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平成二十三年 大西松諷社定期能 上期第一回公演 [能・狂言]

お正月も終わって仕事始まったなぁ~!なんて思う間も無く
三連休!初日は、昨年の月一能の続きって訳でもないです
が、大阪能楽会館に「大西松諷社定期能」を観に行ってき
ました。
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とりあえず腹ごしらえでもと、先頃リニューアルした大阪富国
生命ビルにある寿司屋「本等 鮨 海馬」さんで“北海あぶり丼
”の昼ごはん♪
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炙ったネタが香ばしくって美味しい丼でしたし、カフェのような
明るいカジュアルな雰囲気もイイ感じでしたよ。

(因みに、新しい大阪富国生命ビルはフランスの建築家ドミ
ニク・ペロー氏の設計。天空へ伸びる森の「大樹」をイメージ
したデザインだそうで、凸凹したガラス張りの外観が中々格
好良いです。)

お腹も膨れたところで、こりゃ眠くなるなぁ~!なんて思いな
がら、能楽堂に入り、程無く開演。今回の番組は、お正月っ
て感じで、先ずは、厳かな雰囲気で大西智久さんの「翁」が
舞わられ、休憩を挟んで、仕舞を4つ「老松」「箙」「花月」「野
守」、そして、平野元章さんのお能「東北」の雅で非常に静か
な舞で、睡魔と闘いながらも無残に敗れて・・・撃沈!
一休みの後、善竹忠亮さんの狂言「附子」でちょっと一息入
れさせてもらって、最後は、今村嘉太郎さんと今村哲朗さんの
鮮やかな猩々が舞う、華やかなお能「乱」。4時間半と長丁場
でしたが、たっぷり楽しませていただきました。

お能を堪能した後は、駅前ビルのパイルさんによって、今日
のお能や先日一緒に行った文楽の話などをしながら、七草粥
(七には足りないとの事でしたが・・・)と黒豆をいただきました。
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あっさりした味付けの料理がめちゃ美味しんですよ。


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平成二十二度 第四回 大阪梅猶会定期能 [能・狂言]

今日は、1月から毎月恒例で観てきたお能の今年の見納
めって感じで、大槻能楽堂に「大阪梅猶会定期能」を観に
行ってきました。
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本日の演目は、先ず、お能の「俊寛」。歌舞伎などでもお
馴染みの俊寛ですが、お能の俊寛は、鬼界が島に流罪に
なっている俊寛(シテ:梅若基徳さん)、康頼、成経のうち、
康頼、成経だけが清盛の娘徳子の安産祈願のための恩
赦を受け、俊寛だけが島に取り残される様を淡々と描いて
いるもので、書状に自分の名前がないと気付いた時の落
胆、2人を連れて去って行く役人に取りすがる姿など、ただ
ただ俊寛の悲劇のみをクローズアップしてる演目でした。

どんよりした気分の後は、善竹忠重さんと岡村和彦さんの
狂言「寝音曲」。主人から謡を謡うように言われた太郎冠
者でしたが、簡単に謡ったら何かのたびに歌わされるのが
目に見えているので、酒を飲まないと謡えないとか、妻の
膝枕でじゃないと謡えないなど、御託を並べていたけど酔
った勢いと、適当に主人に誤魔化されて最後には舞いな
がら謡ってしまうと言う話。
善竹忠重さんの太郎冠者のとぼけた雰囲気で大笑いさせ
てもらいました。

そして、仕舞で、池内光之助さんの「道明寺」、井戸和男さ
んの「百萬」、立花香寿子さんの「殺生石」。立花さんの切
れのある動きと気迫が凄かったです。

次は、お能「三輪」。三輪山に住む玄賓僧都のもとに毎日
樒と水をもってくる里女(実は三輪明神;シテ:井戸良祐さ
ん)から衣を所望され渡してやる。ある日、三輪神社の御
神木に衣がかかっている事を聞いた玄賓僧都が確認に
行くと自分が渡した衣であった。その時、御神木の陰から
巫女(三輪明神)が現れ三輪の神話と天の岩戸隠れの神
楽を舞って去って行く。
真ん中に作り物が置かれているんですが、話の流れの中
で、神木になったり、岩戸のなったりと、展開によって場面
を想像していないと、何がなんだかわからなくなりそうで、
意識を集中して観てたら妙に疲れてしまいました。疲労感
はありつつも、舞や神楽など優美な雰囲気は素敵でした。

最後は、梅若吉之丞さんの祝言仕舞「猩々」。三輪が終わ
ってざわついた空気をすぅ~っと静める舞でした。

お能の後、駅に向かう道すがら、ミニベロを飾っている「B
ici Termini」さんと言う自転車屋があったので、ちょっと
寄ってSTRIDAのチューブを購入。
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その後、「BOULANGERIE gout」さんにも立ち寄って美
味しそうなパンを物色!
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全粒粉食パン、ダッチブール、ラムレーズンのクリームパン、
フランスの山栗の入ったシャテーニュを購入しました。


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七騎落 [能・狂言]

今日は、月に1度のお能の日って感じで、大槻能楽堂に
行ってきました。

“平家物語を観る「戦いのあわれ!」を語る”シリーズで、
今回は、頼朝にまつわる話とお能。
先ずは、井沢元彦さんの「頼朝蜂起」と言う題材での話。
頼朝が伊豆に流された背景や今回の演目に関係する
石橋山の合戦で敗走するも関東武者を従えて天下を取
る話を、自説を交えて楽しく聞かせてくれました。歴史を
こんなに楽しく聞かせてくれる人はなかなかいないです。

そんでもって、暫し休憩の後は、いよいよお能「七騎落;
恐之舞」の始まり。
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今回は、珍しく幽霊話ではなく生身の人間の話、挙兵し
た頼朝(上野雄三氏)が石橋山で大敗し敗走した折、頼
朝以下8人が船で逃げようとするが、父、祖父が敗走し
た時も船に8人乗っていて、最後には殺されたことから8
人は不吉なので1人残れと言い出す。そんな理不尽な!
って話ですが、色々詮議の末、シテ(野村四郎氏)の土
肥実平の子供遠平を残して去って行く。その後、逃げ延
びた頼朝の船に和田義盛の船が近づくが味方であるこ
とを疑われ、すったもんだの末に疑いが晴れて、船底か
ら出てきたのが残してきた遠平だったので、土肥実平が
喜びの舞を舞うと言う話。
舞台にきらびやかな衣装を付けた人がずらりと並んでい
て、いつも見ている少人数でほとんど動きの無い話より
は分かりやすかったですが、なんだかゴチャゴチャしてる
なぁ~!なんて思ってる自分に驚いた今日のお能でした。

いつものようにちょっと早めに現地に赴き、今回は「オス
テリア アランチャ」さんで、ホタテと菜花のパスタとミネス
トローネをいただきました。
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ホタテの旨味の出たソースが麺にからんでめちゃ美味で
した。

ゆっくり昼ごはんを食べても時間が余ったので、近くのカ
フェ「ネスト」さんで、ホワイトホットチョコレートを飲みなが
ら、宮部さんの“ICO-霧の城-”を読んで開演までの時
間を過ごす。
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のんびりした風情に後ろ髪を引かれながら能楽堂に向か
いました。

お能の帰り駅に向かっていると、前方から名前を呼ぶ声?
目をこらすと着物のご婦人が手を振っている。誰?と思い
ながら近づくと、自転車仲間のガチャさんではないですか!
「いゃ~!お久しぶりです」なんて挨拶も早々にマシンガン
のような近況報告と能を見に来たいきさつを聞かされなが
ら駅に到着。この後、着物の展示会があるから「じゃ!」と
言いながら、あたふたと去っていかれた。相変わらず嵐の
ような人だな!なんて思いながら、家に帰った次第です。
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とくい能;光と照明による能舞台の陰翳 [能・狂言]

今日は、毎月恒例のお能鑑賞の日ってことで、山本能楽堂
に行ってきました。
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山本能楽堂では山本章弘さんの立案で色々な形で、お能を
含めた伝統芸能を楽しむ企画を行っていらっしゃるんですが
本日は、LEDで照明デザインをされている藤本隆行さんとの
コラボレーションで、お能「安達原」を演じる趣向。

いつものように、観劇前の腹ごしらえ、能楽堂近くになる生パ
スタを食べさせてくれる「珈琲 柘榴」さんで野菜たっぷりのト
マトソースのスパゲティ“ベルドゥーラ”をいただきました。
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麺は乾麺と生麺から選べるんですが、生麺を選択、モチモチ
した麺が野菜の風味豊かなソースにからんで美味かったです。

お腹も膨れたところで、能楽堂に入って角の座布団席を確保
して待つこと暫し。客席と舞台が近く車座になって観劇するよ
うな、ちょっとアットホームな雰囲気が漂っていました。
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そうこうしているうちに山本章弘さんが舞台に現れて、前半は、
演目「安達原」と、今回のLED照明演出についての解説と言
うかいきさつなどを話してくれました。
演目の解説は、非常に判りやすく、安達原の話にいたる前に
何故鬼婆になったかの話も聞かせてもらって、結構悲しい話
じゃないか!と、しみじみと観劇することができました。
また、道具などによる説明的な要素の少ない能は、ただ演者
の動きを追いかけていても分かり難いが、謡で情景を詳しく
説明しながら進行しているので、しっかり謡を聴きながら想像
すれば分かる。と言う話も興味深いものでした。

衣装の支度の時間を少し挟んで本編の始まり、いつもお能は
明るい舞台と会場で行われるんですが、今回はいきなり真っ暗
になって舞台にぼんやりと青白い光が射し、その中で地謡と囃
子方が準備を始め、修験者が登場。山の中で日が暮れ困って
いると人家の明かりが見えたので一夜の宿を頼む。家は年老
いた老婆の一人住まいで、見慣れない糸車を回しながら問わず
語りの内に夜も更け、老婆は寒くなったので薪を取りに行くと寝
室を覗くなと言い残して出掛ける。見るなと言われると見たくなる
のが心情で、この場面はアイ狂言の善竹隆平さんが面白おかし
く演じてらして、暫し和ませてもらいました。
寝室を覗くと山の様に死骸が詰まれた有様に、ようやく老婆が黒
塚に住む鬼婆だと気付いて逃げるとそれこそ鬼の形相で追いか
けてきたので、祈祷で戦うと言う話。

終始仄暗く、場面場面でその情景を補助するような色合いに光
が変化していく照明で、能の幽玄の雰囲気を邪魔することの無
い抑制の効いた光の演出が素敵でした。

終演後、山本さんと藤本さんが舞台に登場し、LED照明演出に
ついて会場のお客さんとの質疑応答の形で工夫のポイントなど
を聞かせてもらって終了。かなり面白かったです。


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第三回 大阪梅猶会定期能 [能・狂言]

今日は大阪能楽会館にお能を見に来て、観劇前の腹ごし
らえに、会館近くの路地裏にある和食の店「おとと三昧 入
道」さんで、お昼のお弁当“菜宝箱”をいただきました♪
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小さな間口を入ると中央にオープンキッチンのあるお洒落
な雰囲気の店内。キッチンをコの字に囲むカウンターに座
って、程無く出てきたのは2段のお重に入ったお弁当。蓋
を取ると、天ぷら、南蛮漬け、煮浸し、炊き合わせなど上品
な味付けのおかずがいっぱい!ごはんをおかわりしながら
美味しく平らげさせてもらいました☆


お腹が膨れたので、こりゃ寝るな!なんて思いながら、大阪
能楽会館へ。今回の「第三回 大阪梅猶会定期能」は、“巻
絹”、狂言の“無布施経”、“井筒”の後に、仕舞が5番と、最
後は“邯鄲”♪
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“巻絹”と“井筒”は数回観てるし、“邯鄲”は中国の故事「邯
鄲の夢」の話なので概ね了解している。内容が判っていると
言う安心感も加勢して、いつものように心地良いゆらぎの空
間で居眠り三昧でした!
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池内光之助さんの“巻絹”。帝の命令で都から熊野に巻絹
を奉納に行く男が途中にある音無天神の冬梅に心を奪わ
れ和歌を詠んでいたら期日に遅れてしまい、罰を受けてい
ると、音無天神がのり移った巫女が現れ、美しい歌を贈って
くれたお礼に助けてくれるようにと願いながら舞を舞い男が
解放されるという話。
緩やかな流れるような美しい舞に魅了されました。

次は、茂山千之丞さんと茂山あきらさんの“無布施経”。僧
侶が檀家の家に行ってお勤めをするが、檀家さんがお布施
を渡すのを忘れている。なんとかお布施をもらいたいが、僧
侶が欲丸出しでお布施をくれとも言えないので、色々理由を
つけて家に居座り、お布施を思い出させようとする話。
千之丞さんのアドリブも飛び出して、終始大笑いせてもらい
ました。とぼけた雰囲気のお坊さんの風情が最高でした。

狂言で笑った後は、がらりと雰囲気を変えて立花香寿子さん
の“井筒”。諸国一見の僧が在原寺に立ち寄って業平と妻紀
有常の娘の後世を祈っていると、里女が現れ伊勢物語の歌
を詠みながらしばらく舞を舞い姿を消す。今度は業平の形見
の直衣をつけて妻の霊が現れ業平を思い舞を舞うという話。
静かで情感の濃い舞をしっとりと舞ってらして、なんとも幻想
的で美しかったです。

仕舞の後は、梅若猶義さんの“邯鄲”。ご存知の方も多い中
国の故事で、旅の若者が邯鄲の里の宿で、仙人のくれた枕
を借りて晩飯のできるまでの間横になっていると、都から帝
の使いが現れ宮殿に連れて行かれ帝位を頂く。それから50
年栄華を極めて喜びの舞を舞っていると、宿の女将から飯
が出来たぞ!とたたき起こされる。栄耀栄華の50年も飯の
炊ける間の一瞬の夢。現実に戻り「人生も一炊の夢」と悟っ
て故郷に帰るという話。
激しい喜びの舞から一転に寝床に戻って女将に起こされ茫
然としている姿が印象的で、眠気にも襲われず楽しく拝見さ
せてもらいました。

徐々にお能にも慣れてきたのか、最近は結構楽しめてます☆
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第54回大阪薪能 [能・狂言]

夏季休暇の1日目、昼過ぎまで部屋でゴロゴロと惰眠を
むさぼった後、昼飯で冷やし中華を食べたいなと思って、
近所の中華屋に行ったら、こちらもお盆でお休み!とは
言え、頭の中の冷たい麺を食べたいスイッチを切り替え
ることができず、駅前のラーメン屋に立ち寄って“胡麻だ
れおろし冷麺”なるモノをいただきました♪
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ラー油をたっぷりかけて食べたら胡麻の甘みとあいまっ
て結構美味しかったです。でも、今日は普通の冷やし中
華が食べたかった。。。

遅めの昼ごはんを食べたら、ちょっとだけやる気が出て
きたので、そのまま地下鉄に乗って谷九にある“生國魂
神社”で行われている「第54回大阪薪能」を観に行って
きました。これで8月分のノルマ達成!
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神社に入ると本殿前に能舞台が設えてあり、四隅には
太い竹の柱が荒縄で結わいて細い注連縄も渡しあって、
奉納と言うか神事的な神聖な雰囲気が漂っていました。
舞台を囲むように境内いっぱいにパイプ椅子が敷き詰
めてあって、開演時にはほぼ満席の盛況ぶりで、こんな
にお能を観る人がいるんだと、改めてビックリ!54回も
やっているので生國魂神社の夏の風物詩として定着し
てるんだと実感した次第です。
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結構前の席を確保して待つこと暫し、先ずは開演に先立
って神主さんの神事。

その後、山本章弘さんの“忠信”が始まる。吉野山に身
を隠す義経、金峯山寺の衆徒が頼朝に寝返って夜討ち
に来ることを知り。佐藤忠信に追っ手を防いでくれるよう
に頼んで逃げる。一人屋敷に残った忠信は、攻めてき
た大勢の僧兵と、矢や刀で孤軍奮闘するという話。
後半チャンバラ活劇のような殺陣もあって、かなり楽し
めました。お能の幽玄な世界も良いですが、基本的にこ
っち方面大好きです!

楽しいお能の後は、これまた分かりやすい小笠原匡さん
と泉慎也さんの狂言“酢薑(すはじかみ)”。都に商いに
行く途中の薑売りと酢売りが出くわし、おのおのの商品
の良さを、薑売りは「から」、酢売りは「す」を使った洒落
で言い争うという話。周りが笑わないのでちょっと遠慮し
ながらクスクス笑わせてもらいました。

日も傾いたところで、副市長さんの挨拶と火入れ式が行
われ、いよいよ薪能。
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かがり火が焚かれ徐々に暗くなっていく幻想的な雰囲気
の中で始まったのが、大槻文蔵さんの半能“井筒”。
半能と言うことで後半部分のみ、石山寺で休んでいる僧
の前に業平の衣装を着た有紀常の娘の霊が現れて舞
を舞う話。背筋がゾクッとして蒸し暑さも忘れる程美しか
ったです。

そして、仕舞2番は前田和子さんの“玉鬘”と梅若吉之丞
さんの“鵜之段”。

最後は、久保田稔さんのお能“葵上”。光源氏の后葵上
が物怪に取り憑かれて寝込んでしまったので、照日の巫
女に頼んで物怪の正体を探ると、源氏の愛人六条御息
所の生霊が現れ葵上に襲いかかった。ただならぬ気配
に横川の小聖が駆けつけ、鬼神と化した六条御息所の
生霊と戦い追い払うという話。
時折吹く強い風に火の粉を散らしてメラメラ燃えるかがり
火の中で戦う、横川の小聖と鬼神をオペラグラスで眺め
ていたんですが・・・いゃ~!壮絶でした。

今回、初薪能だったんですが、常設の能舞台とは違った
独特の幻想的な雰囲気に心打たれました。

帰り道、参道脇の暗がりに仄かに光る大阪の名所行事を
描いたオブジェも素敵でしたよ。
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会場で、上町台地散策のガイドをしてもらった松村さんに
お会いしたので、ご挨拶をさせてもらいました。
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能楽協会大阪支部 特別公演 [能・狂言]

今日は、毎月恒例にしているお能鑑賞、大槻能楽堂に
「能楽協会大阪支部 特別公演」を観に行ってきました。
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先ずは、お能の前に「PARIS ORANGE」さんのランチ
で腹ごしらえ♪
今日のメニューは、ミニココットはとうもろこしのスープ、
メインは鴨もも肉のコンフィでした。
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とうもろこしの粒感を残したスープもカリカリに焼かれた
香ばしい鴨肉もボリュームたっぷりで、めちゃ美味しか
ったですよ。
日曜日にもランチをやっているのが嬉しいですね!

お腹も膨れたところで、大槻能楽堂に乗り込んで、本日
は、舞台横からの観劇です。
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今日の番組は、お能の「竹生島」「三井寺」「善界」、狂言
の「二千石」。

先ずは、高林白牛口二(こうじ)氏がシテを務める神モノ
の「竹生島(女体)」。
囃子方の前に竹生島のお堂の作り物とかたわらには楕
円形の大きなフラフープの様な船の作り物が置かれ、時
の天皇(ワキ)と共の者、次に、謎の女性と漁翁(前シテ)
が舞台に出てきて、竹生島に渡るシーン。女人禁制の島
に何故女性がと天皇が問いただすと、弁財天の話をして
消え、漁翁も「この湖の主」だと言って消える。狂言方が
一通り状況説明をして、後半は、弁財天(後シテ)が登場
し(後シテが弁財天の場合を女体と言うそうです)、優雅
な舞を披露した後に、竜の冠を被った真っ赤な蓬髪の龍
神が激しくスピーディーに舞って終了。
小柄で女性らしい雰囲気の弁財天の舞がなんとも可愛ら
しい感じで素敵でした。

次は、梅若吉之丞氏がシテを務める狂女物の「三井寺
(無俳之伝)」。
駿河の国清見が関に住む母親(シテ)が舞台に現れ、誘
拐された子供と再会したいと、京都清水寺の観音様に祈
願をしたら三井寺に居ると言う夢のお告げがあり三井寺
に向かう旨を朗々と一人で語る。後半は、可愛らしい子
役の坊やと三井寺の住職がワキとして現れ、月見をして
いる設定。そこに女物狂いとなった母親が三井寺の鐘を
鳴らそうと登場し、住職らとすったもんだやっていると、そ
の様子を見ていた子供がその女は自分の母親ではない
かと言い出し、母と子が再会すると言う話。
この舞台でも作り物が出てきたんですが、三井寺の鐘を
ミニチュアで作ってあって、なんだか別の意味で楽しめま
した。
*無俳之伝(おかしなしのでん)と言うのは、前半に母親
が夢のお告げを受けて三井寺に行く旨をアイと掛け合い
せずに一人で行う演出のことだそうです。

お能2番で疲れた頭をリフレッシュする善竹忠一郎氏と
隆司氏の狂言「二千石」。
主人に許可ももらわず休んでいた太郎冠者を叱ろうと家
を訪れると、なんと京都観光に行っていたとのこと、叱り
たいのはやまやまだが京都の話も聞きたいので、怒らな
いから京都の話を聞かせろと言うと、京都で流行ってい
る謡を披露するが、その謡は主人の先祖がからむ因縁
の謡だったので、さぁ~!大変って話。
やはり狂言は分かりやすくて、ホッとします。

最後は、上野朝義氏がシテを務めた天狗が出てくる切
能「善界(黒頭)」。
唐の天狗の首領善界坊(シテ)が、自国の仏教界の連中
は大方魔界に落としたことから、今度は日本の仏教界の
連中を制圧しようと日本を訪れ、愛宕山の天狗太郎坊と
結託して比叡山に攻撃を仕掛けるが、逆に成敗されて退
散すると言う話。
前半は、面無しの山伏のような姿で淡々と話が進み、後
半は金色の衣装に面を付け黒の蓬髪を振り乱しながら
の激しく舞う緩急が印象的なお能でした。
黒頭と言うのは、天狗のランクみたいなもので、普通は赤
頭、能力が上がると白頭になり、最もランクが上がると黒
頭になるそうです。天狗も色々大変ですねw!

トイレ休憩を挟んで概ね5時間の長丁場、楽しいけど結構
疲れます。でも、観るんです!今年は!
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第6回 和の会 [能・狂言]

今日は、大阪能楽会館にお能「第6回和の会」を見に
行ってきました♪
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長丁場のお能観劇前にとりあえず昼ごはんでもと、会
館近くに在るうどんチェーン店「饂飩の四国」さんで“鳴
門定食(かき揚げうどん+かやく御飯)”を頂きました♪
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店名からも分かるように讃岐系のうどん屋さんなんで
すが、ここのかき揚げうどん(温)はふっくら太麺に薄
味の汁、ごぼうとにんじんのかき揚げがのった感じが、
博多のごぼ天うどんを思い出させてくれる味で美味い
ですよ。

お腹もいっぱいになって、これでぐっすり寝られるな!
って感じに見所に入って、結構前の席を陣取ってはじ
まりを待つ。
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程無く鏡の間から開始の合図の演奏が流れて、囃子
方・地謡の方々がぞろぞろと出てきて、永田克壬さん
の舞囃子「三輪」が始まりました。
演奏の入る仕舞って感じのお能の簡易版みたいなモノ
で、三輪のダイジェスト版だそうですが、どこの部分か
は?です!

次は、女性の仕舞四つ、立花香寿子さんの「田村」、
綿田富美枝さんの「江口」、前田飛南子さんの「花筺」、
宮下昌子さんの「玉之段」。特に、切れが良く跳躍力
のある宮下さんの舞は素敵でした。

そして、小西弘通さんのお能「賀茂」。播州室の明神は
賀茂の明神とご一体であると言うので、室の神主が賀
茂の明神にお参りに来ると、川辺に白羽の矢が立てて
あり、水汲みの女に話を聞くと白羽の矢と賀茂明神の
縁起教えてくれる。しばらくして、御祖神と別雷神が現
れ舞をまい去って行くと言う話。
御祖神と別雷神のきらびやかな衣装と静と動の舞の違
いが見応えありました。

ちょっと休憩の後は、大西智久さんの夏のお能「水無月
祓」の仕舞。

次は、善竹忠重さんと牟田素之さんの狂言「鬼瓦」。
晴れて国もと帰ることになった大名、これも日頃お参り
をしていた神社のご利益だろうとお礼参りがてら、国で
この神社とそっくりの神社を作ろうと様子を見て回って
いると屋根にのった鬼瓦が目に付く。その瓦が国もとの
妻そっくりだと、懐かしがって泣くと言う話。笑いのツボ
がちょっとヘンで面白かったです!

狂言で笑った後は、仕舞3つ、斎藤信輔さんの「難波」、
井戸良祐さんの「仏原」、勝部延和さんの「鵜之段」で、
次のお能への心の準備! 

最後のお能は、山下麻乃さんの「鐵輪」。本妻だった女
が若い女に旦那を取られ、その恨みで貴船神社に丑の
刻参りをしていると、神社の人から鐵輪を逆さにし蝋燭
を立てて頭に被ったら、鬼になって男をとり殺せると言う
夢のお告げがあったと聞かされ、実行に移すが、安部
晴明によって退散させられると言う話。先月も見た鐵輪
ですが、今回は深い情念って感じじゃなく結構サラリとし
ていて、演じる方によって同じ話でもかなり雰囲気が変
わるものだということにビックリしました。

夕方まで、どっぷりお能に浸った後の晩ご飯は、京阪土
居商店街にあるお持ち帰りすし屋「すしや花新」さんの
“巻き寿司と河童巻き”!
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安くて美味しい!お魚型の醤油入れもイイ感じです☆彡
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第14回 関西観世花の会 [能・狂言]

今月のお能鑑賞は、大槻能楽堂で行われた「第14回
関西観世花の会」。
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花の会は西日本の女性能楽師の集まりという事で、狂
言と一部の配役以外は、女性が舞われていました。
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先ずは、仕舞の難波・雲林院・国栖を観ながら気持ちを
整えます。

次は、お能「半蔀(はじとみ)」、シテ(里女・夕顔)は小川
晴子さん。源氏物語の夕顔を題材にしたお能で、京都雲
林院の僧が花の供養をしていると白い夕顔を持った女性
が現れ、自分は五条辺りに住む者ですと言って立ち去る。
不思議に思った僧が五条に来てみると、夕顔の咲いた半
蔀を開けて女(夕顔)が現れ、光源氏との思い出を語り
半蔀の中に去って行くと言う、雅な雰囲気の静かなお能で
した。

ちょっと一息の狂言は「萩大名」、太郎冠者から近所の屋
敷に萩が咲いているので見に行こうと言われた主人だが、
庭を褒めたり萩の和歌を詠わなければいけないというので
尻込みしている。
和歌は教えるからと太郎冠者に押し切られて屋敷には来
たが、庭を褒めても的外れ、挙句に教えた和歌は憶えてい
ない主人にあきれて太郎冠者は帰ってしまう。残された主
人は・・・って話で、笑わせてもらいました。

最後のお能への気持ちの切り替えに仕舞、巴・網之段・善
知鳥・江野島・芭蕉・山姥。

〆のお能は、安倍晴明話「鉄輪(かなわ)」、シテ(怨霊に変
わる女)は前田和子さん。
新しい妻をめとり自分を捨てた男への恨みで京都貴船神社
に丑の刻詣りをする女に、神社の社人が夢のお告げ「鉄輪
の足に蝋燭を灯し頭にかぶり、顔に丹を縫って、赤い衣を
着たら鬼になれる」を告げると女の顔が豹変する。
所変わって男の家では、最近夢見が悪い旨を安倍晴明に
相談したら、昔の妻が今夜あたり怨霊になって現れるだろう
と予言し、怨霊退治の準備を始める。
そこへ鉄輪をかぶった鬼の形相の妻が・・・って話。
話が分かってると、やっぱり観ていて楽しいですね!

女性がメインのお能は今回初めて観ましたが、女性らしい柔
らかな舞が素敵でした。
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松山天狗 [能・狂言]

今年の目標(?)毎月お能を観よう!の4月度は、大槻
能楽堂に“平家物語を観る「戦のあわれ!」を語る”と銘
打ったお能を観に行ってきました。 
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お能の背景をその筋の専門家に語ってもらった後にお
能を観るという企画モノで、今日は著書“逆説の日本史”
やTVでお馴染みの井沢元彦さんが“保元の乱 憤死を
遂げた崇徳の悲運”と言う演題で、今回のお能「松山天
狗」の主人公崇徳上皇(百人一首の瀬をはやみ岩にせ
かるる滝川のわれても末にあわんとぞおもうや落語の
崇徳院で有名な!)が讃岐の国に島流しにあい天皇家
を呪う魔王になったかを詳しく説明してくれました。

その昔、白洲正子さんの著書“西行”でそのあたりのい
きさつを読んだことがあり、なんだか復習している感じで、
楽しめました。

白河上皇が孫ほど年の離れた待賢門院璋子に産ませ
たのが崇徳で、その璋子を孫である鳥羽に娶らせ、崇
徳を鳥羽の子供と言うことにし崇徳はいったん天皇に
なった。が、鳥羽は違う女性との間に生まれた子供(近
衛)を天皇にするために崇徳を上皇にして追い出した。
近衛天皇は早くに亡くなり、順当には崇徳の子が天皇に
なるはずのところを、鳥羽は自分と璋子の間の子供(後
白河)を天皇にすえたことから、崇徳院派と後白河天皇
派の間で保元の乱と言う戦が起き、負けた崇徳院は讃
岐に流され、諸々の末に憤死して天皇家を呪う魔王にな
ったと言う話。

井沢元彦さんの話の後は、いよいよお能、観世銕之丞
さんの「松山天狗」。
お能の方は、その崇徳院と親しい間柄であった西行が
崇徳院の葬られた白峰御陵を訪れ歌(よしや君昔の玉
の床とてもかからん後は何にかはせん)をたむけるとこ
ろから始まる。

西行(ワキ)が白峰を訪れると老人(シテ)が御陵まで案
内してくれ御陵には誰も通わない状況であることを嘆き
ながら語り消えていく。
次に、鳶が現れ保元の乱の経緯などを語って飛び去る。
舞台中央に置かれた白峰御陵とおぼしき竹の囲いの中
でシテが着替えて崇徳上皇の霊として登場。はじめは西
行の歌に癒され華麗な舞を踊っているが、そのうちに色
々記憶が蘇り逆鱗となって激しく舞い狂う!そこに白峰
から天狗が下りてきて、逆臣は私たちが退治すると逆鱗
と化した崇徳院をなだめ、そろって去っていって終演。
Imgp1005.jpg
前半のほとんど動きの無い展開が最後の激しい舞を際
立たせる非常に面白いお能でした。
背景の話を知っていると、やっぱり楽しめますね!:)


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