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當る辰歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎 [歌舞伎]

クリスマスの今日は、そんな雰囲気とはまったく関係無い、年末の京都の
風物詩“顔見世”を観に京都の南座に行ってきました。
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なかなかチケットが取れなくって久々の顔見世!まねきの上がった「南座
」を見上げると、年末だな~!ってしみじみ思います。

いつものように、先ずは八坂神社にお参り。
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初詣の準備も進んで賽銭箱が巨大化している!お参りを済ませた後は、
神社前の寿司屋「祇園いづ重」さんで、幕間のお弁当“いなり寿司”を購
入し、そそくさと劇場へ。

席について程無く始まった第一幕は、江戸の頃は正月興行に、欠かせな
かったと言うお祝い狂言「寿曽我対面」。南座新装開場二十周年記念の、
お祝いをこめてのことだそうです。
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父の仇工藤左衛門祐経(我當さん)のお祝いの席に、舞鶴(秀太郎さん)
のはからいで招かれた曽我兄妹十郎(孝太郎さん)と五郎(愛之助さん)。
今にも切りかかりそうな荒事の五郎を冷静に抑える兄十郎の対比が素晴
らしい。仇として兄弟の思いをしっかり受け止め、再会の証し狩場の切手
を兄弟に与える工藤祐経の姿も敵役ながら素晴らしい。
これぞ歌舞伎の様式美という舞台が素敵でした。歌舞伎を観たぞ~!っ
て気分満喫!

そして、第二幕は、笑いあり涙ありの川口松太郎作「お江戸みやげ」。
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江戸で反物の商いし故郷に帰る前にちょっとだけ骨休めをしようと、湯島
天神を訪れたお辻(三津五郎さん)とお紺(梅枝さん)。立ち寄った茶屋の
女将に阪東栄紫(愛之助さん)と言う良い役者が出てるので、宮地芝居を
すすめられ芝居小屋へ。その茶屋には栄紫と恋仲のおゆう(翫雀さん)が
隠れており、芝居が終わったら2人で上方に行こうと計画を練っているが、
業突く張りの継母常磐津文字辰(竹三郎さん)邪魔される。栄紫の芝居に
すっかり魅せられた上に酒で気の大きくなったお辻が文字辰に稼いだ有
り金をすべて叩きつけて2人を助ける。お礼をしなければと、お辻たちを
追いかけてきた栄紫が、今は何も無いのでと長襦袢の片袖を引き裂いて
お辻に渡すと良い江戸みやげができたと大喜び!お辻の栄紫への思い
は、生まれて初めての恋心だった。って話。
三津五郎さんのお辻と梅枝さんのお紺の凸凹コンビに笑わせてもらい、
最後のお辻の健気な姿が心にしみました。         

幕間の楽しみ幕間のお弁当は祇園いづ重さんのいなり寿司!
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麻の実のプチプチとした食感が印象的で美味しい。            

第三幕は、お能から歌舞伎になった「隅田川」。
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子供をさらわれ物狂いとなったとなった母班女の前(藤十郎さん)と、子供
がこの場で死んだことを教えてくれる舟長(翫雀さん)。藤十郎さんが能の
雰囲気をそのままに幽玄の世界を表した素晴らしい舞台でした。

最後の第四幕は、「死んだはずだよお富さん♪」と歌われた「与話情浮名
横櫛」。
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与三郎(仁左衛門さん)とお富(時蔵さん)出会う“木更津海岸見染の場”
と体中切り刻まれた上に勘当され切られ与三と呼ばれ小悪人に落ちた
与郎が、海に身投げしながらも助けられ、今は助けてくれた大店の番頭
(左團次さん)に囲われているお富と3年ぶりに再会する源氏店の場。
「ごしんぞさん、おかみさん、お富さん、いやさ、お富、久しぶりだな~」か
らはじまる与三郎の名台詞、「・・・死んだと思ったお富とぁ~、お釈迦さま
でも気がつくめぇ」。
身をやつしながらも、若旦那の品が漂う松嶋屋さんの与三郎、最高です。

顔見世の後は、六波羅蜜寺で年末に行われる空也踊躍念仏厳修(重要
無形民俗文化財)を拝見。
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冷え込んだ京都でしたがお堂に詰め掛けた人達の体温でほんのり温か
さを感じながら、来年こそは良い年でありますようにと、お念仏を唱えさ
せてもらいました。(かくれ念仏と呼ばれ南無阿弥陀仏を変えた形で唱え
ます)

身体が冷え切ったので、南座横にある蕎麦屋「松葉」さんで名物の“にし
んそば”を手繰って温まらせてもらいました。
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なんだか久々に食べたんですが、分厚いにしんの甘みがほのかに出汁
に馴染んでいく感じが美味かったです。

大好きな年末の京都を満喫させてもらいました。


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tamaiichi

こんばんわ。
顔見世は長いこと行ってないですが、またいつか行きたいです。

六波羅蜜寺ではそんな催しがあるのですね。知りませんでした。
確かに年末の京都はますます京都らしいような気がします。
来年は皆に良い年になって欲しいですね。
by tamaiichi (2011-12-26 00:46) 

kengo

♪tamaiichiさん
こんばんは、私も久々にチケットが取れたので、楽しんできました。
(毎年、高い席は空いてたりもしますが、手が出ません。。。)
顔見世を見ると年の瀬だなぁ~!と、しみじみと感じます。
年末の京都は、古都独自の風習が色々有って面白いですね。
by kengo (2011-12-26 22:29) 

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