後、山本能楽堂のバックヤードツアーって感じで、
舞台裏の各部屋に設えた花を眺めさせてもらいました。
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花はもちろん美しかったんですが、能楽堂の裏側が見ら
れて、めちゃ楽しかったです。
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廊下の壁などに押花作家の土井三恵子さんの素敵な作品
も多数展示してあり、春らしさに花を添えてました。
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今日は、久しぶりに谷町四丁目の山本能楽堂にお能を見
に来て、観劇前の腹ごしらえに能楽堂近くにある洋食屋
「キートス」さんで日替わりランチ(カレー煮込みハン
バーグとカキフライ)をいただきました♪
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スパイシーなカレーで煮込んだハンバーグがめちゃ美味
しいかったです。
席も壁側だけにし感染防止を徹底されてる感じで、安心
して食事ができました。

大阪の緊急事態宣言の第2弾も明日までって感じです。
が、以降も感染防止を図りながら、観劇も徐々に増やし
ていきたいな~!なんて思ってます。

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初笑い狂言 [能・狂言]

お正月休みも今日までか!なんて思いながら、本日は大槻
能楽堂に「新春 天空狂言 2020(昼の部)」を観に行って
きました。
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昼の部の番組は、“末広がり”、“止動方角”、“梟”でした。

先ずは、茂山千之丞さんが登場し演目の解説。昨年秋に五
世茂山千作さんが亡くなり喪中のため“おめでとうございま
す”の挨拶も控えつつ、例年忙しいお正月が、今年は何もす
ることがなかったと言う話をしばし。
解説の方は、あらすじの紹介と合わせて、本編には出てき
ませんが、末広かりの扇子(本当に閉じた時に先が広がっ
ている扇子)、止動方角でお茶入れに見立てる葛桶、梟で
使う鈴懸(結袈裟)など、それぞれの演目で使う道具や衣
装などの解説も聞かせてもらいました。

そして、おめでたい番組“末広がり”。果報者は茂山千三郎
さん、太郎冠者は茂山千五郎さん、すっぱが網谷正美さん。
果報者から都に行って末広がりを買ってくるように言われ
た太郎冠者、末広がりを知らないまま買い物に行き、すっ
ぱにだまされて傘を買って帰り、果報者からこっぴどく怒
られるが、すっぱに教わった歌と踊りを踊ていると果報者
もつられて踊りだすという話。

次は、“止動方角”。主人が茂山七五三さんで太郎冠者は息
子の茂山宗彦さん、伯父は丸石やすしさんで馬が鈴木実さ
ん。茶比べと言うお茶のテイスティング会みたいなものに
参加するのにお茶も道具も何も持っていないな主人が、伯
父さんから良いお茶、お茶入れ、刀、馬を借りてくるよう
に太郎冠者に命令する。何も持てないなら茶比べなんかに
行くなよと思いながら渋々伯父さんのところに行って一式
借りてくるが、借りた馬は咳をすると暴れるという癖があ
る。馬に乗って偉そうにしている主人をこらしめてやろう
と、太郎冠者が馬の後ろで咳をすると馬が暴れて主人は落
馬。この後、再度、馬が暴れて落馬した主人は馬に乗るの
を嫌がり、太郎冠者が馬に乗って茶比べに向かうことにな
ったが・・と言う話。話も面白いんですが、馬がシュール
です!

最後は、“梟”。法印が茂山あきらさん、弟が茂山千之丞さ
ん、兄が茂山逸平さん。弟が法印のところを訪れ病気の兄
のために祈祷をお願いする。が、祈祷がはじまると兄が奇
声を発し変なしぐさを始める。兄は梟の巣にいたずらをし
梟憑きになっていると言うことで祈祷を続けるが、梟憑き
が弟に伝染し、あげくに・・と言う話。

初笑いって感じで楽しい時間を過ごせました。面白かった
です。

昨年から改装をしている大槻能楽堂。舞台はそのままです
が、外観やロビー、客席とトイレがめちゃ綺麗になってま
した。
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座り心地の良い椅子に変わり長丁場のお能でもお尻が痛く
ならずに見れそうな気がするので、今度はお能を観に行こ
うと思います。今まで以上に寝るかもですが・・。。。。

観劇前の昼ごはんは、空堀商店街にある「大衆食堂 スタン
ド そのだ」さんの中華そばをいただきました。
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昭和の雰囲気を醸し出すスタイルの店で、いつも行列がで
きていてなかなか入れない店です。が、今日は珍しく空い
てました。
中華そばの方、焼豚がインパクトありますが、醤油味のシ
ンプルで美味しいラーメンでした。ほかに居酒屋メニュー
も豊富にありました。

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季節はまだ早いですが能で紅葉狩 [能・狂言]

今宵は、山本能楽堂に秋の番組、とくい能「紅葉狩」を観
に行ってきました。
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とくい能とは、山本能楽堂でやている初心者や外国の人向
けの解説付きのお能の会だそうで(外国のお客さんも多か
ったです)、番組のはじまる前に山本章弘さんと通訳さん
が舞台に登場し、紅葉狩の見どころなどを解説。
しばらく解説の後、山本章弘さんは衣装を着替えに舞台裏
に引っ込み、通訳の方が引継ぎで壁に映し出されたスライ
ドでさらに詳しくストーリーを説明してくれました。
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ほどなく番組の始まり。所は信濃国(長野県)戸隠山、先ず
は、紅葉に見立てた赤、薄紅、橙、緑の派手な衣装を身に
まとった、シテの高貴な女性(実は鬼神)の山本章弘さん
を含めた4人の女性が登場し、しばらく紅葉狩りを楽しむ
華やいだ風情が繰り広げられます。
次に登場するのが、鹿狩りに来たワキの平維茂(福王知登
さん)。宴会の邪魔にならないように静かに横切ろうとし
ますが、女性に呼び止められてお酒すすめられ、ついつい
お酒を飲んで寝込んでしまうと、それを見計らったように、
シテの高貴な女性は岩山に隠れ、他の女性たちも去ってい
きます。
酔って寝込んでいる維茂のところに男山八幡宮の使いだと
いう武内ノ神(茂山茂さん)が現れて、あの女たちは鬼な
ので退治するようにと神剣を渡します。
維茂が眠りから覚めるとシテの高貴な女性が本性の鬼神の
姿で岩山から現れ維茂と壮絶な戦いを繰り広げ、鬼神は維
茂に切られて最期を遂げるという話。

山本さん曰く、なんとなく終わったのか終わってないのか
が判らない感じで、ぼんやりと終わる演目が多い能の中で
は珍しく、起承転結がはっきりした判りやすい能だそです。
(それでも切られて死んだ鬼がやおら起きて、維茂と一緒
にしずしずと舞台を去っていく姿はやっぱりお能だなって
感じですが・・)

番組が終わってからは、再び山本章弘さんと通訳さんが登
場し、質疑応答の時間。よくある誰も質問しない形ばかり
の質問タイムかなと思っていたら、山本さんの回答が辛辣
で、なんだかすごく盛り上がりました。
能は舞台も物語のシンプルなのでなぜ衣装だけ絢爛豪華な
のか?と言う質問に対して山本さん曰く、秀吉が見るだけ
では飽き足らず自分も舞台に上がってきだしたので、派手
好みの秀吉の影響で衣装が派手になったそうです。
女性を演じる時の気持ちはと言う質問には、声色を変えた
りなど女性を演じているわけではなく、おっさんが女性の
面をかぶっているだけで、それ以上はお客さんの想像力に
ゆだねている。能は不親切な演劇で、舞台装置も演者も基
本的にはお客さんに向かっては、なにも説明も主張もせず、
あくまで見ているお客さんの想像力に任せる演劇だそうで
す。
能面に関して、面をつける人とつけない人の違いは何か?
と言う質問に関しては、生身の男性を演じる時は面をつけ
ないのとワキは基本的に面をつけないそうです。
同じ演目はすべて同じ演技演出(謡や舞など)なのか?と
言うの質問に対しては、役者は型通りに行うのが基本、し
かし、演技や演出に差が無い分、役者の個性が現れるので、
そこを見てもらいたいそうです。
シェークスピアの演劇も、昔はすべて男性が演じていたが、
時代とともに男性の役は男性、女性の役は女性になってき
た。能もそのような変化は起きるのか?と言う質問に対し
ては、今は女性の能楽師もいて舞台に立つが、役柄として
男女で分けてはいない、男女関係無く役を演じている。
男女の流れで、なぜ演者は男性が多いのかと言う質問には、
能が武士の娯楽だったころ殿様は男色が多かったからだな
ど通訳の人が困るような回答がバンバン出てきて、思わず
笑いが漏れていました。
あとは、スポーツも少し齧るだけでも見るポイントが分か
て面白いのと一緒で、能も少しだけ習ってもらうとさらに
楽しく見られるので是非習ってくださいってことでした。

能はたまに見てますが、分かり易くは無い芸能ではないの
で、解説や観劇後の感想も含めて一曲を分解しながらじっ
くり見るのも非常に面白かったです。

お能前の腹ごしらえは、能楽堂近くのカレー屋「まんねん

カレー」さんで、ほうれん草カレーをいただきました。
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初味覚のマイルドでほうれん草たっぷりのカレー美味しか
ったです。カレーライスとカレーつけ麺を提供するちょっ
と変わった店でした。

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シュールな狂言 [能・狂言]

初夏の陽気のGWの後半戦。今日は、大槻能楽堂に「萬狂言 大阪
公演」を観に行ってきました。
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演目が始まる前に小笠原匡さんの解説。と言っても演目の解説で
はなく、パリ公演の話とNHKで特集があるので見てね!と言うち
ょっと番宣って感じでした。が、面白かったです。

そして最初の演目は“水掛聟”。舅に野村万蔵さん、聟に小笠原弘
晃さん、聟の妻には河野佑紀さん。
我田引水と言うことわざが思い出される演目で、聟が田を見回り
に来ると水がかれていて、水が隣の舅の田に引き込まれていたの
で、堰を鍬で切って自分の田に水を引き込んで帰る。その後、舅
が田の見回りに来て水がかれていたので、堰を切って聟の田から
水を引き込む。そんなことを繰り返していたら、舅と聟の喧嘩が
はじまり、水をかけ合う、泥をかけ合って大騒ぎ!そこに聟の嫁
まで加わって、舅を突き飛ばして帰るって話。文章で書くと嫌な
感じの話ですが、水をかけたり泥を塗ったりする場面がコミカル
で笑えました。それと舅の捨て台詞が祭りに呼ばないぞ!っての
もちょっとほっこりです。

次は“文荷”。太郎冠者に人間国宝の野村萬さん、主人は野村万之
丞さんで次郎冠者に能村晶人さん。
こちらは能の恋重荷と言う演目のパロディみたいな感じの話で、
主人に少年宛てに書いた恋文を届けるように言われた太郎冠者と
次郎冠者、行くのを嫌がって押しつけ合っていましたが、とりあ
えず2人で運ぼうと言うことになり、棒の真ん中に恋文を吊るし
て運び出すけど、恋文が重いと言って文句を言いながら開けて読
み出す始末って話。主人の少年愛と恋文を盗み見ると言うシュー
ルな話ですが、野村萬さんの飄々とした感じの太郎冠者で下品に
ならずに見られたって感じです。

最後は“千切木”。太郎には小笠原匡さん、連歌の会の当番に野村
万蔵さん、連歌仲間には小笠原弘晃さん、能村晶人さん、野村万
之丞さん、山本豪一さん、泉愼也さん、そして太郎の女房は野村
万禄さん。
連歌の会の当番が仲間を呼んで連歌をはじめる。来ると難癖ばか
りつける太郎には声をかけず会をやっていると、どこぞで連歌の
会のことを聞きつけた太郎がやってきて、いつものように掛軸が
悪いの生花が悪いのと難癖をつけはじめたので、怒った仲間連中
が太郎を足蹴にしてしまう。それを知った恐妻家の太郎の女房が
棒(千切木)と刀を持ってきて仕返しをするように言うが、太郎
の方は気乗りせずにぐずぐずしていると、女房が無理やり連歌仲
間の家に引きずっていく。が、居留守をつかわれ太郎も一安心っ
て話。太郎と女房のやり取りのテンポが良くって、おおいに笑わ
せてもらいました。

狂言を楽しんだ後、大槻能楽堂近くにある昔ながらの豆菓子屋?
「野村商店」さんが開いていたので、すずめのたまごを買って帰
りました。
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大槻能楽堂に行くのが日曜日が多いせいか、このお店開いてるの
をほとんど見たことがないので気になってました。豆菓子やおか
きが並んでるんですが(缶に入ったお菓子の量り売り?)、場所
も場所ですし、これで商売が成り立ってるのか?不思議な店です。

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師走の能 [能・狂言]

夕方から冷たい雨の降った日曜日。今日は久しぶりのお能。
「平成30年度第79期 第3回 上野松颯会定期能楽会」を観
に谷六にある大槻能楽堂に行ってきました。
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本日の番組。先ずは、仕舞で三浦信夫の“船弁慶”と前田飛
南子さんの“網之段”。

次は、お能で“佛原”。シテは上野雄三さんでワキは廣谷和
夫さん。旅の僧(ワキ)が加賀国の仏原を通りかかると、
尼風の女性(シテ)が現れ、平清盛に寵愛されながらも仏
の道に入った白拍子仏御前を弔ってほしいと願い出て去り。
その後僧の夢に白拍子の姿で仏御前が現れ、仏門に入った
経緯を謡いながら舞うという話。静かでほとんど動きも無
いお能で、旅の僧よろしく半分夢心地で拝見させてもらい
ました。。。苦笑

そして、ちょっとひと息って感じで狂言の“宝の槌”。シテ
は茂山忠三郎さんでアドが山本善之さんと岡村宏懇さん。
主人から都に行って宝を買ってこいと言われた太郎冠者だ
ったが、詐欺師から鎮西八郎為朝が鬼ヶ島から持ち帰った
打出の小槌だと言って太鼓のバチを売りつけられ、もって
帰って主人の前で試してみるが・・って話。ほっこりと笑
わせてもらいました。

休憩前に上野朝義さんの仕舞で“和布刈”。少しの時間です
がすごい迫力でした。

最後はお能で“芦刈”。シテは上野雄介さんでツレは上野朝
彦さんなんですが、この話は、都で乳母をやっている女性
(ツレ)が故郷の難波の浦を訪れ、別れた旦那日下左衛門
(シテ)を探したが見つからない。あきらめて近所の人に
面白い所はないかとたずねると、市で面白く芦売りをする
男がいると紹介されて会ってみると、その男が日下左衛門
で夫婦が無事再会すると言う展開。
ツレが面をつけ絢爛豪華な衣装の女性で右前のツレの定位
置に座り、男性のシテが面をつけずに舞台で舞うと言うあ
んまり見ないパターンのお能で、そして、シテもツレもど
ちらも生身で、最後はハッピーエンドと言う、これまたあ
まり見ないパターンのお能でした。が、話が判りやすくっ
て夢の世界に誘なわないお能でした!笑

そして、お能の後は、同じ谷六にあるギャラリー“+1art”
さんで開催していた「なくなりそうなこと 展」の最終日に
オークションが行われるってことで、ちょっと様子を覗い
てみました(一応入札したので・・)。

54点作品があったんですが、おおむねどの作品も2~3の
入札があり、10人ほどのお客さん(&作家さん)が眺める
中、作品の紹介と入札金額を発表しながらオークションが
進み、けっこう淡々と値が決まっていきました。
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オークションが終わってギャラリーを出たら雨が降り出し
てきたので、慌てて家路につきました。

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耳馴染みのお能 [能・狂言]

爽やかに晴れた土曜日。今日は、久しぶりにがっつりお能
を観ようと大槻能楽堂に出向き「平成30年度第79期第1回
上野松颯会定期能楽会」を拝見。
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今回の番組。先ずは、伊原昇さんの「高砂」。次は仕舞で、
上野雄介さんの「経正」、三浦信夫さんの「羽衣」、赤井
きよ子さんの「邯鄲」。ちょっとひと息、茂山あきらさん
の狂言「因幡堂」。そして、上野朝義さんの「藤戸」。最
後は、人間国宝野村四郎さんの仕舞「老松」でした。
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昨今、聞くことはないんでしょうが、昔、結婚式の定番だ
った"高砂やこの浦船に帆をあげてこの浦船に帆をあげて
月諸共に出で汐の波の淡路の島陰や遠く鳴尾の沖すぎては
や住の江に着きにけり早住の江に着きにけり"でお馴染み
の「高砂」。九州熊本の阿蘇神社の神主友成(現在100代
目の方がいらっしゃるそうです)が、都に向かう途中兵庫
の高砂で老夫婦と出会い、高砂の松と住吉の松が相生の松
であることを教えてもらう。友成一行が船で住吉に渡ると
(この部分で有名な、高砂や・・が謡われます)、住吉明
神が現れ、祝いの舞を舞うと言う話。おでこの広いなんと
なくヌルっとしたような顔で、ぺったりとしたロン毛の住
吉明神が軽やかに舞う姿が印象的でした。

狂言の「因幡堂」は、大酒飲みで家事を一切しない妻に愛
想をつかした夫が、妻が用事で実家に帰ったのを幸いに離
縁状を送りつけ、因幡堂に新しい妻が見つかるようにと願
掛けに行くが、それを知った前妻が怒って、因幡堂に出向
き、うたた寝をしていた夫をだまし、再度妻の座を狙うと
言う話。茂山あきらさん演じる恐妻家の夫がなんともイイ
感じでした。

「藤戸」と言うお能は、岡山のジーンズで有名な児島の話
で、源平合戦での手柄で、藤戸の領主になった佐々木盛綱
が藤戸に赴くと、盛綱に息子を殺されたと言う老女が現れ
恨み言を言う、反省した盛綱が供養をすると殺された息子
の亡霊が現れ切々と舞を舞う。しんみりとしたお能でした。

野村四郎さんの仕舞「老松」は、君が代でも耳馴染みのあ
る"・・千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすま
で・・"の部分を見せてもらい、舞台の上をまるで重量が
無いかのごとく静かに舞われる姿に、短い時間でしたが引
き込まれました。素晴らしかったです。

お能前の腹ごしらえは、空堀商店街にあるうどん屋「饂飩
とお酒 からほり きぬ川」さんで、ちく天きつねうどんと
とろろ飯。
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ツルツルの麺と上品なお出汁にじんわりと染みる甘めのお
揚げさん、めちゃ美味しかったです。

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桜に負けない華やかな狂言 [能・狂言]

華やかな桜を横目に、今日は、兵庫県立芸術文化センター
阪急中ホールに「春爛漫 茂山狂言会」を観に行ってきまし
た。
2018春爛漫茂山狂言.jpg 
今回の目玉は、 茂山家のお家芸(?)"唐相撲”。見たこ
とがなかったので、見てみたいと思っていた演目でした。
先ずは、茂山茂さんが登場し、今回の演目"察化”と"唐相
撲”の解説。特に"唐相撲”に関しては、中国語風のでたら
めな会話と余興のような展開だたので、解説を聞いといて
良かったです。17年前に"唐相撲”で全国公演をしたそうで、
その頃は、今の中堅どころがみんな若かったので、アクロバ
ティック狂言になったそうです。(今回も頑張っていらして
けっこうアクロバティックでしたが・・!笑)

解説の後は、七五三さん、宗彦さん、千三郎さんの"察化”。
連歌の会の幹事になった主人が、都の伯父に宗匠になっても
らおうと家来の太郎冠者を使いに出すが、粗忽者の太郎冠者
は伯父さんの住んでいる場所も聞かずに都に赴き、困って大
声で伯父さんを探していたら、都で有名なスッパ(詐欺師)
に目を付けられ、自分が伯父だと名のって屋敷までついてき
た。主人は伯父さんの顔を知っているので、だまされている
とは判ったが、追い返すと仕返しが怖いので、適当にもてな
そうとするが、太郎冠者に趣旨が伝わらず大騒ぎと言う話。
太郎冠者が主人のマネをして、その被害がスッパに及ぶとこ
ろが、なんとも面白みがありました。落語の粗忽モノのよう
な風情で笑わせてもらいました。

そして、休憩を挟んでいよいよ"唐相撲”。茂山家一族(お孫
さんまで)門下総勢40人ほどが中国風のギラギラで絢爛豪華
な衣装を着て、舞台にずらると並んでいる風景は圧巻!
話的には、日本のお相撲さん(千五郎さん)が、中国の皇帝
(千作さん)に仕えていて、故郷の日本に帰りたいと申し出
たら、皇帝から最後に家来たちと相撲をとっている姿が見た
いと言われ、次々と相撲をとり、最後は皇帝と勝負するとい
う内容。
途中の皇帝と家来(あきらさん)の出鱈目中国風の会話のや
り取りでも笑わしてもらいましたし。なにより見所は、相撲
と称して、各人が披露するかくし芸(?)。親子対決やお孫
さんたちも大活躍って感じで、笑わせてもらいました。
狂言の概念が吹っ飛ぶような面白い狂言でした。

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伝統芸能の夜 [能・狂言]

平昌オリンピックもはじまって、気になる競技などもあ
りますが、今日は、そぼ降る雨の中、山本能楽堂に「第
167回 初心者のための 方伝統芸能ナイト」を観に行って
きました。
IMG_7455.JPG 27750855.jpg 
寒波が来て北陸方面はエライ事になってますが、暦の上
では春ってことで、テーマ「花」。
先ずは、出演者の方々と小佐田定雄さんが舞台に並んで、
自己紹介と簡単な演目の解説を聞かせてくれました。

初っ端は、活動写真の弁士坂本頼光さんが登場し、初期
のディズニー観が漂う「一寸法師・ちび助物語」、絵本
のような「花咲爺」、それと大河内傳次郎主演の「血煙
高田馬場」を映しながら、軽妙な語りを聞かせてくれま
した。面白くって、けっこう引き込まれました。

次は、狂言の「真奪」で、善竹隆司さんの主が、太郎冠
者(善竹隆平さん)と、真(生花の中心になる花)を求
めて東山に行くと、ちょうど良い感じの真を抱えた道通
り(善竹忠亮さん)と出会い、真を譲ってくれるように
頼むが断られ、無理やり奪い取ろうとしたときに、うっ
かり手に持っていた太刀を渡してしまって大騒ぎと言う
話で、太刀を奪い返すために道通りを捕らえてから縄を
なう(泥縄)シーンで笑わせてもらいました。

そして、桂南天さんの落語「桜の宮」。花見の仇討の上
方版という内容で、稽古屋の若い衆4人が、花見で面白
い趣向としようと、仇討ち芝居をしようとするが、間で
止めるはずの友達が来ずに、本物の田舎侍が助っ人に入
ってきたから大騒ぎ!侍が西国訛りと言うところも上方
っぽいなって感じで、春らしい楽しい噺でした。

最後は、山本章弘さんの能で「熊野(ゆや)」。熊野は、
地名の“くまの”ではなく、お妾さんの名前で“ゆや”。全
編やると1時間半くらいかかる能だと言う事で、今回は、
村雨が降って、病の母のところに帰れるようになった熊
野の最後の舞のところだけを見せてもらいました。華や
かで上品な能でした。

途中、体験コーナーもあって、今回は、能笛に挑戦と言
う事で、3人のお客さんが舞台に上がって吹いてらした
んですが、いゃ~~!音が出なくて難しいそうでした!

そんなこんなで、色々楽しめて、本当に面白かったです。

観劇後の晩ごはんは「自家製粉石臼挽手打蕎麦 守破離 谷
町四丁目店」さんで、なす煮に出し巻きをつまんで、小海
老の天ぷらそばを手繰りました。
27867129.jpg 
そばもちろん、なすも出し巻きもめちゃ美味しかったです。

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