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堂島リバービエンナーレ2011 [美術館]

今日は、“堂島リバーフォーラム”に、本日からはじまった、「堂島リバー
ビエンナーレ2011<Ecosophia アートと建築>」を、観に行ってきま
した。
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青森県立美術館チーフ・キュレーターの飯田高誉氏をアーティスティック・
ディレクターにむかえ、ecologyとphilosophyを融合したEcosophiaと
3.11以降にアーティストと建築家は、何をすべきかをテーマに行われる
展覧会。
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本日は、飯田さんを司会に、今回の参加アーティストから青山悟さん、石
井七歩さん、池田剛介さん、建築家の永山祐子さん、原口啓さん、柳原
照弘さんの参加するシンポジウムとギャラリートークが開催され、作家さ
んたちのエコロジーと震災への思いや作品の解説などがじっくり聞けて、
非常に興味深く、楽しいひと時を過ごせました。

先ずは、飯田さんが、今回の展覧会に関わる経緯を説明。1986年に来
日したフランスの哲学者フェリックス・ガタリ氏の“3つのエコロジー”につ
いての講演で、エコロジーな社会を作っていくには、アーティストの働きが
重要だと言う言葉に共感し、3年前に“Ecosophiaの実践1”と言うイベ
ントを実施、今年、大阪で第2弾を開催する企画が立ち上がる中、3.11
の震災が発生、開催をするかどうかを熟考した結果、今だからこそやる
べきだと言う結論に至り、本日、開催のはこびになったそうです。
そして、作家さんたちの話。アーティストさんも建築家さんも今回の震災や
原発の問題に関して、それぞれの立場で深く考え、今、芸術の果たすべ
き役割や、特に建築家の方々は、震災後の新しい都市造りやインフラの
あり方など仕事として今回の出来事に直面している立場から、思いを語
ってらっしゃいました。

そして、会場内に入って、ギャラリートークのはじまり。

先ずは、杉本博司さんとコラボした建築家永山祐子さんの作品解説。杉
本さんの水平線の映像を、左右に鏡面の板を配した半径20mを想定し
た曲面のガラススクリーン(高さ3m×幅7~8m)に映し、鏡を使って仮
想の円柱を会場に作り出したもの。ガラス製造的に3mの高さが限界で
あること、鉄分を含まない青みの無いガラスで杉本さんのモノクロームの
世界を出来るだけ忠実に再現したことなど面白い話でした。

次は、ミシン刺繍で作成した6本の薔薇の作品を青山悟さんが解説。刺
繍デザインとして陳腐化し、それ単独では評価の対象になり難い薔薇を、
照明などの見せ方で工夫し作品として提示することでアート作品になりう
るかを問うたもの。青山さんはテーマであるアート=労働を表現するため
に初期テクノロジーの象徴である古いミシンを使って作品を作っていると
いうことらしい。作品観ると花の部分だけを刺繍しているのではなく黒の
背景もびっしりと糸がひしめいていて、一種異様な雰囲気を醸し出してい
ます。

そして、飯田さんがtwitterで見かけて声をかけたという石井七歩さんの
作品解説。少女と都市、構築と破壊が融合したなんとも不思議な作品。
震災を受け、地面は母なる大地と言う表現にある安定したイメージでは
なく、もっと危ういものではなっかと言う思いから、13歳の少女が寝返り
をうつ写真の上に都市を描いたそうです。また、髪を描いてある作品が
多いことをお客さんが質問したら、髪は時間(毛先付近は3年以上前に
生えた髪)の象徴と言う答え、女性ならではの発想だな!って感じです。

2階に上って次は、チームラボの百年海図巻と言うアニメ作品を会場の
空間に浮かせるように配置した柳原照弘さんの解説。アーティストとのコ
ラボの他、会場との融合を考え、会場全体が俯瞰的に見渡せる位置に
スクリーンを浮かせたそうです。映像の方は、百年後に海抜が上昇し松
島っぽ地形が沈むと言う2009年の作品なんですが、今回の津波を象徴
しているようで、非常に印象的でした。

最後は、会場を出てエントランスに設置されたアーティスト池田剛介さん
と建築家原口啓さん&三木慶悟さんのコラボ作品を、池田さんと原口さ
んが解説。撥水加工をした板に天井付近から水が降ってきて、板の上を
うごめきながら板の下のタンクに溜まりポンプで上げてまた降らすと言う
循環をイメージした作品なんですが、電気で水をくみ上げる仕組みや、ち
ょっとしたトラブルでも、直ぐに止まってしまう危うさを内在しているところ
が、この作品のポイントだと言うことでした。
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会場内ではなく、エントランスに設置したのは原口さんの提案だそうです。

これ以外にも、安部典子さんの震災からなでしこ優勝までの朝日新聞を
積み上げて幾何学的にカットした作品、アニッシュ・カプーアさんの建築
模型、歪なかまくらのような隈研吾さんのドームの中には森万里子さんの
ホワイトホールと言う映像作品、都市の航空写真に無数の釘を打ちつけ
銅線でグルグル巻きにした磯崎新さんの作品、新津保建秀さん&渋谷慶
一郎さんの黄色信号だけが点滅する無人になった原発避難地区の映像
作品などなど、面白い作品が多数展示してあります。
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お時間のある方は、是非、足を運んでください。

中之島まで堂島リバービエンナーレ2011を観に行き、作品を観る前に
先ずは腹ごしらえでも思い、会場近くになるアジア料理の店「亜州食堂チ
ョウク」さんで、南インドのベジタブル定食“ミールス”をいただきました♪
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ジャスミンライスに豆カレーのダルと野菜カレーのサンバルとヨーグルト
カレー(?)のライタ。それにインゲンを炒めたポリヤケと激辛の漬物アチ
ャール付き。美味い!暑いときのカレーは最高です!
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食後のアイスチャイも美味しかったです。


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