SSブログ

夏の文楽はダメ男 [文楽]

今日は、いつもの文楽鑑賞仲間の方々と、令和四年
夏休み文楽特別公演第二部名作劇場「心中天網島」
を観に行ってきました。
IMG_6626.JPG 
心中天網島は近松門左衛門作で、小春と言う新地の
お姉ちゃんに入れ揚げた紙屋を営む治兵衛と言う妻
子持ちの男が、ただただ自分の嫉妬心と面子のため
に新地のお姉ちゃんを殺して自分も死ぬと言う話で、
ダメ男の多い文楽でも最低クラスのダメ男の話です。
IMG_6629.JPG 
昨今のニュースを見ていても、似てるような事件が
ちょこちょこ起こるので、男の本質みたいなところ
が描かれているんだと思います。
ちなみに網島と言うのは2人が心中する地名で、ち
ょうど藤田美術館のあるあたりです。
IMG_6631.JPG 
先ずは北新地河庄の段で、浄瑠璃は、睦太夫さんと
勝平さん、呂勢太夫さんと清治さん、それに織太夫
さんと清志郎さんでした。清治さんの緊張感のある
三味線が、侍に扮して心中を思いとどめらせに来た
兄粉屋孫右衛門の心情を語っているようでした。
次の天満紙屋内の段の浄瑠璃は、咲寿太夫さんと寛
太郎さん、錣太夫さんと宗助さん。
そして大和屋の段は、咲太夫さんと燕三さん。燕三
さんの切れが良くて情感のある三味線が、悲劇に落
ちてゆく2人の姿と相まって素晴らしかったです。
最後のは、三輪太夫さん、睦太夫さん、津國太夫さ
ん、咲寿太夫さん、文字栄太夫さん、團七さん、團
吾さん、清丈さん、清公さん、清方さんの掛け合い
で、心中の場面ですが、新地から網島に向かう大江
橋からの道行名残の橋づくしの歌と場面転換が印象
的な段です。

人形の方は、紀の国屋小春を勘十郎さん、紙屋治兵
衛を玉男さん、女房おさんを和生さんで、恋敵?江
戸屋太兵衛を文司さん、治兵衛の兄粉屋孫右衛門を
玉也さん、おさんの父五左衛門を勘壽さん、五貫屋
善六を簑一郎さん、大和屋伝兵衛を勘介さん、息子
勘太郎を勘昇さん、娘お末を清之助さんが務めてら
っしゃいました。

第三部のサマーレイトショーの演目“紅葉狩”と国立
劇場でやている歌舞伎鑑賞教室“紅葉狩”は、“刀剣
乱舞-ONLINE-”とのコラボレーション企画になっ
てるてことで、物語で平維茂が鬼女更科姫と戦った
時に使った小烏丸をモデルにした“刀剣男士 小烏丸”
の文楽人形が飾ってありました。
IMG_6638.JPG IMG_6637.JPG 
隣りには、昨年、四月文楽公演の“小鍛冶”でのコラ
ボレーションした“刀剣男士 小狐丸”も一緒に飾てあ
りました。
IMG_6634.JPG 
これきっかけで文楽を見に来る人が、どれくらいい
るのかは判りませんが、良いことだと思います。
個人的な感想としては、顔の造りをもう少し刀剣乱
舞によせた方が受けそうな気はしますが・・。
歌舞伎では最近アニメを取り入れた演目もやってい
るので、敷居を下げて間口を広げるのに、夏休み企
画でアニメやゲームを題材にした演目をやってみて
はと思います。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。