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秋の文楽 [文楽]

今日は、いつもの文楽鑑賞仲間の方々と国立文楽劇場に
「令和三年 錦秋文楽公演(第2部)」を観に行ってきま
した。
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第2部の演目は、ひらかな盛衰記から大津宿屋の段、笹
引の段、松右衛門内の段、逆櫓の段でした。(ちなみに
第3部で、続き(?)の辻法印の段と神崎揚屋の段が上
演されてました。)
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題目の〝ひらかな盛衰記”は、源平盛衰記をひらがなの
ように判りやすく読み解いたと言う意味だそうで、今回、
1階の展示室でひらがな盛衰記と源平盛衰記について、
江戸時代の本や浮世絵を使って詳しく解説してありまし
た。けっこう面白いです。
IMG_1429.JPG 
ひらがな云々はともかく、先ずは、〝大津宿屋の段”で、
浄瑠璃は靖太夫さんと錦糸さんにツレの錦吾さんでした。
西国巡礼の旅をしている船頭権四郎(玉也さん)と娘
およし(勘彌さん)に孫の槌松(和馬さん)が、たまた
ま泊まった大津の宿屋で、義経に追い落とされた木曾義
仲の正室山吹御前(一輔さん)と息子駒若君(勘介さん)
に家来の鎌田隼人(玉輝さん)と腰元お箸(清十郎さん)
の泊まる部屋の向かいの部屋に通されたのが悲劇のはじ
まりで、夜中に鎌倉方の梶原景時の家来番場忠太(紋吉
さん)が詮議のために宿に踏み込む。

次の〝笹引の段”の浄瑠璃は咲太夫さんと燕三さん。燕三
さんの三味線は良いなと思いながら、話の流れは、大津
の宿屋でバタバタの中、歳近い槌松と駒若君を取り違え
て逃げ出してしまい、駒若君と間違えられた槌松と鎌田
隼人が追っ手に殺され、動転した山吹御前も亡くなり、
残された腰元お箸は笹に山吹御前の亡骸を乗せて運んで
いきます。

それから3年後を描いた〝松右衛門内の段”の浄瑠璃は、
芳穂太夫さんと勝平さんに呂太夫さんと清介さんでした。
摂津国の福島付近で船頭家業を営む権四郎は、家督を入
り婿の船頭松右衛門実は樋口次郎兼光(玉男さん)に譲
り、娘およしと一緒に槌松と取り違えた駒若君を大切に
育てていた。
そこに腰元お箸が訪ねてきて、槌松が殺されたことを伝
え、駒若君を返してくれと申し出るが、悲しむ2人に対
して死んだものはしょうがないよねみたいな事を口ばし
ったお箸に権四郎が激怒して、駒若君を殺すと言い出す。
奥の部屋から駒若君を抱えて松右衛門が登場し、自分は
実は樋口次郎兼光と言う義仲の家来で四天王と言われた
武士である旨を明かし、何故か権四郎とおよしは納得し
てしまう。

最後は〝逆櫓の段”で浄瑠璃は睦太夫さんと清志郎さん
でした。樋口は船頭松右衛門と名乗り、逆櫓と言う技術
を身に着けて、義経近くに使えて義経を討つつもりでい
たが、景時にばれていて、3人の船頭、又六(文哉さん)
、富蔵(紋秀さん)、九郎(玉誉さん)が練習と偽って
樋口を討とうとするが、逆に返り討ちにあってしまう、
そこに鎌倉方の畠山庄司重忠(玉志さん)が現れ、駒若
君を救おうとする権四郎の機転に気づいた樋口は抵抗を
せずに縄にかかると言う話です。
スピーディーな展開と清志郎さんの早弾きの三味線が相
まって心地良い緊張感に包まれた舞台でした。

逆櫓の松は、福島の朝日放送の近くに碑が立ってます。
いつもながら不条理な展開だったりもしましたが、面白
い舞台でした。コロナ禍での上演は大変だと思います。
ありがとうございました。

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