奈良で藤田の銀河 [美術館]
GWも残すところ2日かぁ~!なんて思いながら奈良国立博物館に
「国宝の殿堂 藤田美術館展 曜変天目茶碗と仏教美術のきらめき」
を観に行ってきました。
毎年、春期と秋期にお邪魔していた藤田美術館が改修で長期休館
中ってことで、大好きな曜変天目茶碗も絵巻の数々も久しく見ら
れずに寂しい思いをしてたんですが、奈良博で大々的に藤田美術
館の所蔵品の展示をするってことで、奈良まで足を伸ばしました。
古い蔵を使った展示室でほとんどお客さんもいない中で眺めてい
た作品たちが、スポットライトを浴びて多くのお客さんに見ても
らっている状況がなんだか不思議な感覚でした(ちょっと嬉しい)。
特に、茶碗の中でも一二を争うほど好きな曜変天目茶碗は特設ス
テージで煌びやかなライティングで輝いてました。素晴らしい!
茶碗では曜変天目以外に、白縁油滴天目鉢、菊花天目茶碗、本手
利休斗々屋茶碗、大井戸茶碗(蓬莱)なども観る事ができます。
大好きな絵巻の方は、国宝の玄奘三蔵絵の巻第一と二、一遍上人
絵伝模本、大江山酒呑童子絵巻などを楽しむことができました。
また、藤田美術館は、仏教美術関係も豊富で、丹精な姿と色鮮や
かな色彩が印象的な快慶作の地蔵菩薩立像、ずらりと並んだ十六
羅漢図と観音三十三身像は圧巻です。
これ以外に伝越智作の能面小面ゆふかつらや尾形乾山と光琳の合
作の銹絵絵替角皿も印象的でした。
他にも初見の作品や部分展示でしか見たことのなかった作品が、
どぉ~ん!と並べてあって、なんだか藤田美術館の底力と言うか
本気を見た感じでした。
藤田美術館のリニューアルオープンはまだまだ先ですが、今から
楽しみです。
せっかく奈良に来たので、もう一つ気になっていた展覧会「ヨル
ク・シュマイサー終わりなき旅」を観に奈良県立美術館にも立ち
寄ってみました。
ヨルク・シュマイサー氏は、世界を旅をしながら各地の風景や歴
史や伝承を融合したような版画作品を作成した銅版画家で、奈良
とは非常に関わりが深く、大仏開眼1250年記念散華を作成した
りしています。
初期から晩年までの180点ほどの作品が展示してあったんですが、
特に風景と肖像と文字が織り成す西洋の古文書のような雰囲気の
作品が幻想的で心惹かれました。
民芸調の木版画のスサノウを待ち受ける天照大神や日光の絵巻な
んて作品や、旅の版画家とは言え南極まで行ったの!って感じで
観測所や抽象的な氷の絵などもありました。
1点1点の情報量が多いってこともあって、けっこう見応えありま
したよ。
そして帰りに、賑わう奈良町の外れにあって、観光客がほとんど
居ない小さな国宝のお寺「南都 雨宝山 十輪院」を拝見(参拝)。
国宝の本堂は石仏龕のための礼拝堂として増築され、天井が低く
お寺の本堂と言うより中世の住宅って風情の簡素な造り、ある意
味モダン建築の様な雰囲気の建築で、ドイツの建築家で桂離宮を
世界に紹介したブルーノ・タウト氏のお気に入りだったそうです。
また、森鴎外も“なつかしき十輪院は青き鳥子等のたずぬる老人の
庭”と言う短歌を詠んでいます。
ご案内の女性曰く、石仏龕(がん)とは、日本では珍しい石造り
の厨子のことで、中央にご本尊の石造りの地蔵菩薩立像、左に釈
迦如来、右に弥勒菩薩で、過去、現在、未来が表現されているそ
うです。それに十王像、金剛力士、四天王像が左右をかため、上
部には天女が舞い、北斗七星、九曜、十二宮、二十八宿の星座の
梵字が刻まれ、厨子全体で曼荼羅を表現しているそうです。
地蔵尊自体は平安時代からここに立っていて、鎌倉時代の初期に
それを囲むように石の厨子が造られ、それを拝むために本堂が増
築されて今の形になったそうです。
ざっくり言うと、地蔵堂の豪華版って感じですが、本堂内陣から
眺める石仏龕が見事でした。
本堂の中では、アフロ阿弥陀の五劫思惟阿弥陀仏坐像や白鳳時代
の誕生釈迦仏立像も見ることができます。それと庭には、彩色が
残る石造不動明王立像や石造菩薩立像なども祀られていました。
小さいけど見応えのある素敵なお寺でした。奈良はまだまだ見る
所がいっぱいあるな!
「国宝の殿堂 藤田美術館展 曜変天目茶碗と仏教美術のきらめき」
を観に行ってきました。
毎年、春期と秋期にお邪魔していた藤田美術館が改修で長期休館
中ってことで、大好きな曜変天目茶碗も絵巻の数々も久しく見ら
れずに寂しい思いをしてたんですが、奈良博で大々的に藤田美術
館の所蔵品の展示をするってことで、奈良まで足を伸ばしました。
古い蔵を使った展示室でほとんどお客さんもいない中で眺めてい
た作品たちが、スポットライトを浴びて多くのお客さんに見ても
らっている状況がなんだか不思議な感覚でした(ちょっと嬉しい)。
特に、茶碗の中でも一二を争うほど好きな曜変天目茶碗は特設ス
テージで煌びやかなライティングで輝いてました。素晴らしい!
茶碗では曜変天目以外に、白縁油滴天目鉢、菊花天目茶碗、本手
利休斗々屋茶碗、大井戸茶碗(蓬莱)なども観る事ができます。
大好きな絵巻の方は、国宝の玄奘三蔵絵の巻第一と二、一遍上人
絵伝模本、大江山酒呑童子絵巻などを楽しむことができました。
また、藤田美術館は、仏教美術関係も豊富で、丹精な姿と色鮮や
かな色彩が印象的な快慶作の地蔵菩薩立像、ずらりと並んだ十六
羅漢図と観音三十三身像は圧巻です。
これ以外に伝越智作の能面小面ゆふかつらや尾形乾山と光琳の合
作の銹絵絵替角皿も印象的でした。
他にも初見の作品や部分展示でしか見たことのなかった作品が、
どぉ~ん!と並べてあって、なんだか藤田美術館の底力と言うか
本気を見た感じでした。
藤田美術館のリニューアルオープンはまだまだ先ですが、今から
楽しみです。
せっかく奈良に来たので、もう一つ気になっていた展覧会「ヨル
ク・シュマイサー終わりなき旅」を観に奈良県立美術館にも立ち
寄ってみました。
ヨルク・シュマイサー氏は、世界を旅をしながら各地の風景や歴
史や伝承を融合したような版画作品を作成した銅版画家で、奈良
とは非常に関わりが深く、大仏開眼1250年記念散華を作成した
りしています。
初期から晩年までの180点ほどの作品が展示してあったんですが、
特に風景と肖像と文字が織り成す西洋の古文書のような雰囲気の
作品が幻想的で心惹かれました。
民芸調の木版画のスサノウを待ち受ける天照大神や日光の絵巻な
んて作品や、旅の版画家とは言え南極まで行ったの!って感じで
観測所や抽象的な氷の絵などもありました。
1点1点の情報量が多いってこともあって、けっこう見応えありま
したよ。
そして帰りに、賑わう奈良町の外れにあって、観光客がほとんど
居ない小さな国宝のお寺「南都 雨宝山 十輪院」を拝見(参拝)。
国宝の本堂は石仏龕のための礼拝堂として増築され、天井が低く
お寺の本堂と言うより中世の住宅って風情の簡素な造り、ある意
味モダン建築の様な雰囲気の建築で、ドイツの建築家で桂離宮を
世界に紹介したブルーノ・タウト氏のお気に入りだったそうです。
また、森鴎外も“なつかしき十輪院は青き鳥子等のたずぬる老人の
庭”と言う短歌を詠んでいます。
ご案内の女性曰く、石仏龕(がん)とは、日本では珍しい石造り
の厨子のことで、中央にご本尊の石造りの地蔵菩薩立像、左に釈
迦如来、右に弥勒菩薩で、過去、現在、未来が表現されているそ
うです。それに十王像、金剛力士、四天王像が左右をかため、上
部には天女が舞い、北斗七星、九曜、十二宮、二十八宿の星座の
梵字が刻まれ、厨子全体で曼荼羅を表現しているそうです。
地蔵尊自体は平安時代からここに立っていて、鎌倉時代の初期に
それを囲むように石の厨子が造られ、それを拝むために本堂が増
築されて今の形になったそうです。
ざっくり言うと、地蔵堂の豪華版って感じですが、本堂内陣から
眺める石仏龕が見事でした。
本堂の中では、アフロ阿弥陀の五劫思惟阿弥陀仏坐像や白鳳時代
の誕生釈迦仏立像も見ることができます。それと庭には、彩色が
残る石造不動明王立像や石造菩薩立像なども祀られていました。
小さいけど見応えのある素敵なお寺でした。奈良はまだまだ見る
所がいっぱいあるな!
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