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生首の物語 [文楽]

暑い夜は、ひんやりするような物語を楽しもうと国立文楽
劇場に「令和元年 夏休み文楽特別公演 第部サマーレイト
ショー 国言詢音頭(くにことばくどきおんど)」を観に
行ってきました。
国言詢音頭.jpg 
今年は、年間の通しでやっている第2部忠臣蔵の五段目か
ら七段目がメインって感じでしょうが、夏の夜にゾクッと
するような話の方が面白いかなって感じで国言詢音頭を選
んでみました(10年ぶりに思い出す壮絶な殺戮シーンって
感じでした)。
この国言詢音頭は、薩摩島津家の早田八右衛門と言う侍が、
曽根崎新地で実際に起こした殺人事件を題材にしている物
語だそうで、劇中では八柴初右衛門と名前は変えてありま
すが、提灯の紋が丸に十なので言わずもがなって感じです。

先ずは、“大川の段”で浄瑠璃は睦太夫さんと清志郎さん。
大川の河川敷、店に向かう遊女菊野(清十郎さん)が、仲
居のお岸(簑一郎さん)に絵屋仁三郎(勘彌さん)宛ての
手紙を託したが、たまたま出くわした若侍をからかってい
る折に手紙を落とし、手紙の中で無茶苦茶悪口を書いてい
る八柴初右衛門(玉男さん)に読まれてしまった上に、遊
山船で初右衛門を笑い者にしている姿まで見られてしまう
(初右衛門は仁三郎の紹介で知り合った菊野に入れ揚げ、
藩の金にまで手を出している。が、菊野は仁三郎に惚れて
いて、初右衛門の方は仕事と割り切って相手をしているが
嫌っているって設定)。

次の“五人伐の段”は、織太夫さんと藤蔵さんに千歳太夫さ
んと富助さんに胡弓は清允さんで浄瑠璃。
帰国の決まった初右衛門が催した宴の席で、拾った手紙を
菊野と仁三郎にお礼の品だと言っ渡し、驚いた2人は死を
覚悟するが、初右衛門は、その場は何事も無かったように
振舞って去っていく。
ホッとした2人は酒を飲んで寝ることにしたが、仁三郎の
許婚のおみす(紋臣さん)が現れ、菊野は自分の代わりに
おみすを仁三郎が寝ている2階に上げて、自分は1階で寝
ていると、夜半に初右衛門がひき返してきて、菊野以下5
人を惨殺。
殺戮の場面が壮絶で、菊野は首を斬られ初右衛門は生首の
唇を舐め回し、切り刻んだ胴体の腹に足を突っ込んで踏み
にじると言う場面に背中がゾワゾワしました。たまたま夜
這いをしに来た悪者武助(勘介さん)の顔が真っ二つ!
仲居も胴が真っ二つ、腰から下だけが痙攣しながらしばし
立っているのが生々しい!
何故か2階で隠れていた仁三郎とおみすは難を逃れます。
最後は、本物の水を使った雨の中、傘を片手に見得を切る
初右衛門で終演でした。が、皆さん、どんよりした感じで
会場を後にしていました。

国言詢音頭では、最後に遊女を惨殺して首を斬る場面があ
るんですが、生首と言えば、まさに今やっているあべのハ
ルカス美術館の「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の
女たち」で展示してある“出現”にも、サロメが所望した洗
礼者ヨハネの生首が光り輝いているってことで、生首つな
がりで文楽の前にモロー展も覗いてみました。
ギュスターヴ・モロー展.jpg 
男をたぶらかす女性(ファム・ファタル)と言う視点で
神話に登場する魔性の女(?)が、多数(ヘレネ、デリ
ラ、メッサリーナ、セイレーン、レダ、エルロペ、クレ
オパトラ、ガラティア、エヴァ(イブ)などなど)展示
してあって面白かったです。まぁ~!たぶらかされた男
が暴発したのが、国言詢音頭って感じですかね!苦笑

昼ごはんは、百貨店のイタリア物産展に「SOLO PIZZA
Napoletana」さんのイートインコーナーでマルゲリータ
をいただきました。美味しかったです。
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ちょうどイートインコーナーの横でリストランテ アルポ
ルトの片岡護シェフが公開料理教室をやってらしたので、
ピッツァを頬張りながら、カッペリーニを使ったフレッ
シュトマトの冷製パスタとキノコをたっぷり入れたミー
トソースのペンネができあがるのを眺めさせてもらいま
した。
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ミートソースのペンネを作っている時、わしづかみでチ
ーズを多量に投入した瞬間に会場からオォ~!と言う驚
きの声が上がりました!なんだか見てるだけでも美味し
そうでした。(先着30名の聴講者は味見付きでしたが、
残念ながら30名には入れませんでした)。

文楽鑑賞の後は、劇場から少し歩いたところにある「福
華酒家」さんで、食事会。
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いつもの干し豆腐、水蓮、黄ニラ、空芯菜でシャキシャ
キの歯触りを味わって、大皿にドォーんと水餃子、エビ
と豚の天ぷら、酢豚、定番の焼飯とラーメン、最後はご
ま団子で〆。
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今日も美味しかったです。

チケットの手配から食事会の予約まで、すべてお任せで、
本当にありがとうございました。感謝です。

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今年も若手の文楽 [文楽]

今日は、文楽鑑賞仲間の方々と「国立文楽劇場文楽既成者研修
発表会 第19回 文楽若手会」を観に行ってきました。
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太夫さんや三味線さんの中には、本公演ですでに中堅としてご
活躍の方々もいらっしゃいましたが、全般に若手って雰囲気で
した(元気で声や音がデカイ!からそう感じたのかもしれませ
んが・・・、それはそれで重要なことだと思います)。
一方、人形遣いの若手(?)の方々は、本公演では顔が出ない
ってこともあって、中々ご活躍を見ることができないんですが、
パンフレットを見ると初舞台が昭和って方もいらして、普通の
会社なら若手どころかそろそろ定年って感じなので、伝統芸能
の世界は厳しいんだな~!と、しみじみと感じながら拝見させ
てもらいました。
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今回の演目は、義経千本桜から椎の木の段と小金吾討死の段に
すしやの段。そして妹背山婦女庭訓から道行恋苧環でした。
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義経千本桜の椎の木の段の浄瑠璃は、碩太夫さんと清允さんに
咲寿太夫さんと友之助さん。小金吾討死の段は、小住太夫さん
と錦吾さん。すしやの段は、芳穂太夫さんと清馗さん、靖太夫
さんと寛太郎さん、亘太夫さんと清公さんでした。
ここは、すしやの段が一番の見せ場で、前の2段は、そこにつ
なげるプロローグって感じ、いがみの権太(玉勢さん)がろく
でもない奴だと思わせる場面と若葉の内侍(勘次郎さん)と
六代君(玉延さん)の身代わりになる権太の女房小仙(和馬
さん)と倅善太(玉峻さん)の紹介。
こちらも身代わりってことで弥助実は平維盛(紋秀さん)の
身代わり?になる(と言っても死んだ後に首だけですが)主
馬小金吾武里(玉翔さん)の首の経緯。
すしやの段は、娘お里(簑紫郎さん)の弥助への片思いなど
ちょっと可愛らしい場面を入れながら、すしや弥左衛門(文
哉さん)が息子いがみの権太を殺すと言う悲劇を際立たせて
います。何もかも承知で騙される梶原平三景時(パンチパー
マの勘介さん)も良い感じでしたよ。
すしやの段のお寿司屋さんは、今でも「つるべすし弥助」と
言う名前で吉野の下市で営業をされていて、昔、食べに行っ
たのを思い出しました。

休憩後、妹背山婦女庭訓の道行恋苧環。浄瑠璃は、希太夫さ
ん、咲寿太夫さん、小住太夫さん、碩太夫さんの掛け合いで、
三味線は、清丈さん、燕二郎さん、清允さん、錦吾さん。
物語と言うより舞踊的な要素の強い段で、藤原淡海こと求馬
(玉誉)と宿敵である蘇我入鹿の妹橘姫(簑太郎)と村の娘
お三輪(紋臣)の三角関係の話。苧環(おだまき)に巻いた
赤と白の糸を、それぞれ思う人に結んで後を追いかけると言
う、なんとも可愛らしい感じです。が、この後の段で、お三
輪が悲劇的な最後をとげるので、なんとも切ない場面でもあ
ります。
人形ではなく人形遣いさんが踊ってる感じもしましたが、頑
張っているのは伝わってきて、良かったです。

お値段が安いということもありますし、本公演では大きな役
ができない若手の方々のご活躍を身内の方も観たいってこと
もあるんだと思うんですが、満員のお客さんでした。素晴ら
しい!
文楽好きとしては、継続的に文楽を楽しむためには若い方が
頑張っているのを応援するのも必要だと思います。

観劇の後は、上本町のハイハイタウンに移動し「南海飯店」
さんで食事会。
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こちらには夏に来ることが多いんですが、今回も夏の名物鱧
フライが出てきて、サクサクふんわりでめちゃ美味しかった
です。中華とは直接は関係無さそうでしたが、沖縄料理を推
してるみたいで、前菜にミミガーやもずくが並んでいてこち
らも美味しかったです。
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チケットから食事会の手配まで、いつものように何から何ま
でお世話になりっぱなし、本当にありがとうございました。

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文楽でお花見 [文楽]

国立文楽劇場に「平成三十一年 四月文楽公演(第2部)」を
観に行ってきました。
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今回の演目、先ずは、祇園祭礼信仰記から金閣寺の段と爪先
鼠の段。
浄瑠璃は、金閣寺の段は織太夫さんと藤蔵さん。爪先鼠の段
は千歳太夫さんと富助さん、そして芳穂太夫さんと清志郎さ
んでした。
幕が開くとまさに春の演目って感じで、目の前には満開の桜
に彩られた金閣寺。足利将軍の母慶寿院(亀次さん)を金閣
寺に幽閉した松永大膳(玉志さん)が優々と碁を打っている。
そんな大膳のもとに此下東吉(玉助さん)が仕官をしたいと
訪れ、碁で大膳を打ち負かし、ムッとした大膳が碁笥を井戸
に投げ込み手を濡らさずに碁笥を取ってみろと言うと、東吉
は樋を使って滝の水を井戸に引き込み水を溢れさせて碁笥を
見事に取ってみせる。感心した大膳は東吉の仕官を許す。
一方、金閣寺には絵師雪舟の孫娘雪姫(清十郎さん)とその
夫狩野之介直信(紋秀さん)も捕らえ、雪姫に横恋慕してい
る大膳は自分のものになるか金閣寺の天井に龍の絵を描くか
を迫る。が、雪姫は手本がないと描けないと言う。そこで大
膳は宝剣倶利伽羅丸を出して、滝に龍を映して見せるが、倶
利伽羅丸は元々雪舟が中国の帝からもらった品で、雪姫の父
雪村が殺されて奪われた品だった。大膳が父雪村の敵だと判
った雪姫は大膳に挑むが、逆に桜に木に縛られてしまう。雪
姫は祖父雪舟の故事を思い出し、桜の花びらを集めて足の爪
先でネズミを描くと本物のネズミになって縄を食いちぎって
くれる。
この後、此下東吉が真柴久吉となって登場し、雪姫と幽閉さ
れた慶寿院を助けるんですが、ここからがスペクタクルって
感じで、久吉が桜の木をのぼり(舞台では金閣寺が下がる仕
掛け)、警護の顔を真っ二つにしたり首ははねたり!そして
金閣寺の3階に居た慶寿院を竹にくくって竹のたわみで無事
に下におろすと言う荒業に思わず笑ってしまいました。
桜もいっぱいでハッピーエンド、春を満喫って感じでした。

次の演目は、近頃河原の達引から四条河原の段と堀川猿廻し
の段。
浄瑠璃は、四条河原の段は靖太夫さんと錦糸さん。堀川猿廻
しの段は、津駒太夫さんと宗助さんにツレの清公さん、それ
に呂太夫さんと清介さんにツレの友之助さんでした。
こちらも京都の話なんですが、桜の金閣寺とは打って変わっ
て幕が開くと暗がりの四条の川原。
井筒屋伝兵衛(勘彌さん)と恋仲の祇園の遊女おしゅん(簑
二郎さん)に横恋慕した横淵官左衛門(玉勢さん)が、伝兵
衛を殺そうと、計略を練って呼び出すが逆に殺され、官左衛
門を殺した伝兵衛はお尋ね者になってしまう。
おしゅんが堀川の実家に戻ると、兄の猿廻し与次郎(玉也さ
ん)と母(勘壽さん)は、おしゅんを伝兵衛と別れさせて助
けようと縁を切る手紙を書かせる。が、夜半に伝兵衛が訪ね
て来て手紙を読むと、母と兄への別れの手紙だった。
妹の思いを悟った与次郎は、最後に曽根崎心中のお初徳兵衛
の猿廻しで二人を送り出すと言う話ですが、最後の猿廻し場
面が見所で、一人で操る二匹の猿のユーモラスな動きと二本
の三味線の早弾きが見事にシンクロして、心中に向かう二人
の切なさを際立たせます。素晴らしい!

文楽観劇の後は、いつものように観劇仲間の方々と劇場近く
にある「福華酒家」さんで食事会、これまたいつものように
干し豆腐、水蓮、黄ニラをいただきました。
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干し豆腐の独特の食感とパクチーの香り、シャキシャキの水
蓮と黄ニラも美味しい!楽しい時間を過ごせました。
ありがとうございます。

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梅田で満開の桜 [文楽]

春雨の土曜日。今日は、谷六にあるギャラリー「+1art」さんで
開催している陶芸家山下裕美子さん個展「石の紙」を観に行って
きました。
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磁土を染み込ませた紙を焼くことで紙が消え、その紙の痕跡を残
した磁器が生まれる。紙のような磁器と言うか磁器だと聞いても
紙に見えてしまうような不思議な焼物を作る山下さん。アートイ
ベントなどで作品が目にとまり、なんとなく気になっていた。最
近、お気に入りの作家さんです。今回は、日常が徐々に石になっ
ていく様を表現した作品になっているそうです。
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今日は山下さんがいらして、紙のような磁器を制作する手法や苦
労話、磁土の種類や産地によってに最適な(最も美しい白磁の出
せる)温度が有るなどなど、色々と興味深い話を聞かせてもらい、
楽しい時間が過ごせました。ありがとうございました。

時分時になったので、谷六の「橋の湯食堂」さんで、肉じゃがコ
ロッケと松浦港アジフライのミックスフライ定食を所望。
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サクサクでジューシーなアジフライ、めちゃ美味しかったです。

そして次は、梅田に移動して、グランフロント大阪北館4Fのナレ
ッジキャピタルナレッジシアターで「5th Anniversary うめだ文
楽2019」を拝見。
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演目は、楽しくっておめでたい“二人三番叟”と、桜の季節はこれ
でしょうって感じで、満開の桜の中で静御前と狐忠信が踊る “義
経千本桜~道行初音旅”。
出演は若手中心で、浄瑠璃は豊竹希太夫さんと竹本小住太夫さん
に三味線は鶴澤寛太郎さん、鶴澤清公さん、鶴澤燕二郎さん。
そして人形、二人三番叟の方は、桐竹勘次郎さん、桐竹紋吉さん、
桐竹勘介さん、吉田簑太郎さん、吉田玉誉さん、吉田玉延さん。
道行初音旅の方、静御前は吉田簑紫郎さん、吉田勘次郎さん、吉
田簑之さん、狐忠信は吉田玉勢さん、吉田簑太郎さん、吉田玉彦
さんでした。
幕間のトークセッションでは、ゲストに、著作“あやつられ文楽
鑑賞”や“仏果を得ず”など文楽を題材にした作品でもお馴染み、
文楽好きで知られる作家の三浦しをんさんをむかえ、学芸員さん
の休日の過ごし方ってテーマで、筋トレにはげむ簑紫郎さん、し
をんさんの新作を読む勘次郎さん、子供と鼻うがいをしている清
公さん、リゾート風に貫禄たっぷりにくつろぐパンチパーマの勘
介さんが登壇し、楽しい話を聞かせてくれました。

お土産に塩昆布の老舗「神宗」さんの神宗の生姜(昆布入り)を
いただきました。
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朝ごはんのおともで食べさせてもらいます。感謝です。

文楽の帰り、阪急うめだ本店9Fの阪急うめだホールで開催されて
いるオートマタ作家武藤政彦さんの個展「ムットーニ シアター in
HANKYU」を覗いてみました。
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古いラジオやジュークボックスのような箱の中で繰り広げられる
機械仕掛けの人形たちと光と音楽の共演。骸骨が踊る“ラジオ・ノ
アール”、天使がせり上がる“ヴィエナ”、宇宙都市に夢を馳せる親
子“ギフト・フロム・ダディ”、ジャングルがステージに変わる“ジ
ャングル・パラダイス”などなど、ノスタルジックで幻想的なオー
トマタの世界を堪能しました。会場内の3カ所で順番に動き出す装
置をめぐりながらひとつひとつの仕掛けを楽しませてもらいました。
めちゃ面白かったです。
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写真は撮れなかったのでパネルで雰囲気だけでも。

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ちょっと遅めの新春文楽 [文楽]

朝から雨模様だった日曜日。今日は、いつもの文楽鑑賞仲間
の方々と国立文楽劇場に「平成三十一年 初春文楽公演(第二
部)」を観に行ってきました。
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今回の演目。先ずは、近松門左衛門作の「冥途の飛脚」。
希太夫さんと團吾さんに文字久太夫さんと藤蔵さんの“淡路
町の段”。呂太夫さんと宗助さんの“封印切の段”。そして、
“道行相合かご”は、梅川を三輪太夫さん、忠兵衛を芳穂太夫
さんで9人の掛け合いでした。
先月、南座の顔見世興行で拝見した“新口村(扇雀さんの梅
川と藤十郎さんの忠兵衛)”の前段の部分なんですが、冥途
の飛脚=新口村の段って感じがするぐらいそこしかやらない
イメージで、封印切は、4年前の同じく初春文楽公演で見て
以来でした。
ざっくりしたストーリーは、飛脚屋亀屋の養子忠兵衛(玉男
さん)が、遊女梅川(清十郎さん)に入れあげ、知人丹波屋
八右衛門(玉輝さん)の金に手をつけてしまう。八右衛門は
梅川に忠兵衛をあきらめさせようと一部始終を説明するが、
それを盗み聞いていた忠兵衛がキレて、武家屋敷に届けなけ
ればいけない金300両に手をつけ、梅川と故郷の新口村に逃
げると言う話。
文楽を見ていると忠兵衛はただただバカな男にしか見えませ
んが、今でも似たような事件をニュースで目にすることがあ
るので、時代背景は違いますが、近松の話は人間の本質みた
いなところを押さえているので、とんでもなくバカな男の話
でも、長く愛されているんだろうなって気がします。

次は、壇浦兜軍記から「阿古屋琴責の段」。
阿古屋は、浄瑠璃が津駒太夫さんで人形が勘十郎さん、秩父
庄司重忠は織太夫さんと玉助さん、岩永左衛門は津國太夫さ
んと文司さん、榛沢六郎は小住太夫さんと玉佳さん、三味線
の方は、清介さんと清志郎さん、そして、琴と三味線と胡弓
は寛太郎さんの演奏でした。
阿古屋に関しては、昨年、NHKのEテレでやっていた玉三郎
さんの歌舞伎の解説番組で見どころを拝見させてもらったこ
とと、3月に南座で玉三郎さんが阿古屋を上演されるってこ
とで、復習と予習も兼ねて楽しみにしていた演目でした。
内容は、源頼朝に敵対する悪七兵衛景清の行方を探るため、
景清と馴染みの傾城阿古屋が代官の重忠のところに呼び出さ
れ尋問を受ける。知らないと言う阿古屋が嘘を言ってないか
を、琴、三味線、胡弓の演奏をさせて、その演奏の乱れから
探ると言う話なんですが、ストーリーよりも華やかな形式美
と琴、三味線、胡弓の演奏を見事に演じる舞台そのものが素
敵な演目でした。
特に琴、三味線、胡弓の演奏をしているシーンは、会場中に
緊張感が漂っていて独特の雰囲気でした。阿古屋の奏でる胡
弓とそれを岩永が火箸で真似ている場面の緊張と緩和が織り
成す世界は秀逸です。
いゃ~!面白かったです。3月の玉三郎さんも楽しみです。

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黄色いあひると油地獄 [文楽]

今日も爽やかに晴れて行楽日和って感じだったので、今年も
F.ホフマン氏のラバー・ダックを見に「すみのえアート・
ビート2018」に行ってきました。
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会場のクリエイティブセンター大阪(名村造船所工場跡地)
では、恒例の巨大な黄色いあひるが浮かび、学生さん(大
阪府立港南造形高校)のアート作品が展示してあったり、
北加賀屋みんなのうえん祭ではハンドメイド系のお店など
が並んでいて賑わってました。
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(焼き芋、美味しい!)
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(アートは、プラスチックの海洋汚染がテーマ)
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(大道芸なども行なわれていました)
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(このあたりも秋の台風で扉の上の方(1.5m以上)まで冠水
したみたいです!)
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それと、11/3にオープンした森村泰昌さんの美術館M@M
(モリムラ@ミュージアム)も覗いてみました。って言うかこ
っちの方が気になっていてんですが。
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開館記念展として「君は『菫色のモナムール、其の他』を見
たか? 森村泰昌 もうひとつの1980年代」と言うタイトルの
展覧会が開催されていました。
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森村さん=セルフポートレートってイメージですが、初期の
写真や版画、出世作とも言えるセルフポートレートのゴッホ
の肖像など、森村さんの作風が確立していく80年代の作品が
展示してあり、非常に興味深い展覧会でした。
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北加賀屋にある蕎麦屋「手打ち蕎麦と一品料理 わか草」さん
の鉄火丼とざるそばで昼ごはん。
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石臼で挽いたという北海道産のそばを使った香りとのど越し
の良い二八そば、めちゃ美味しかったです。

夜は、いつもの弁樂鑑賞仲間の方々と国立文楽劇場で「11月
文楽公演(第2部)」を観劇。
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演目は、鶊山姫捨松から中将姫雪責の段。そして、近松門左
衛門作の女殺油地獄から徳庵堤の段、河内屋内の段、豊島屋
油店の段でした。
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鶊山姫捨松は、ただただ中将姫が継母にいじめられるって話
で、なんとも嫌な感じです。最後は中将姫を助けて鶊山に逃
げるって事になるんですが、裏にいたのならおやじもっと早
く出て来い!と突っ込みを入れたくなります。

そして、女殺油地獄は何回か見てるんですが、こちらも見終
わった後に、嫌ぁ~な心持になる作品で、やっぱり今回もど
んよりとした気分になっちゃいました。子供を残して、近所
に住んでるアンポンタンに殺されるお吉さんの無念を思うと
切なくなります。
でも、一緒に見た方と話をする中で、時代物で忠義のために
死んだり殺したりや心中モノは、今だとピンとこないけど油
地獄の与兵衛は今でも居るよね。こんな話、始終ニュースで
やってるし!って感じで、古典ですが、ある意味現代の話の
様な感じです。嫌な話であることに違いは無いですが。。。
話の内容は兎も角、勘十郎さんが操る与兵衛が油で滑るとこ
ろは見ごたえがあります。よく3人であれができるものだな
と、ただただ感心するばかりです。

ロビーに9月5日に89歳で亡くなった鶴澤寛治さんの訃報の
お知らせがしてありました。
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ご冥福をお祈り申し上げます。

文楽観劇後の食事会は、干し豆腐の美味しい「福華酒家」さ
ん。
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お目当の干し豆腐、水蓮、黄ニラ、餃子、肉団子の甘酢、か
ら揚げ、豚天、やきそば、炒飯、ラーメン、ごま団子などな
ど、どの料理もめちゃ美味しかったです。
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今回もチケットや食事会のご手配で諸々お世話になりました。
ありがとうございました。

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暑い夏、文楽のサマーレイトショーで避暑気分 [文楽]

暑い夜は、国立文楽劇場で涼もうかと「平成三十年 夏休み
文楽特別公演」の第3部サマーレイトショーを観に行って
きました。
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先ずは、"新版歌祭文”から野崎村の段。新版歌祭文全体と
しては、お染久松の心中の話なんですが、この野崎村の段
に関して言えば、主役は野崎村のおみつって感じです。
とは言え、文楽も歌舞伎も新版歌祭文は、ほとんどこの野
崎村の段しか上演しないので、ある意味、新版歌祭文は、
お染久松の話ではなく、おみつのけな気な悲恋の話のよう
な気さえします(野崎村の段にちなんで野崎観音慈眼寺に
は、お染久松の石碑がありますが・・)。あくまで、私見
ですが。
そんなおみつ(清十郎さん)の心の変化が見せ場で、久松
(文昇さん)と夫婦になれると無邪気に喜んでいるところ
に、お染(一輔さん)が訪ねて来て、嫉妬心からちょっと
意地悪をするところもカワイイ。最後にお染久松の命がけ
の思いを知り、尼になって二人を諭す。切ない話です。
浄瑠璃は、文字久太夫さんと清志郎さん、津駒太夫さんと
寛治さん、三輪太夫さんと團七さんと清公。人形では油屋
の女将お勝を簑助さんが務めてらっしゃいました。
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そして次は、近松門左衛門原作で鶴澤清治さんが補綴・補
曲をした"日本振袖始”で大蛇退治の段。
古事記などでも有名な、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の
八岐大蛇(やまたのおろち)退治の大スペクタクル物語。
出雲国簸の川(ひのかわ)の川上、素戔嗚尊の妻である稲
田姫が八岐大蛇の生贄として差し出され、八岐大蛇が化け
た岩長姫が現れる。岩長姫が稲田姫に襲い掛かろうとする
が、八つの大甕に仕込まれた酒(実は毒酒)の香りにつら
れて、思わずその酒を飲み干し、酔ったところを稲田姫が
隠し持った剣で挑もうとするが、あえなく呑み込まれてし
まう!そこに、思わず「遅いんじゃ!」と突っ込みを入れ
たくなるタイミングで登場する素戔嗚尊。岩長姫は本性の
八岐大蛇に戻り、素戔嗚尊との壮絶な戦いの末敗れ、稲田
姫が八岐大蛇の腹の中から宝剣(天叢雲剣)を持って現れ
大団円!
物語というより、舞踊の要素が強い内容で、特に甕の酒を
飲み干しながら舞う勘十郎さんの岩長姫の妖艶(たまに美
しい顔の口が裂けて本性が垣間見える)な姿が最高でした。
(狐の時もですが、外連物をやっている勘十郎さんがいつ
も以上に活き活きしているように見えるのは、私だけだろ
うか?笑)。

夏休み公演は3部構成で、サマーレイトショーの他、第1
部は、親子劇場ってことで、お子さんや文楽をはじめて見
る方も見やすい"瓜子姫とあまんじゃく”に"文楽ってなあ
に?”と言う解説。そして、"増補大江山(戻り橋の段)”。
第2部は、名作劇場で"卅三間堂棟由来(平太郎住家より
木遣り音頭の段)”と"大塔宮曦鎧(六波羅館の段/身替り
音頭の段)”となっていました。 

また、ロビーでは、出演者の方々が並んで西日本豪雨災害
の義援金募金の呼びかけも行われてました。
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少しですが募金をさせていただきました。

そして、観劇後の食事会は、いつもと違った方がお店選び
をしてくれたお陰で、いつもは行かないような裏なんばの
居酒屋「魚屋 ひでぞう」さんで、美味しいお魚をいただき
ました。
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鹿野ベーコンのポテサラ 温玉のせ、大羽いわし山椒煮、宇
部かまぼこの板ワサ、スルメの天ぷら、若鮎の天ぷら、豚
タンのみそ焼き、サメなんこつ梅肉和え、甘エビから揚げ、
水ナスの漬物などなど。下戸な私は〆の稲庭うどん。
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どの料理も美味しかったです。ありがとうございました。

<追記/9月5日>
9月5日に鶴澤寛治さん(89歳)がお亡くなりました。
上記、野崎村の段を千秋楽までつとめた後、体調を崩して
入院されていたそうです。
観劇後の食事会の時に、今回、寛治さんが元気がなさそう
に見えたので心配だと、みんなで話をしていたんですが、
まさかそんなにお悪いとは思っていませんでした。残念で
す。ご冥福をお祈り申し上げます。

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今年も若手の文楽 [文楽]

曇天模様で時折雨がぱらついた今日は、国立文楽劇場に「国立
文楽劇場文楽既成者研修発表会 第18回 文楽若手会」を観に行
ってきました。いつも一緒の文楽鑑賞のお仲間とは日程が合わ
ず、今回は一人で観劇。
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演目は、万才、絵本太功記から夕顔棚の段と尼ヶ崎の段、傾城
恋飛脚の新口村の段でした。
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最初の"万才”は、太夫(玉彦さん)と才蔵(勘次郎さん)が、
新春を祝って舞うお祝いの演目で、咲寿太夫さん、小住太夫さ
ん、碩太夫さんの掛け合い浄瑠璃に三味線は錦吾さん、燕二郎
さん、清允さんでした。

次は、絵本太功記の"夕顔棚の段”で、浄瑠璃は亘太夫さんと清
公さん。つづいての"尼ヶ崎の段”は、希太夫さんと友之助さん
に靖太夫さんと寛太郎さんの浄瑠璃。
本能寺の変で主君尾田春長に反逆した武智光秀(玉勢さん)を
許せない光秀の母さつき(紋臣さん)。光秀のところを去り、
尼ヶ崎に隠れ住んでいるところに光秀の妻操(簑紫郎さん)と
光秀の子供十次郎(紋吉さん)の嫁初菊(玉誉さん)がご機嫌
伺いに訪れる。そこに旅の僧(実は真柴久吉(簑太郎さん))
が現れ一夜の宿を求めたので、風呂でも沸かして入ってくれと
招き入れる。そして、十次郎がやってきて父光秀と一緒に死を
覚悟して戦うと言うので、出陣前に初菊を祝言をあげさせる。
出陣した十次郎と入れ替わるように光秀が竹やぶから登場、風
呂に入った僧侶が久吉と見破って、竹やりで突き殺そうとする
が、誤って母さつきを突いてしまう。瀕死の母とこれまた手傷
をおった十次郎が戻ってきて、光秀はふたりの死を見とどけ、
武者姿で現れた久吉と山崎で戦おうと誓うと言う話。
色々不条理な展開ですが、見応えありました。

最後は、傾城恋飛脚からお馴染み"新口村の段”、浄瑠璃は碩太
夫さんと清允、小住太夫さんと清丈、そして、芳穂太夫さんと
清馗さん。
1月にも拝見させてもらった演目で、梅川忠兵衛の悲恋の物語、
大阪でしくじった梅川(紋秀さん)と忠兵衛(玉翔さん)が忠
兵衛の生まれ故郷である大和の新口村に逃げてきて、実父であ
る孫右衛門(文哉さん)と再会するが、孫右衛門は養父への義
理を感じつつも二人を逃がすと言う話。芳穂太夫さんの浄瑠璃
が素晴らしくって、ググッと引き込まれました!良かったです。

観劇前の腹ごしらえは、なんばウォークで、大阪なんば印のク
リームあんぱん。
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甘くて美味しい!

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GW最終日は西宮で文楽! [文楽]

昼から曇天模様で、夕方から雨が降り出したGWの最終日。
今日は、いつもの観劇仲間の方々と兵庫県立芸術文化セン
ター 阪急 中ホールに「文楽 in Hyogo 恋女房染分手綱」
を観に行ってきました。
文楽inhyogo.jpg 
いつもの国立文楽劇場で観る文楽と内容は同じですが、劇
場の構造の違いで、ちょっと見下ろす感じで観る文楽の舞
台も新鮮です。

第1部は、兵庫在住で昨年人間国宝になられた人形遣いの
吉田和生さんと、同じく昨年襲名された豊竹呂太夫さんの
「芸歴50年」と銘打ったトークショー(聞き手は河内厚郎
さん)。
おふたりは(出会いの記憶に若干の違いはありますが)同
期だそうで、それぞれなんとなくの成り行きで文楽に足を
踏み入れ、それから50年だそうで、東大を落ちて、文楽
のシュールさに興味を持ってはじめた呂太夫さん。京都に
行った帰りに人形の頭作りを見に行ったら、そのまま何故
か人形遣いに入門してしまった和生さんって感じで・・・
面白い!
呂太夫さんのルターを題材にした文楽も見てみたいです。

そして第2部は、「恋女房染分手綱」から道中双六の段を
豊竹希太夫さんと豊竹亘太夫さん、三味線の鶴澤友之助さ
んと鶴澤清允さんの素浄瑠璃で聴かせてもらいました。
まだまだ子供のお姫様が関東に嫁入りすることになったけ
ど、出発の日になっても行くのを嫌がって、乳母重の井な
どがなだめても聞いてくれない。そこに三吉という子供の
馬方が出てきて、関東への道すがらの面白さを道中双六で
紹介してくれお姫様が面白がって出発することになると言
う場面。ここの明るさが次の子別れの段の悲しみを際立た
せる段って感じです。

そして次の、"重の井子別れの段”では、吉田和生さんの
人形が登場、豊竹呂太夫さんと鶴澤清友さんの浄瑠璃にの
せて、悲しい別れの場面を切々と見せてもらいました。
三吉は、実は乳母重の井の実の子供与之助なんですが、三
吉は、家老の息子と重の井の不義密通でできた子供で、こ
のために夫は追放、重の井の親が身代わりに切腹している
経緯があり、また、乳母である重の井のことでお姫様の婚
礼に傷がつくのを恐れ、三吉を突き放すと言う話。最後に
三吉が悲しく馬子唄を歌うところがなんとも切ない。

劇場で配るチラシといっしょに入っていた「ものがたり街
道Ⅱ こころの道行 二十番」と言う、今回のトークショー
の司会者河内厚郎さんが編集して関西広域連合が作った古
典演目ゆかりの場所を紹介した冊子。めちゃ面白そうです。
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河内さん曰く、Ⅰもあって、Ⅰは西国巡礼になぞって古典
演目ゆかりの33ヶ所を紹介しているそうで、Ⅱはそこにも
れた20ヶ所を載せたそうです。Ⅰも欲しいぃ~~~!

芸文近くの「民芸居酒屋 ふじや」さんで観劇後の食事会。
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玉子豆腐の木の芽餡、胡瓜の漬物、じゃこ天、筍の木の芽
和え、ホタルイカの酢味噌、鶏の唐揚げ、オニオンリング、
鰯の梅肉揚げ、角煮、変わり明石焼き、チジミなど、どの
料理も美味しかったです。

いつもながら、チケットのご手配や居酒屋の予約などお世
話になりっぱなしで、本当にありがとうございました。

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初お目見えの段 [文楽]

4月らしいと言えばらしい気候で、ちょっとひんやりして
いた今日は、いつもの文楽観劇仲間の方々と、国立文楽劇場
「平成三十年四月文楽公演 吉田幸助改め五代目吉田玉助
襲名披露(第二部)」を観に行ってきました。
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第一部では、五代目吉田玉助さんの襲名披露口上や、春らしく

義経千本桜なんて演目も有りましたが、今回は、二部の"彦山
権現誓助剣”を拝見。
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彦山権現誓助剣=毛谷村六助住家の段ってイメージで、前段
(須磨浦の段と
瓢簞棚の段)を見たことがなかったので(と言うか
文楽劇場での上演自体が初めてだそうです)全体としてどんな
物語なんだろうと楽しみに観てみました。

父吉岡一味斎を京極内匠に討たれた、お園とお菊姉妹の敵
討ちの話で、"須磨浦の段”は、息子弥三松(簑太郎さん)
をつれた妹お菊(勘彌さん)が、家来の友平(文昇さん)
とともに敵を探す旅をしていて、須磨浦で京極内匠(玉志
さん)と出会い、敵を討とうとするが返り討ちにあう場面。
下ネタ満載の浄瑠璃のもと、お菊が内匠になぶり殺しにさ
れると言うなんとも陰惨な話。。。あんまり上演されない
のも仕方ないかなって感じです。この子供弥三松が、杉坂
墓所の段で六助に託さ、それをきっかけに毛谷村の段で、
話が物凄い展開をみせます!
浄瑠璃は、三輪太夫さん、始太夫さん、小住太夫さん、咲
寿太夫さん、清友さんが、途中交代しながらの掛け合いで
した。

次の"瓢簞棚の段”は、姉お菊(和生さん)の話で、夜鷹に
身をやつして、客をひきながら敵の内匠を探している場面。
友平が現れ、お菊さんが自分の不手際で殺されてしまった
とわびて切腹したり、何故か内匠がお菊を殺したときに落
とした守り袋を池に棄てると不思議なことが起きて、内匠
が明智光秀の子供であることが判り、お園と壮絶な決闘の
すえに名刀を手に入れると言うなんとも奇想天外な展開で
した。内匠が藤棚みたいな台から飛び降り、上ではお園が
鎖鎌をグルグル回していたりと、アクロバティックな場面
あってかなり面白かったです。度々上演すればいいのにっ
て感じでした。
浄瑠璃は、希太夫さんと寛太郎さんに津駒太夫さんと藤蔵
さんに清公さんで、こちらも良かったです。

場面はがらりと変わって"杉坂墓所の段”。毛谷村六助(玉
男さん)が、先ごろ亡くなった母の墓の前で祈っていると、
微塵弾正こと京極内匠が老婆を背負って現れ、老いた母の
ために仕官をしたいので、試合に負けて欲しいと頼むと、
孝行者の六助は承知する。六助が墓用の水を汲みに行って
いる間に弥三松をつれた佐五平(玉勢さん)が登場し、
内匠の仲間に殺され、六助は弥三松を引き取ることに。
浄瑠璃は、亘太夫さんと錦吾さん、靖太夫さんに錦糸さん
でした。錦糸さんの三味線はやっぱり素敵です。

最後は、お馴染みの"毛谷村六助住家の段”。約束通り、弾
正との試合に負けた六助。弾正はお礼を言うどころか六助
の眉間を扇で割ってふてぶてしく去っていく!
家の庭先に弥三松の小袖を吊るして誰か知った人でも通らな
いかと思っていたら、旅の老婆が現れ、六助に母が死んで寂
しいだろうから、私が母になってやろうと強引に家に入り込
む!困った六助だが老婆を邪険にもできないので奥の部屋に
入ってもらうと、それと入れ替わるように、今度は虚無僧姿
のお園の現れ、弥三松を救ったのが許婚の六助を分かると、
いきなり嫁気取りで家事を始める始末!(このあたりが最高
に笑えます)諸々の経緯を知った六助が助っ人を願い出る。
ちょうどその時、墓所で弾正が母だといって背負っていた老
婆が、実は村人の母だったと分かり、弾正が仇の京極内匠だ
と判明する。
浄瑠璃は、睦太夫さんと勝平さん、そして千歳太夫さんと富
助さん、身体全体で情感たっぷりに表現する千歳太夫の浄瑠
璃、迫力でした。

16時から20時40分で休憩30分のみと言う長丁場でしたが、
初見の段もあって、本当に楽しい時間でした。
ありがとうございました。

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