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お盆前の京都で書と陶器 [美術館]

お盆休みに入った今日は、コロナ禍ではじめた
筆ペン臨書で手本にしている書を生で観たいな
と思って、あまりに暑くていつもは足の向かな
夏の京都に行ってきました。
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出向いたのは、京都国立博物館で開催している
特集展示の「日中 書の名品」展。
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初唐の三大家のひとり褚遂良による楷書の古典
“雁塔聖教序(宋拓)”、書聖と呼ばれる王羲之
の“集王書大唐三蔵聖教序(宋拓)”、正に臨書
をしていた部分が展示してありました。
他は、伝空海筆で国宝の“新撰類林抄巻第四残
巻”も素晴らしかったですし、国宝で言うと“日
本書紀巻第二十四(岩崎本)”、“書巻(本能寺
切)藤原行成筆”、知恩院で所蔵する“菩薩処胎
経巻第二”。
重文の“大智度論巻第八残巻”は、横線が細く入
って太めに止めると言う特徴的な字が独特のリ
ズムで書かれていて非常に面白かったです。
特徴的と言えば、これまた重文の“法華経巻第一
(藍紙本)”も弾んでいるような繊細で軽やかな
文字が素晴らしかったですし、重文と言えば“三
国志呉志第十二残巻”なんてのもありました。

同じ特集展示で「茶の湯の道具 茶碗」と言うの
もやっていて、建仁寺で使われる“四頭茶礼道具”
と言うお茶セットが飾ってあって、天目茶碗って
こんな形で使われるんだと改めて知れて面白かっ
たです。
口の白い所と油滴のバランスが美しい“油滴白縁
天目”、四角い形の茶碗も有るんだって感じの長
次郎作の重文“黒楽茶碗(銘 ムキ栗)”、鶯磯っ
ぽい緑の釉薬が美しい“蕎麦茶碗(銘 蛍)”、黒い
円柱の様な姿で独特の存在感を醸し出してた“瀬
戸黒茶碗(銘 あら磯)”、正に卯の花って感じで
モコモコ感が面白い“志野茶碗(銘 卯の花)”、
堂々として大ぶりの井戸茶碗“大井戸茶碗(毛利
井戸)”などなど素晴らしい茶碗が並んでました。

常設展の名品ギャラリーでは、お盆っぽい企画?
で、「地獄・鬼・天狗」の絵巻。
六道が解説付きで描かれた重文の“光明真言功徳
絵詞”、火に焼かれる地獄“沙門地獄草紙 飛火地
獄”。重文の“是害房絵巻”は、中国の天狗是害房
が日本に来て、日本の僧に挑んで散々な目に合
うと言う絵巻。国宝“病草紙”の痔瘻の男と小舌
の男なんてのも飾ってありました。

それと、1階の仏像のコーナーには「地蔵と閻
魔」。10体あまりの地蔵菩薩立像と十王坐像
に奪衣婆坐像などがずらりと並んで、正に地獄
極楽って風情でした。

そして、こちらは極楽系で、白衣観音図がずら
りと並んだ「禅宗と観音図Ⅰ」。

お盆系以外には、「修理が完了しました」と言
うコーナーに、伝狩野山楽の“唐獅子図屏風”凄
い迫力です。海北友松の“雲龍図屏風”、土佐光
茂の“車争図屏風”、重文の長谷川等伯の“枯木猿
猴図”は手長猿のフワフワの毛と荒々しい木の枝
の表現が相まって息を吞む美しさでした。

「中国絵画でいきもの観察」と言うコーナーも
あって、重文の“柘榴木鼠図”の他、徐悲鴻の“鵞
伏図”など、近代の中国画を展示してありました。
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京博は、特別展で混んでいるイメージが強かっ
たんですが、常設展は、そんなに人も居なくて
ゆっくり作品が楽しめました。どちらかと言う
と海外の方のほうが多いくらいでした。

そして、コロナ禍で途絶えたイベント、お盆の
時季にやっていた五条坂の清水焼の「陶器まつ
り」が、小規模ですが「五条若宮陶器祭」と銘
打って復活(?)したってことだったんで、ち
ょっと覗いてみました。
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前は京阪の五条駅から清水寺に向かう道すがら
に露店がずらりと並んで滅茶苦茶賑わっていた
んですが、今回は、五条坂の中ほどにある若宮
八幡宮(陶器神社)の境内にテントを張って、
若手の作家さんが作品を販売してました。
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時間はかかるでしょうが、元の賑わいが戻るこ
とを祈っています。

京都でお盆前と言えば、“大椿山 六道珍皇寺”の
「六道まいり」ってことで、何年ぶりだろうっ
てくらい久しぶりに、六道まいりに行ってきま
した。
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六道珍皇寺で行われている六道まいりは、京都
の夏の風物詩のひとつで、盂蘭盆(8月13日~
16日)に先祖の霊を迎えるために、六道の辻と
言われ小野篁が冥界に通ったと伝わる井戸のあ
る六道珍皇寺に在る冥界まで響く「迎え鐘」を
打って霊をお迎えしようと言う行事です。
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六道まいりに合わせて御開帳される小野篁像や
閻魔大王座像も見ることができます。

ついでってことでもないですが、近くに在る空
也上人ゆかりのお寺“補陀洛山 六波羅蜜寺”にも
お参りしました。
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六波羅蜜寺は、師走に空也踊躍念仏を見に行っ
ていたので、なんとなく冬のイメージが強いお
寺だったりします。
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遠い台風の影響か時折、霧の様な小雨が降って
いたので、いつもより暑さが和らいでいたよう
な気もしますが、それでもやっぱり京都は暑か
ったです。

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