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ちょっと遅めの新春文楽 [文楽]

お正月気分もすっかり抜け、コンビニでは恵方巻き
予約の広告も目立ち始めた今日この頃ですが、本日
は、国立文楽劇場に「令和五年 初春文楽公演(第2
部)」を観に行ってきました。
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新春公演ってことで、にらみ鯛や餅花が飾られ、緞
帳の上には、東大寺別当橋村公英氏の“卯”の字がか
かげられ、華やいだ雰囲気が漂ってました。
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第2部の演目は、「義経千本桜」から椎の木の段、
小金吾討死の段、すしやの段。
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椎の木の段の浄瑠璃は、咲寿太夫さんと團吾さん、
織太夫さん(病気休演の咲太夫さんの代演)と燕
三さん。小金吾討死の段の浄瑠璃は、三輪太夫さ
ん、津國太夫さん、南都太夫さん、聖太夫さん、
清馗さん。すしやの段の浄瑠璃は、呂勢太夫さん
と清治さん、切は呂太夫さんと清介さん。
この部は、清治さんと燕三さんの素晴らしい三味
線が聞けるのが、お得な感じでした。

演目は、義経千本桜で吉野の近くが物語の舞台な
んですが、義経のヨの字も出てこない場面です。
この段の主役は、いがみの権太(玉助さん)と言
う地元でも評判のならず者。

源平合戦で敗走した平維盛(玉男さん)が高野山
に潜んでいると言う噂を頼りに、高野山を訪ねる
維盛の妻若葉の内侍(清五郎さん)と息子の六代
君(簑之さん)に、お共の主馬小金吾武里(玉勢
さん)。
高野山への道中にある吉野の下市村にある権太の
女房小仙(紋臣さん)が営む茶店でひと休み。
そこに現れたいがみの権太、荷物を取り違えたふ
りをして因縁をふっかけ金銭を奪う。

吉野に急ぐ若葉の内侍、六代君、小金吾の3人は、
猪熊大之進(文哉さん)ひきいる追手に囲まれ、
小金吾の活躍で若葉の内侍、六代君は逃がしたが、
小金吾は絶命する。そこに通りかかったつるべすし
の弥左衛門(文司さん)、小金吾の首をはねて持ち
帰る。

下市村で評判のつるべすし、弥左衛門の娘お里(一
輔さん)と女房(勘壽さん)が切り盛りして、たく
さんの村人がひっきりなしに寿司を求めに来ている。
この寿司屋にお里の婚約者として住みつき、屋号つ
るべすし弥助の名を受け継いで、潜んでいる維盛。
この寿司屋の息子がいがみの権太で、弥左衛門の不
在の隙を狙て、母親に無心に来たが、金を受け受け
取ろうとした時に父の弥左衛門が帰ってきたので、
受け取った金を慌てて寿司桶に隠して逃げていく。
権太と入れ替わるように帰ってきた、弥左衛門も持
ち帰った小金吾の首を寿司桶に首を隠す。
そんなこんなの寿司屋に、追手から逃れた若葉の内
侍と六代君が、一夜の宿を求めて訪ねてきて、維盛
と再会。
詮索の梶原平三景時(玉輝さん)が寿司屋を訪れ、
維盛を引き渡すように弥左衛門に迫ってると、権太
が維盛の首と若葉の内侍、六代君を縄に縛って登場
し、梶原に維盛の首と2人を渡し、褒美に梶原から
頼朝の羽織をもらう。が、怒った弥左衛門が権太を
刀で射すと、権太は首は小金吾のモノで、若葉の内
侍、六代君は自分の女房小仙と息子善太(和登さん)
だとあかし、厄介者の自分が、父弥左衛門の忠義の
為に働きたかった旨を語る。
維盛が、褒美の羽織の裏地の和歌を読んで羽織をば
らすと中から数珠と袈裟が出てきて、梶原がすべて
承知でだまされたふりをして、維盛に出家を促した
ことを知って、維盛は出家を心に決め、死にかかっ
た権太を残して、何故か弥左衛門もお供でついてい
っておしまいと言う、イヤイヤイヤ!って感じで、
いつものように現代人には、なかなか理解できない
文楽特有のモヤモヤが残る終わり方でした。

舞台のつるべすし弥助さんは、今でも営業されてい
て、14年ほど前の2009年春に一度訪問させてもら
ったのを思い出しながら公演を楽しませてもらいま
した。

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