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冬は義士 、夏はお化けで飯を食い [講談]

今年も残すところ1ヶ月、師走に入った土曜日。講釈師も走
るのか?って感じで、今日は、千日前トリイホール下の千日
亭に「第61回 TORII講談席 12月 やっぱり赤穂義士伝、来
ない人は不忠者でっせ!」を聴きに行ってきました。
TORII講談席.jpg 
演目は、12月ってことで、お馴染みの赤穂義士伝(忠臣蔵)
三昧と言う趣向。と言っても今回は、ご存知の赤穂義士伝の
本編ではなく、四十七士のそれぞれの物語を描いた赤穂義士
銘々伝や、スピンオフ的な赤穂義士外伝を楽しませてもらい
ました。

開口一番は、旭堂鱗林さんの“小田小右衛門 大石の介錯人”。
いきなり赤穂義士外伝ですが、細川家で大石内蔵助が切腹し
た時に介錯をした小田小右衛門と言う人物の話。足軽の身分
だった小田小右衛門が、切腹直前の大石に身分を聞かれ、あ
まりに低い身分の人間に介錯されるのは口惜しかろうと思い、
偽りの身分を伝える。しかし、嘘をついたことが心に引っか
かり、なんとかやりくりして、大石の一周忌と三回忌のとき、
偽って伝えた身分の身なりでお参りに行ったが、細川家のお
偉いさんに見つかってしまい、処分されると思いきやって話。
鱗林さんの人情味の溢れる話、面白かったです。

そして次は、旭堂南華さんで“四十七番目の男 寺坂吉右衛門”。
次は、赤穂義士銘々伝の寺坂吉右衛門だったんですが、これ
がやけに討ち入りから遠い話で、寺坂吉右衛門の生い立ちと、
お世話になった道場の奥さん付きの女中さんと恋仲になり不
義密通と言う事で道場から追い出され、江戸に出て八百屋で
大成功するが、火事で焼き出され、ぼてふりからやり直そう
とした時に出会ったのが、道場の奥さん。討ち入りどころか
赤穂との縁もまだまだ見えないですが、それから先は明晩の
お楽しみって感じで、ここまで!
南華さんのテンポの良いしゃべりに引き込まれました。

中トリは、旭堂南北さんで“三村次郎左衛門の薪割り”。
こちらも赤穂義士銘々伝、吉良邸を探ろうと薪割り屋に扮し
た三村次郎左衛門が、吉良邸近くに住まいする刀砥ぎ名人の
竹屋喜平次と仲良くなり、竹屋の看板の文字を書く代わりに、
討ち入り用の刀を研いでもらうと言う話。三村の書いた看板
は代々伝わり大正までは有ったが、関東大震災で焼けてしま
ったと言うオチ!
飄々とした南北さんの“講釈師、見てきたような・・”って感
じが、面白かったです。

中入り後、最後は旭堂南湖さんで“俵星玄蕃と蕎麦屋”。
こちらも赤穂義士銘々伝で、今度は、そば屋に化けた杉野十
兵次の話。蕎麦屋の屋号が的に矢が当たった「あたり屋」で、
やたらに蕎麦を褒める客が、小銭で十六文はらおうとする場
面や、俵星玄蕃の道場が博打場になっていて小声で蕎麦を人
数分提供するなど落語の名場面も交えつつ、三波春夫の歌よ
ろしく、俵星玄蕃の男気を感じさせる話でした。
南湖さんが蕎麦を手繰るところで苦労をしていて、講談は落
語と違って身ぶりをやらないと言うのを改めて確認したって
感じで、ちょっと不思議な感動でした!笑

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