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春の文楽 [文楽]

昼前からシトシトと冷たい雨が降っていた花冷えの
日曜日。この雨で満開の桜も散るな~!なんて思い
ながら、今日は、いつもの文楽鑑賞仲間の方々と国
立文楽劇場に「豊竹咲太夫文化功労者顕彰記念 文楽
座命名百五十年 令和四年 四月文楽公演 第2部」を
観に行ってきました。
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第2部の演目は、摂州合邦辻の〝万代池の段”と、
〝合邦住家の段”でした。
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万代池の段の浄瑠璃は、三輪太夫さん、希太夫さん、
南都太夫さん、津國太夫さん、咲寿太夫さんの掛け
合いに三味線は清友さんとツレで清方さんでした。
継母である玉手御前(和生さん)に毒酒を飲まされ、
ハンセン病を発症して視力も失い、家を出た俊徳丸
(玉佳さん)が、万代池のほとりにむしろ小屋を建
てて暮らしている。
そのむしろ小屋の近くでは、閻魔堂建立の勧進(資
金集め)ために合邦道心(玉也さん)が聴衆を集め
て言葉巧みに辻説法を行っていた。
そんな折、家来の入平(玉勢さん)をお供に俊徳丸
を探している許嫁の浅香姫(紋臣さん)が落ちぶれ
た俊徳丸を遭遇。そこに俊徳丸の別腹の兄である次
郎丸(亀次さん)がやってきて、浅香姫を連れ去ろ
うとするが、合邦道心に邪魔される。

次の合邦住家の段の浄瑠璃は、睦太夫さんと清馗さ
ん、呂勢太夫さんと清治さん、切りは呂太夫さんと
清介さんでした。
俊徳丸と浅香姫をかくまっている合邦と女房(勘壽
さん)は、檀家を集めて、主人を裏切った合邦の娘
でもある玉手御前が、すでに殺されているだろうと
思って回向を行っている。
そこに玉手御前が現れ、俊徳丸を醜い姿にしたら許
嫁の浅香姫も愛想をつかすだろうと思って毒をもっ
たと告白し、俊徳丸と添い遂げたいと言い寄る姿に
激怒した父合邦が玉手御前に刀を突きさすと(死に
そうになってからが長いんですが・・)、俊徳丸を
救うためにやったんだと真相を打ち明けて、寅の年
月日刻の自分の血で俊徳丸の病を治せると言って自
ら腹をえぐって絶命し、めでたしめでたしと言う話。

陰惨で不条理の物語の端々で、玉手御前が浅香姫に
蹴りを入れたり、玉手御前の腹をえぐる手伝いをし
てくれと急にフラれた入平が、イヤイヤなんで私で
すのん!って感じで慌てて断ったりと、ちょっと笑
いも有りつつの楽しいひと時でした。

余談ですが、万代池の段で、背景に四天王寺の五重
塔が描かれてましたが、万代池って帝塚山にあるの
で、けっこう離れている気がしますが、昔の人は、
四天王寺のちょっと隣りって感じの距離感だったん
ですかね?
現存と言えば、物語の中に出てくる、合邦辻閻魔堂
は一心寺の向かいにあって、玉手御前の供養に建て
ると言っていた月江寺も四天王寺の近くに在るみた
いです。
IMG_4067.JPG 
文楽劇場前にある桜も満開に色づいて、春の公演に
色を添えていました。

文楽鑑賞前の腹ごしらえは、インバウンドが無くな
って、すっかり静かになった黒門市場にある洋食屋
「末廣軒」さんでハンバーグをいただきました。
IMG_4053.JPG IMG_4052.JPG 
ちょっと甘めのデミグラスソースのかかったハンバ
ーグ美味しかったです。

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