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今日は、文楽の封印切 [文楽]

お正月明けの3連休の2日目。今日は、いつもの文楽鑑賞仲間の方々と国立
文楽劇場に「平成二十七年 初春文楽公演」を観に行ってきました。
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演目は、「日吉丸稚桜」から“駒木山城中の段”、「冥途の飛脚」から“淡路町の
段”と“封印切の段”に“道行相合かご”。
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先ずは、日吉丸稚桜の駒木山城中の段。日吉丸稚桜自体は、木下藤吉(豊臣
秀吉)の出生物語で、この段は、幼少の加藤清正(竹松)が木下藤吉の家来に
なる場面なんですが、兎に角、竹松の父五郎助を中心に人間関係が複雑でよ
く分からない上に、娘お政は死んで身代わりに首は切られるは、本人は切腹す
るは、その横で竹松は石碑を投げて敵を殺すはと、文楽時代物の不条理を残
酷さを集約したような作品にビックリでした。

次の冥途の飛脚封印切の段は、昨日、松竹座で四代目鴈治郎さんの忠兵衛と
仁左衛門さんの八右衛門で観せてもらっていたので、歌舞伎と文楽の比較とい
う意味でも楽しませてもらいました。
細かい相違点は多々ありますが、根本的に文楽と歌舞伎で違うのは、八右衛
門のあつかいで、文楽では、口は悪いが忠兵衛のことを弟分のように思って何
とか助けようとしていると言う設定ですが、歌舞伎では、遊女梅川に横恋慕する
嫌な奴で忠兵衛の敵役と言う設定。
文楽の封印切の段で、八右衛門(玉也さん)が遊女梅川(勘十郎さん)のところ
に行くのは、忠兵衛(玉女さん)本人に小言を言っても聞かないので、梅川の方
から分かれるようにと頼むのが目的で(口が悪いので、立ち聞きしていた忠兵
衛が逆ギレして、結局、封印を切っちゃうことになるんですが・・)、歌舞伎では
梅川を身請けに行って忠兵衛の悪口を言いまくり、結果こちらも忠兵衛がキレ
て封印を切るんですが・・。

文楽の忠兵衛は、見栄っ張りで切れやすく思慮の無いダメ男(まぁ~!男として
は、誰しも大ない小なり身につまされるとことがあるとは思うんですが・・)で、歌
舞伎でも概ね忠兵衛の性格は同じですが、悪役の八右衛門をおくことで、忠兵
衛にも同情の余地有りって感じにしてあるのかな?って気がします。それに、文
楽のままの忠兵衛を人間がやったら、ちょっと生々し過ぎるかも。
そんなこんなの違いはあるにしても、近松の話はやっぱり面白いですね!

文楽終演後は、鑑賞仲間の皆様と観劇の感想を語らいながらの新年会と相成
りました。今年もよろしくお願い致します。
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