愛でるアート

大坂もいよいよ真夏日になて来た本日は、中之島
香雪美術館でやっている「唐ものがたり 画あり遠
方より来たる－香雪美術館の中国絵画－」を見に
行ってきました。
  
唐物と言っても唐時代の品のことではなく、中国
伝来の品の総称で、香雪美術館が所蔵する中国伝
来とおぼしき品と、その唐物に影響された日本の
絵画を合わせて展示してありました。
伝〇〇と言う作品が多いんですが、作品と一緒に
鑑定書(江戸時代くらいの古い奴)や箱書きも一緒
に展示してあったんですが、作品の横の解説には
現在の知見で調べたら後の時代に制作されたモノ
だろうみたいなことも書いてあって、なかなか面
白かったです。
  
作品は、人物画、花鳥画、山水画に分けて展示し
てあり、先ずは、艶やかな伝銭舜挙の魚籃観音図
（明時代）、重文の維摩居士図（元時代）、伝蒋
子成の松下布袋図（明時代）、　伝周文の白衣観
音像と並んで伝曾我蛇足の白衣観音像などが飾っ
てありました。
  
  
  
花鳥画のコーナーには、伝徐熙の白鷺図、伝呂紀
の花鳥図、伝夏珪の蟹図・鯰図、伝范安仁の魚藻
図などなどが並んでいました。
  
  
  
  
  
現在、香雪美術館には中国山水画が2点しかない
らしく、その2点の伝馬遠の踏歌図と伝夏珪の山
水図が飾ってありました。
  
中国山水は2点だけでしたが、最後にドォ～んと
狩野元信・狩野永徳の四季山水図屏風が置いてあ
って、柔らかな雰囲気の元信とメリハリの効いた
永徳の違いを堪能して美術館をあとにしました。
 
  
  
作品ばかりではなく、鑑定書や箱書きなどコレク
ションと言うのを、色々な角度から楽しめる面白
い展覧会でした。

次は、空堀商店街に移動して、ギャラリー+1art
さんで開催している「手にとる展」を体感させて
もらいました。
  
今回は、作品を触ると言うか“手に取る”ことをテ
ーマにした少し実験的な展覧会で、ギャラリーに
入ると40点ほどの作品番号とタイトルと作家さん
の名前が書いてあるカードを渡され、気になる作
品番号を伝えると、1品づつ棚から出して手元に
持ってきてくれるので、それを手に取ってじっく
り鑑賞すると言う感じでした。
 
もちろんギャラリーなので、日頃、購入する方々
は、お気に入りの作品を手に取ってじっくり見て
買ってるんでしょうが、今回は、買う買わないは
抜きに、擬似的にコレクター気分で作品を味わう
体験もさせてもらった気がします（今回見た作品
にもちゃんと値段が付いてます）。
1時間5組の予約制で、自分が選んだ作品はもちろ
んですが、他の方が選んだ作品とかも皆んなで見
ながら感想を言い合ったりして、非常に楽しい時
間でした。

私が行った時間には、作家の大西伸明さんがいら
して、作品の解説をしてらっしゃったので一緒に
聞かせてもらいました。
 
みんなで大西さんの作品“egg”を、窓際で色々な
角度から光を当てながら、色や光の変化を観察し
たのが面白かったです。

私が選んだのは、毛髪を素材に使う山本紗佑理さ
んの作品“涅槃”と“つつましい営為 種を蒔く”、明
和電気さんの押すと音の出る“SUSHI BEAT”、白
石晃一さんの寒天培地のノブと醤油差し（手で触
って手の常在菌を調べる作品）、森末由美子さん
のニラが生えたようなブラシ、森田洋美さんのミ
ノムシの油絵。
  
  
  
それ以外に藤本由紀夫さんのキューブの素材当て
クイズ作品や笹岡敬さんの指で触ると光が走る蛍
光灯“Luminous2023”などなどを楽しませてもら
いました。