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ちょっと遅めの新春文楽 [文楽]

朝から雨模様だった日曜日。今日は、いつもの文楽鑑賞仲間
の方々と国立文楽劇場に「平成三十一年 初春文楽公演(第二
部)」を観に行ってきました。
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今回の演目。先ずは、近松門左衛門作の「冥途の飛脚」。
希太夫さんと團吾さんに文字久太夫さんと藤蔵さんの“淡路
町の段”。呂太夫さんと宗助さんの“封印切の段”。そして、
“道行相合かご”は、梅川を三輪太夫さん、忠兵衛を芳穂太夫
さんで9人の掛け合いでした。
先月、南座の顔見世興行で拝見した“新口村(扇雀さんの梅
川と藤十郎さんの忠兵衛)”の前段の部分なんですが、冥途
の飛脚=新口村の段って感じがするぐらいそこしかやらない
イメージで、封印切は、4年前の同じく初春文楽公演で見て
以来でした。
ざっくりしたストーリーは、飛脚屋亀屋の養子忠兵衛(玉男
さん)が、遊女梅川(清十郎さん)に入れあげ、知人丹波屋
八右衛門(玉輝さん)の金に手をつけてしまう。八右衛門は
梅川に忠兵衛をあきらめさせようと一部始終を説明するが、
それを盗み聞いていた忠兵衛がキレて、武家屋敷に届けなけ
ればいけない金300両に手をつけ、梅川と故郷の新口村に逃
げると言う話。
文楽を見ていると忠兵衛はただただバカな男にしか見えませ
んが、今でも似たような事件をニュースで目にすることがあ
るので、時代背景は違いますが、近松の話は人間の本質みた
いなところを押さえているので、とんでもなくバカな男の話
でも、長く愛されているんだろうなって気がします。

次は、壇浦兜軍記から「阿古屋琴責の段」。
阿古屋は、浄瑠璃が津駒太夫さんで人形が勘十郎さん、秩父
庄司重忠は織太夫さんと玉助さん、岩永左衛門は津國太夫さ
んと文司さん、榛沢六郎は小住太夫さんと玉佳さん、三味線
の方は、清介さんと清志郎さん、そして、琴と三味線と胡弓
は寛太郎さんの演奏でした。
阿古屋に関しては、昨年、NHKのEテレでやっていた玉三郎
さんの歌舞伎の解説番組で見どころを拝見させてもらったこ
とと、3月に南座で玉三郎さんが阿古屋を上演されるってこ
とで、復習と予習も兼ねて楽しみにしていた演目でした。
内容は、源頼朝に敵対する悪七兵衛景清の行方を探るため、
景清と馴染みの傾城阿古屋が代官の重忠のところに呼び出さ
れ尋問を受ける。知らないと言う阿古屋が嘘を言ってないか
を、琴、三味線、胡弓の演奏をさせて、その演奏の乱れから
探ると言う話なんですが、ストーリーよりも華やかな形式美
と琴、三味線、胡弓の演奏を見事に演じる舞台そのものが素
敵な演目でした。
特に琴、三味線、胡弓の演奏をしているシーンは、会場中に
緊張感が漂っていて独特の雰囲気でした。阿古屋の奏でる胡
弓とそれを岩永が火箸で真似ている場面の緊張と緩和が織り
成す世界は秀逸です。
いゃ~!面白かったです。3月の玉三郎さんも楽しみです。

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