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久々の文楽 [文楽]

9ヶ月ぶりに国立文楽劇場での文楽公演が再開すると言う
ことで、今日は、いつもの文楽鑑賞仲間の方々と「令和二
年度 錦秋文楽公演」を観に行ってきました(席はバラバラ
でしたが・・・)。
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劇場に入る時の検温やアルコール消毒はもちろん、場内は
ソーシャルディスタンスの確保と言うことで、席は1席ご
とで、空席には艶やかな和柄の紙が貼ってあり、前の方か
ら振り返るとインスタレーションを見ているような独特の
風情でした。また、飛沫が飛ぶ可能性が高い太夫さんが浄
瑠璃を語る床の前のエリアはすべて空席にしてありました。
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そして拝見した演目は、第3部の「本朝廿四孝(ほんちょ
うにじゅうしこう)」で、道行似合の女夫丸、景勝上使の
段、十種香の段、鉄砲渡しの段、奥庭狐火の段です。
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先ず、道行似合の女夫丸。濡衣は睦太夫さんで勝頼は靖太
夫さん、他は亘太夫さん、碩太夫さん、清友さん、友之助
さん、錦吾さん、燕二郎さん、清方さんの掛け合いの浄瑠
璃でした。
簑作実は武田勝頼(玉助さん)と濡衣(簑二郎さん)が、
薬売りの姿で、紅葉とススキが揺れる秋の信濃路を旅する
場面。武田家の家宝で長尾(上杉)謙信(玉志さん)に借
りパクされている諏訪法性の兜を取り戻そうと諏訪にある
謙信の館に向かていると言う設定です。

次の景勝上使の段。浄瑠璃は希太夫さんと清丈さん。
物語全体の説明が無ければ、ここだけ見てもほぼ何のこと
やら判らないんですが、足利将軍暗殺の嫌疑が武田家と長
尾家にかけられていて、犯人を3年探しても見つけること
ができない時は、潔白の証に息子の首を差し出せと難題を
ふっかけられ、武田家は息子勝頼(身代わり)の首を差し
出したけど、長尾謙信は息子の首を出さないので、早く首
を持って来いと、何と謙信の息子で差し出す首の本人であ
る景勝(勘市さん)を謙信のところに催促に行かせると言
う設定。怖ッ!

鉄砲渡しの段は、芳穂太夫さんと清志郎さんの浄瑠璃で、
花守り関兵衛実は斎藤道三(玉輝さん)が、簑作実は勝頼
を花守りの助手として謙信に紹介し、勝頼が謙信の館に入
り込むと言う場面と、謙信が関兵衛に足利将軍暗殺に使わ
れた鉄砲を渡して犯人を捜すように命令する(実は道三が
真犯人で、この物語の黒幕だったりします)。

十種香の段の浄瑠璃は、千歳太夫さんと富助さん。
この段と次の奥庭狐火の段の主役と言うか、この本朝廿四
孝の一番の見せ場を務める八重垣姫(勘十郎さん)の登場。
花守りになった簑作実は勝頼を挟んでの左右の部屋で回向
をする濡衣と八重垣姫の対比の面白さと、憧れの勝頼が目
の前に現れて、お姫様とは思えぬぐらい自分から積極的に
言い寄る八重垣姫の行動力がなんともカワイイ場面です。
この段の“こんな殿御と添ひ臥しの身は姫御前の果報ぞと
・・”を聞くと、いつも枝雀さんの落語の“不動坊”で、利
吉がお滝さんと結婚に浮かれて風呂場で浄瑠璃を語る場面
が思い出されます。

奥庭狐火の段は、織太夫さんと藤蔵さんにツレが寛太郎さ
んで琴の清公さんと言う構成の浄瑠璃でした。
この段は、八重垣姫と言うか勘十郎さんの真骨頂って感じ
で、狐の大好きな勘十郎さんが舞台狭しと走り回りながら
狐と八重垣姫の早変わりなど外連(けれん)をたっぷり楽
しませくれる舞台です。
最後は勘十郎さんの八重垣姫が諏訪大明神のお使いの狐た
ちに囲まれて拍手喝采で華やかに終演って感じでした。

やっぱり文楽は面白いですね!コロナ禍での再開に際して
色々ご苦労があったと思います。感謝です。楽しませてい
ただきました。

第3部のスタートが18:00って事で、インバウンド以前に
戻った観の黒門市場近くにある「とんかつ 吉兆」さんの
ロースとんかつ定食で、観劇前の腹ごしらえ。
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デミグラスソースがかかって、洋食屋さんのとんかつって
感じで美味しかったです。

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