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壬生狂言(秋の特別公開) [能・狂言]

3連休の中日は、京都の壬生寺に、重要無形民俗文化財「壬生大念佛
狂言(壬生狂言)」を観に行ってきました。
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狂言の行われる、大念佛堂(狂言堂)の舞台は、橋掛りも付いてて能より
ひと回り小さい感じ。
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謡も台詞も無しで、鐘と太鼓と笛の演奏をバックに、全員が仮面を被った
無言劇が繰り広げられます。(小さな解説書を買ってそれを頼りに拝見。)
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現在上演されるものは、30曲あるらしく、その中から本日は、羅生門
大黒狩、紅葉狩、桶取、大江山、棒振の6曲が演じられました。
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1曲目の“羅生門”は、ご存知、渡辺綱の羅生門での鬼退治の話。源頼光
と渡辺綱と平井保昌が酒宴の席で羅生門の鬼の話で盛り上がり、綱はそ
んなものはいないと言い、保昌はいると主張。それなら自分が退治に行く
と綱は一人出かける。羅生門では鬼が通りがかった人々を襲い(舞台に大
きな仮面を付けた子供が次々に現れて、鬼に襲われるのが、なんだか可
愛い!)門の上に隠れているところへ綱が現れ、頭上からの攻撃をかわし
片腕を切り落とし、鬼を追い払う。
舞台の天井にロープを渡し鬼が潜むなどエキサイティングな演出でした。

2曲目の“大黒狩”は、お坊さんが妻帯できなかった時代、隠れて妻と子供
を持つお坊さんの寺に檀家の旦那が訪ねてきた。慌てて妻に地蔵尊の面
をかぶせ、本尊の厨子に隠す。旦那がどうしても本尊を見たいというので、
チラッと見せて追い返そうとするが、納得せず厨子を開かれ妻と子供が見
つかり、寺から追い出される。
慌ててアタフタするお坊さんの描写が絶妙で笑わせてもらいました。

3曲目の“紅葉狩”は、平維茂の鬼退治の話。維茂が狩りに来た途中、美
女に出会い酒宴で毒酒をもられるが、壬生寺の地蔵尊に助けられ刀を授
けられ、鬼を退治する。
瞬間たすき掛けと絶命する鬼が紅葉の枝を悶絶しながらへし折る場面は
迫力です。

4曲目の“桶取”は、不倫話なんですが、なんとも最後が悲惨で切ない。壬
生寺の近くに住む、左指が3本しかない障害を持つ美しい女性が、桶で寺
の池の水を汲みながら祈願しているところに、金持ちの男が現れ、美しさ
にほだされなんとか口説き落とすが、そこに臨月の妻が現れ大喧嘩!夫
と不倫相手を引き離そうとするが、夫は妻を捨て不倫相手のところに行っ
てしまう。自分の顔が醜いから夫を取られたんだとベタベタに化粧をしたり
顔を殴ったりと妻はドンドン狂っていく。
不倫相手の独特の踊りと、妻の滑稽だけど切ないしぐさが素敵でした。

5曲目の“大江山”は、源頼光と家来の渡辺綱と平井保昌が大江山の酒呑
童子を退治する話。頼光と綱に保昌と山伏が酒呑童子退治で山道を歩い
ていると血染めの着物を洗う女に出会い助けに来た旨を告げ鬼の棲みか
を聞く、更に道を進めると柴刈りの老人(住吉明神)に会い棲みかを教わる。
鬼の棲みかに出向き酒宴を開いて毒酒を飲まし、住吉明神から神剣をい
ただいて酒呑童子を退治。
子供の鬼がたくさん出てきてなんとほがらかな雰囲気や綱と保昌のダブル
瞬間たすき掛け、鬼と綱が争いながら舞台から飛び降りる迫力の演出にビ
ックリさせられました。

最後は〆の演目“棒振”。出演者全員が舞台にずらりと並び「チョウ、ハ、サ
ッサイ」の掛け声とともに、中央で真っ赤な紋付を着た演者が棒を回転させ
る儀式的な曲で終演。

5時間におよぶ無言劇を堪能させてもらいました。
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