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今年は玉三郎さんから [美術館]

お正月の3日目。今年は個人的な理由でお祝いモード
では無かったんですが、世間的にも元旦から続く能登
の地震や2日の飛行機事故と言う、おめでたくない出
来事が続いてます。が、気分を変えて、大阪松竹座に
玉三郎さんのお正月公演「2024年1月 坂東玉三郎 初
春お年玉公演」を観に行ってきました。
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思い起こせば、2019年に南座で同じく玉三郎さんの
阿古屋を観に行って以来の歌舞伎鑑賞でした。
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玉三郎さん曰く、今回は、値段設定がお年玉価格って
ことで、私は2階の見やすい席だったんですが3000円
を言う値段。若い方にも見ていただきたいと言う思い
で、3階には1500円の席も用意されているみたいです。
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そんなこんなで満員の会場、おめでたい獅子舞の映像
が映された幕が上がり、花の絵の描かれた華やかな金
屏風が並ぶ中、先ずは、玉三郎さんからの新年のご挨
拶の口上。やはり触れないわけにはいかないだろうと
言う感じで、能登の地震と飛行機事故のお悔やみから
始まりました。
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口上の後は、今の時代、女方と言うシステム自体が合
っていないのではないかと言う思いも背景にありつつ、
ギリシャ演劇やシェークスピアでは、昔は少年が女性
を演じていたり、中国の古典演劇でも一部に女方が残
っている話、日本では、能や狂言なども男性が女性を
演じている話など古今東西の演劇における女方の歴史
などをふまえて“女方の魅力”を聴かせてくれました。
立ち居振る舞いや着物のラインや手ぬぐいの曲線的な
使い方によるマニエリスム的な美や、それと真逆の扇
の直線的な使い方での美が融合した女方の型について、
実演付きで解説をしてもらえて(ちょっとした動きも
すべて洗練されていて、ハッとするような美しさでし
た)、非常に興味深い内容でした。

その後、“黒髪”の舞。休憩を挟んで“天守物語”の富姫
の場面と、亀姫に扮して、玉三郎さんご自身による琴
の演奏も聴かせてもらいました。

そして、その亀姫の衣装のまま映像で劇場の紹介をす
る趣向。玄関から応接室に入り、大正・昭和時代の道
頓堀の賑わいや、玉三郎さんが松竹座で演じた代表的
な舞台の紹介。そこから舞台の裏に回って舞台構造の
解説をしてくれました。

舞台側から見た客席の映像で解説が終わって幕が上が
ると、生の玉三郎さんが立っていて、優美な“由縁の
月”の舞がはじまりました。

舞が美しいのはもちろん、上品だけど堅苦しくは無い
解説が面白くってどんどん引き込まれました。
玉三郎さんが、ギリシャまでさかのぼる古今東西の演
劇の歴史を踏まえた上で、今の時代に女方をやってい
る思考の片鱗を垣間見せてもらえたみたいで素晴らし
かったです。
年に1回くらいは玉三郎さんは見とかなきゃと言う思
いを改めて感じた公演でした。


玉三郎さんの前に、お正月から開いている美術館がな
いかなと思ったら、心斎橋筋商店街にある大阪浮世絵
美術館が開いていて、企画展で「二人の天才 葛飾北斎
・月岡芳年」をやっていたので覗いてみました。
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“神奈川沖浪裏”や“山下白雨”など、葛飾北斎の富嶽三
十六景が20点まり、最後の浮世絵師と呼ばれた月岡芳
年の“月百姿”、“藤原保昌月下弄笛図”、“新容六怪撰 平
相国清盛入道浄海”などなど。
それと合わせて芳年の師の歌川国芳、弟子の歌川芳幾、
門人の水野年方や月岡耕漁作品も合わせて56点あまり
の浮世絵が飾ってありました。
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ほぼ海外のお客さんでしたが、そんなに多くは無くゆっ
くりと微細に描き込まれた浮世絵を、楽しむことができ
ました。
そんな館内で、小学校低学年くらいの女の子が、背伸び
ししながら一点一点虫眼鏡を使って鑑賞している姿が、
なんだか微笑ましい光景でした(親御さんは飽きて座っ
てましたが・・笑)。
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余談ですが、法善寺横丁付近に在る上方浮世絵館と混同
していました。が、違う美術館だったんですね!汗

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