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師走の能 [能・狂言]

寒風の吹く日曜日(年末のクリスマス三連休の中日ですが明日は仕事なんです
よね~!(涙))。今日は、久々のお能、谷六の大槻能楽堂に「第七十四期第四
回 上野松颯会定期能楽会」を観に行ってきました。
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開演前に本日の番組の簡単な解説があり、少しざわついている見所(客席)をよ
そに舞台に演者の方々が静かに出てきて、仕舞(高砂、芦刈、羽衣、誓願寺)の
はじまり。

仕舞が済むころには、見所も落ち着いて、次の上野雄三さんのお能“巴”がはじ
まりました。巴とは、木曽義仲と一緒に戦った女武者巴御前のことで、義仲が敗
れ自害した近江の粟津を木曽の僧が通りかかったとき、松林の中の神社で泣い
ている女を見かけ声をかける。その夜、武者姿の巴御前が僧の前に現れて、義
仲の最期の様子を伝えながら薙刀を使い勇壮に舞を踊り、一緒に死ねなかった
無念を回向してほしいと言って去っていく。さすが巴御前を題材にしているだけに
舞が迫力です。

緊張感のある巴が終わったところで、ちょっとひと息って感じで、茂山良暢さんの
狂言“蟹山伏”で大笑い!
羽黒山で修行をした山伏が強力を引き連れて帰る途中、山間の沢で蟹の精に出
会い、金剛杖や法力で退治しようとするが、まったく歯が立たず強力ともども耳を
挟まれて痛い思いをするって話。橋掛りで山伏を小バカにしたように横歩きする
蟹の精がなんとも面白い。

そして、上野朝義さんの仕舞“春日龍神”の迫力に圧倒されて、休憩。

最後は、赤井きよ子さんのお能“山姥”。都で山姥の曲舞を謡って有名になり“百
万山姥”と呼ばれる遊女が、男を引き連れて善光寺参りに行く途中、険しい山の
中で本物の山姥と出会い、その山姥が、柳は緑、花は紅など仏教思想を盛り込
んだ舞いを披露すると言う話。演目名が山姥で妖怪話みたいな響きですが、優美
で奥深い雰囲気の漂う素敵な舞台でした。

観劇前の腹ごしらえは、谷六駅近くにある蕎麦屋「そば切り文目堂」さんで“細切
りざるそば”いただきました。
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十割の細切りそばは、ダシの風味の効いた汁とあいまって上品な味わいでした。
店の佇まいも素敵です。

先日、大昔に出していて内容も忘れてしまっていた特許の報奨金を会社からもら
ったので、お能を見に行ったついでに、近くにあった靴屋「Shoes House QAT
ARI」さんでPATRICKのPUNCHを購入。
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足がでかいのでデザインによっては入らないことも多いんですが、これはピッタリ
な上に革が柔らかくって履きやすそうです(ちなみにサイズは45!)。


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HANAGATAめちゃ面白い [能・狂言]

台風の影響でときおり激しい雨が降っていた三連休の中日(と言うか、これを書いてる
今も現在進行形で降ってますが・・)、そんな本日は、兵庫県立芸術文化センターに「花
形狂言 HANAGATA」を観に行ってきました。
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歌舞伎の「鳴神」、落語の「掛取万歳」、狂言の「神鳴」、能の「葵上」を、茂山家の若手
の方々(茂山正邦さん・茂山宗彦さん・茂山茂さんは腰が悪く休演・茂山逸平さん・茂山
童司さん・丸石やすしさん・島田洋海さん・わかぎゑふさん)が演じる新感覚の狂言(?)。

演目は、先ず、歌舞伎“鳴神”より「BLACK&WHITE」。歌舞伎十八番としても有名な
“鳴神”の後日談って話。いきなりスクリーンに鳴神のストーリーが映し出され、幕が開
くと、雨音の中、気だるそうに鳴神上人の弟子である白雲坊と黒雲坊が雨を眺めなが
ら「止まないね~!」などとぼやいている。雲の絶間姫が結界のしめ縄を切って竜神を
解き放ってから3ヶ月間雨続きで、備蓄の食糧もカビて食べられなくなり、明日の飯に
も事欠くほどになっているが、2人は切迫した感じでもなく、足袋の中に何か入ったのな
んのとダラダラしている。いっぽう鳴神上人は、ふて腐れて部屋から出てこないし、雲の
絶間姫は、今度は雨続きで困り果て、結界のしめ縄を毎日結びなおしに来るが、竜神
は去った後なので別段効果も無い。と言う状況をゆるぅ~~く演じる、なんともシュール
な雰囲気から始まり。かなりビックリ!客席も微妙な空気が漂っていました。が、個人
的には、こんなん大好きです。

次は、落語“掛取万歳”より「かけとり」。借金だらけの八五郎、大晦日になると借金取り
が、次々に訪ねてくる。金策にはしるが金の工面がつくはずもなく、借金取りを、その人
趣味で追い返そうと奥さんと策を練り、能に凝っている大家さんには能で対応してうまく
追い返し、沢田研二ファンの酒屋さんは沢田研二の歌で追い返して大成功!って話で
した。が、さすがに能のやり取りは見応えありました。声で表現する奥さんの笛と小僧さ
ん(?)の太鼓と鼓に大笑いさせてもらいましたし、沢田研二さんの歌の時にミラーボー
ルが下りてきたのには驚かされました。(笑)

そして、狂言“神鳴”より「神鳴・改」。やぶ医者が京都で開業していても客がこないので、
東に下ろうと旅に出るが、途中の野っぱらで雷雨に出くわし、恐れおののいていると、な
んと雲から足を滑らせ雷様が落ちてきて腰をしたたかに打って動けないでいる。
脅されながら針治療を行い痛みを消してあげるが、そのまま空に帰ろうとするので、引
き止め治療代を請求。今は金が無いなどとグダグダ言いながら適当に誤魔化して逃げ
ようとする雷様と交渉をするって話。雷様のキャラが絶品で大笑いさせてもらいました!

最後は、能“葵上”より「ひめあらそい」。愛人六条御息所の怨霊に取り憑かれ、生死を
さ迷う光源氏の正妻葵上を助けようと家来が聖よんでくるが、いい加減な祈祷で追い払
うどころか怨霊を呼び寄せてしまう。聖を挟み正妻葵上と怨霊六条御息所の直接対決!
とはならず、よくよく考えたらすべては光源氏の女好きで熱しやすくて冷めやすい性格が
悪いって結論に至り。聖の法力で光源氏こらしめようってことになる話。
ズルズル状況に巻き込まれていく、やる気の無い聖がなんとも素晴らしかったです。

観劇の後は、皆で、900円で2時間ワインの飲み放題と言う、劇場近くにあるイタリアン
の店で、しばし歓談し、大雨の中、大阪に戻りました。
楽しいひと時でした。チケットのご手配など、諸々ありがとうございました。感謝です。
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単独狂言久しぶり [能・狂言]

今日もオーブンの中にいるような熱さじゃなくって暑さの大阪。野外でウロウロする
のは危険だと思い、大槻能楽堂で開催している「納涼 茂山狂言祭2013」で、タイ
トル通り、納涼してきました。
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狂言は大好きなんですが、最近は、能を観に行って間でやっているやつしか観て
なかったので、狂言のみの公演は久しぶりです。

本日の趣向は、茂山狂言のファンの方々に事前にリクエストを募り、それに答える
番組「蚊相撲」「成上り」「業平餅」と言うことでした。
番組が始まる前に、茂山千三郎さんが登場し、今回の見所とリクエストでファンの
方が、何を選んだかを解説。
「蚊相撲」では“蚊”に人気が集まったそうです。蚊相撲は、過去に何回か観てます
が、やっぱり風であおられてフワフワする蚊の姿が面白いので納得。
そして「成上り」は、あまりやることのない番組だそうで、狂言ファンの集まった今回
の客席でも2人ほどしか過去に見たことがないと言うことでした。
千三郎さん曰く、演者も観客も?を残したまま終わるので、なんとなくやる機会が少
ないそうです。
最後の「業平餅」も業平では無く、脇役の傘持に人気が集まったそうで、その傘持
を今回は、茂山千五郎さんが演じてらっしゃいました。
毎年リクエストに答える形で続けてきているせいか、最近は徐々にメジャーな演目
や主役から、珍しい演目や脇役へ票が集まる傾向にあるそうです。

解説が終わったところで「蚊相撲」の開始。大名には茂山千五郎さん、太郎冠者が
茂山童司さん、そして人気の蚊は茂山逸平さんでした。
大名と蚊の精が相撲をとるシーンが印象的で、負けそうになった大名が蚊は風に
弱いから太郎冠者に扇であおげと命令し、あおがれた蚊がヨタヨタする場面がなん
ともユーモラスです。

次は、不条理な「成上り」。太郎冠者には茂山あきらさん、主人が丸石やすしさん、
解説もしてらした茂山千三郎さんが道通り人でした。
主人と太郎冠者が清水寺に参拝に来て、お参りを済ませた後、何故か2人とも境
内でうたた寝をしてしまい、寝ているすきに、太郎冠者が抱えていた主人の太刀を、
道通り人に杖と代えられ盗まれてしまう。目覚めた太郎冠者が太刀を盗まれたこと
に気づき、なんとか誤魔化そうと、山芋がうなぎに変わるなど、物が予期せぬ物に
変化する例え話を並べ、太刀が杖に変わってしまったことを成上りと説明するが、
そんなことが通じるはずも無くって話。確かに、最後はなんとなくうやむやな感じで
2人が去っていくのが?でした。

最後は、狂言っぽくなく演者が沢山出てくる「業平餅」。主役(?)の業平は茂山宗
彦さん、稚児に茂山蘭くん、侍に茂山逸平さん、随身は増田浩紀さんと井口竜也さ
ん、亭主は松本薫さん、娘は茂山童司さん、そして、票を集めた傘持は茂山千五
郎さんでした。
業平が旅の途中、腹減った腹減ったと騒ぎ出し、通りすがりの家で餅を振舞っても
らうが、餅の代金の代わりに娘を都に連れて行ってほしい亭主から頼まれ、業平は
腹も膨れたし次は女とばかりに口説こうとするが、顔を見てビックリ!腰を抜かす!
一緒に旅に連れてきた傘持が独身だと言うことを思い出し、押し付けようとするが
って話。
面白くってずっと笑ってましたが、ある意味「成上り」よりこっちの方が不条理かも!
娘の顔を見て腰砕けになるところが・・・そんなに!って感じで面白いけど!女性は、
観ていて心中穏やかじゃなかったかも?

そんなこんなの凝った番組構成で、本当に楽しい時間が過ごせました。そして、エ
ントランスには、今年の5月に亡くなった茂山千作さんの写真も飾られていました。
ご冥福をお祈り申し上げます。

本日の観劇の前の腹ごしらえは、こんな暑い時はカレーでも食べようと、カラー激戦
区裏谷四にあるカレー屋「スパイスカリー バビルの塔」さんで“肉と豆のあいがけカレ
ー”を頬張りました。
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肉カレーは牛スジ麻辣、豆カレーはズッキーニと豆苗。いゃ~!痺れるほどスパ
イシー!そして、美味い!そして、汗だく!夏は辛いカレーですね。(笑)
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 [能・狂言]

三連休の初日、自転車乗りの友人に大槻能楽堂の研究公演の招待券をいただい
たので、ちょっくら観に行ってきました。

出掛けにカレンダーを見たら、本日は新暦の初午(旧暦でお参りするところも多い
です)、お能を観る前に、大槻能楽堂近くにある玉造稲荷神社に参拝。
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お参りの後、境内を見渡すと、この玉造稲荷神社はお伊勢参りの西の起点になっ
ていたようで“伊勢迄歩講起点碑”が立っていました。
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石碑といえば、玉造を歌った小野小町歌碑「湊入りの玉つくり江に こぐ舟の音こそ
たてね 君を恋ふれど」なんてものもありました。
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また、玉造という地名は勾玉の製造地だったことに由来するということで、境内には
勾玉を展示する難波玉造資料館なんてのも在りましたが、入るには事前予約が必
要ということで残念ながら今回は勾玉を見ることはできませんでした。
とは言え、さすが玉造稲荷!お狐さんが勾玉のネックレスを付けていました!(笑)
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初午で稲荷神社に参拝したし、初午と言えば初午いなりだよな~!って感じで、昼
ごはんは、松屋町にあるいなり寿司屋「いなり屋こんこん」さんで“いなり定食”をい
ただきました。
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おばあちゃんの作る色鮮やかな具だくさんのいなり寿司、めちゃ美味しかったです。

松屋町から高低差の楽しめる空堀通りをトボトボ歩いて大槻能楽堂に着いたんで
すが、開演まで少し時間があったので、能楽堂近くにあるシフォンケーキの専門店
「Sucre Terrasse」さんで、メープルシフォンケーキを頬張りながら時間待ち。
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ソファーにどっかと腰掛けてフワフワのシフォンケーキとアールグレイでひと休み!
なんだかお能を観る前からぼんやり夢心地。。あかん!眠い。。。

観る前から睡眠モードに入りつつ、大槻能楽堂の自主公演能「研究公演 砧」へ。
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先ず、天野文雄先生の「砧考 世阿弥の砧を読み解く」と銘打った講演。作者の世阿
弥をして“かやうの能の味はひは、末の世に知る人あるまじければ”言わしめた「砧」。
古い台本を紐解くと現在行われている砧とは一部分だが違った台詞があり、その台
詞の違いから砧を再考したとのこと。また、夫が都に上って音沙汰無しで3年経過し、
残された妻にとっては、この3年という数字が非常に重要な意味があると定義した点
(昔は、夫婦どちらかが3年間音沙汰無しで離れていると離婚が成立するという慣習
があったらしい)をふまえて、観てほしいとのことでした。
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そして、野村四郎さんのお能「砧」。
夫が都に訴訟のために上って3年、福岡に残された妻は、砧を打ちながら不安な気
持ちを抑えて待っていたが、夫の侍女夕霧が戻ってきて「今年の秋にも戻れない」と
言う夫の伝言を聞き、ショックで亡くなってしまう。
その年の暮れに戻ってきた夫のところに幽霊として現れた妻が恨み言を言うが、夫
の法華経の法力で成仏するという話。この夕霧の「今年の秋にも戻れない」と言う伝
言が、現代では「使いが来て、今年の年の暮れにも戻れない」と言う伝言に変わって
いるそうです。現代版の砧を知らないので、どんな差になっているのかは、分りませ
んでしたし、途中、ほとんど動きが無くなる場面では、時折、撃沈してしまいましたが、
全体として、楽しく拝見させてもらいました。

最後に、天野文雄さん、大槻文蔵さん、野村四郎さん、福王茂十郎さんのアフタート
ーク。何が面白かったて、実はここが一番(?)面白かったりしました。(笑)
普段の砧を知らないので、本編中の野村四郎さんの工夫はまったく分りませんでした
が、野村さん曰く、今回の天野さん解釈、古い文献、新旧台本、過去の先輩方の公
演情報を紐解いて、福岡と都の距離感を狭い能舞台のほんの少しの立ち位置の違
いで表現したり、夕霧から直接夫の伝言を聞く時の受けかた(現代版は夕霧から使
いの者が言った夫の伝言を間接的に聞くので、直接とは聞き方が違うはずだという
解釈)、ショックを表す扇の落しかた、福王さんや囃子方と最後の成仏の場面の唐突
感を抑える調整をしたことの他、今回の小道具の砧は、上村松園さんの絵をヒントに
小振りに作ってあり、舞台の上での置く位置も工夫したなど、見る人が見ると、かなり
違った趣を感じる演出になっていたそうです。

分らないことも多々有りましたが、大変、楽しいお能の講演&公演でしたし、久々に
自転車乗りの知人の方々とも会えました。感謝です。


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久々のお能 [能・狂言]

寒風が吹く土曜日、本日は「平成24年 七宝会 第4回 定期能」を観に京阪線
香里園にある香里能楽堂行ってきました。
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師走ってことで今年を振り返ると、お能をあまり観てなかったな~!なんて思い、
久々にお能だ!って感じで能楽堂に出向いた次第です。

本日の番組、先ずは、辰巳満次郎さんの舞囃子(面や装束を用いず曲のクラ
イマックスを地歌と囃子で演じる)「実盛」、次は石黒実都さんのシテに森本幸
冶さんがワキを務める能「三輪」。ここでちょっとひと息、茂山千五郎さんと茂山
七五三さんに松本薫さんの狂言「附子」、そして、辰巳大二郎さんの仕舞(面や
装束を用いず曲のクライマックスの一部を地歌のみで演じる)「船橋」と倉本雅
さんの仕舞「二人静」、最後は、広島克栄さんシテに広島栄里子さんがワキを
務める能「山姥」でした。

お能も素晴らしかったんですが、やっぱり好きなのは狂言♪留守番を命じられ
た、茂山千五郎さんの太郎冠者と茂山七五三さんの次郎冠者、主人(松本薫
さん)から、風下にいても命が危ない毒だと言われた附子(ぶす)に興味津々、
扇であおぎながら近づき容器を開けると、毒どころか砂糖が入れてある。これ
を食べさせないように毒なんて嘘をついたな!と、逆切れしながら2人で砂糖を
たいらげてしまったから大変!言い訳のために2人がとった秘策とはって話。
ちょっとした動きと言うか立ってるだけでも面白いおふたりのやり取りに大笑い
させてもらいました。

お能前の腹ごしらえは、能楽堂近くにある中華料理屋「大幸」さんで熱々の中
華丼を所望。
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野菜たっぷりでめちゃ美味しかったです。寒いときの餡かけはイイですよね!


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第七十三期第一回 上野松颯会定期能楽会 [能・狂言]

今日は、大槻能楽堂に「第七十三期第一回 上野松颯会定期能楽会」
を観に行ってきました。
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本日の番組は、上野朝義さんの能「籠太鼓」、善竹忠一郎さんの狂言
「文蔵」、赤井きよ子さんの能「邯鄲」の他、仕舞五番(敦盛・佛原・春日
龍神・隅田川・善知鳥)。

去年は、月一のペースで観に行ってたんですが、今年は、すっかりご無
沙汰で、思い起こせば今年初めての観劇でした!久しぶりで、めちゃ楽
しませていただきました。

お能観劇前の腹ごしらには、空堀商店街にある「カレーとくつろぎ 旧ヤ
ム邸」さんの“カレー膳(フレッシュトマトのせ香辛キーマとトマひよナス
のカレー)”をいただきました。
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欧風ともインド風とも南方風ともなんとなく違う、だけどめちゃスパイシー
で美味しいカレーでしたし、 古民家を再生した店の雰囲気も素敵でした。

観劇後、ちょっぴり小腹が空いたのでおやつに「cafe nest」さんで深煎
りのイタリアンブレンドコーヒーとチーズケーキを所望。
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濃厚なチーズケーキとスッキリしたコーヒーの組み合わせがイイ感じでし
た。こちらも古民家を使った店の雰囲気が素敵です。

お茶の後は、空堀界隈に戻り、先日テレビで観た“プリンセス・トヨトミ”を
思い出しながら高低差探訪!(本は読んでたんですが、映画は観てなか
ったんですよね~!部下の男女がひっくり返っててちょっと戸惑いました
が・・!)
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タモさんじゃないですが、高低差って、なんとなく惹かれるんですよね!
空堀界隈は高低差天国です。

そして、プリンセス・トヨトミを思い出したら、お好み焼きも食べたくなった
ので、路地奥にある「ことみ」さんでモダン焼きを所望。
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可愛らしいおばあちゃんが注文を受け具材を用意し、頑固そうなおじい
ちゃんが焼くと言う、なんとものんびりした下町風情たっぷりでイイ感じ
でした。こちらは、古民家再生ではなく、リアル古民家って感じの、とって
も素敵なお店です!(・・・失礼な!(笑))
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七宝会 第三回 定期能 [能・狂言]

曇天模様で時折雨のぱらつく土曜日、もう師走かぁ~!早いなぁ~!
なんて思いながら、今年はあまり足を運ばなかったお能を観に香里園
にある“香里能楽堂”に行ってきました。

拝見したのは「七宝会 第三回 定期能」。本日の番組は、玉井博祜さ
んの舞囃子「三井寺」、澤田宏司さんの「放下僧」、大蔵流狂言善竹隆
司さんの「胸突」、少し休憩後、仕舞「駒之段」「葛城」「芭蕉」、最後は
石黒実都さんの「黒塚」でした。
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「放下僧」は、父の仇を放下僧に扮して探す兄弟。瀬戸の三島神社で
仇と出会い、兄は自分の持つ団扇のいわれ、弟は弓矢のいわれを語
りながら仇に近づき、隙を見て斬りかかり本望を遂げるという話。
仇とその家来、放下僧の兄弟の4人が舞台で対峙する場面は舞台か
ら殺気が伝わってくる程の迫力で圧倒されながら楽しませてもらいまし
た。

狂言の「胸突」は、師走によく上演される借金取り(師走の風物詩?)
の話だそうで、借金をなかなか返してくれない男のところを訪れた貸し
手、居留守を使ったり、明日には返せるなどいい加減なことばかり言
って返す誠意が見えない相手に腹を立て軽く突き飛ばしたら、胸が痛
い!死ぬ!と大騒ぎ!慌てた貸し手は利子はいらないと言い出すと、
それを聞いた借り手はここぞとばかりに、死ぬ!死ぬ!と騒いで借金
をすべて帳消しにさせると言う話。いゃ~!笑わせてもらいました。

最後は「黒塚」、安達が原で日が暮れ一軒の民家に宿を求めた那智
の阿闍梨祐慶、その家には女が一人で暮らしており、糸車で糸を巻き
ながら世間話などをしていたが、部屋を覗かないようにと言って薪を取
りに野外に出て行く。覗くなと言われると覗きたくなるのが人情って感じ
で祐慶の従者が覗くと、そこには人の屍が積み重なっていて鬼女の棲
みかであることに気付く。鬼の姿で現れた女と祐慶が壮絶な戦いを繰
り広げ、負けた鬼女が去っていくという話。祐慶の従者のおどけたしぐ
さが鬼女のおどろおどろしい雰囲気を際立たせている感じで、色々楽
しませてもらいました。

久々のお能でしたが、面白かったです。

香里園のついでに京阪沿線巡りって感じで、守口にある蓮如上人ゆか
りの古刹「難宗寺」さんにある大銀杏が色づいていたので、ちょっとだけ
覗いてみました。
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いつもなら散っている時期だと思いますが、今年は遅れていて、ちょうど
イイ感じでした。

そして、お能後の晩ご飯は、京橋まで足を伸ばしてこちらも久々に「中
華そば花京」さんであっさり中華そばを所望。
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美味しかったんですが、私的にはこれでも結構こってりでした。
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壬生狂言(秋の特別公開) [能・狂言]

3連休の中日は、京都の壬生寺に、重要無形民俗文化財「壬生大念佛
狂言(壬生狂言)」を観に行ってきました。
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狂言の行われる、大念佛堂(狂言堂)の舞台は、橋掛りも付いてて能より
ひと回り小さい感じ。
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謡も台詞も無しで、鐘と太鼓と笛の演奏をバックに、全員が仮面を被った
無言劇が繰り広げられます。(小さな解説書を買ってそれを頼りに拝見。)
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現在上演されるものは、30曲あるらしく、その中から本日は、羅生門
大黒狩、紅葉狩、桶取、大江山、棒振の6曲が演じられました。
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1曲目の“羅生門”は、ご存知、渡辺綱の羅生門での鬼退治の話。源頼光
と渡辺綱と平井保昌が酒宴の席で羅生門の鬼の話で盛り上がり、綱はそ
んなものはいないと言い、保昌はいると主張。それなら自分が退治に行く
と綱は一人出かける。羅生門では鬼が通りがかった人々を襲い(舞台に大
きな仮面を付けた子供が次々に現れて、鬼に襲われるのが、なんだか可
愛い!)門の上に隠れているところへ綱が現れ、頭上からの攻撃をかわし
片腕を切り落とし、鬼を追い払う。
舞台の天井にロープを渡し鬼が潜むなどエキサイティングな演出でした。

2曲目の“大黒狩”は、お坊さんが妻帯できなかった時代、隠れて妻と子供
を持つお坊さんの寺に檀家の旦那が訪ねてきた。慌てて妻に地蔵尊の面
をかぶせ、本尊の厨子に隠す。旦那がどうしても本尊を見たいというので、
チラッと見せて追い返そうとするが、納得せず厨子を開かれ妻と子供が見
つかり、寺から追い出される。
慌ててアタフタするお坊さんの描写が絶妙で笑わせてもらいました。

3曲目の“紅葉狩”は、平維茂の鬼退治の話。維茂が狩りに来た途中、美
女に出会い酒宴で毒酒をもられるが、壬生寺の地蔵尊に助けられ刀を授
けられ、鬼を退治する。
瞬間たすき掛けと絶命する鬼が紅葉の枝を悶絶しながらへし折る場面は
迫力です。

4曲目の“桶取”は、不倫話なんですが、なんとも最後が悲惨で切ない。壬
生寺の近くに住む、左指が3本しかない障害を持つ美しい女性が、桶で寺
の池の水を汲みながら祈願しているところに、金持ちの男が現れ、美しさ
にほだされなんとか口説き落とすが、そこに臨月の妻が現れ大喧嘩!夫
と不倫相手を引き離そうとするが、夫は妻を捨て不倫相手のところに行っ
てしまう。自分の顔が醜いから夫を取られたんだとベタベタに化粧をしたり
顔を殴ったりと妻はドンドン狂っていく。
不倫相手の独特の踊りと、妻の滑稽だけど切ないしぐさが素敵でした。

5曲目の“大江山”は、源頼光と家来の渡辺綱と平井保昌が大江山の酒呑
童子を退治する話。頼光と綱に保昌と山伏が酒呑童子退治で山道を歩い
ていると血染めの着物を洗う女に出会い助けに来た旨を告げ鬼の棲みか
を聞く、更に道を進めると柴刈りの老人(住吉明神)に会い棲みかを教わる。
鬼の棲みかに出向き酒宴を開いて毒酒を飲まし、住吉明神から神剣をい
ただいて酒呑童子を退治。
子供の鬼がたくさん出てきてなんとほがらかな雰囲気や綱と保昌のダブル
瞬間たすき掛け、鬼と綱が争いながら舞台から飛び降りる迫力の演出にビ
ックリさせられました。

最後は〆の演目“棒振”。出演者全員が舞台にずらりと並び「チョウ、ハ、サ
ッサイ」の掛け声とともに、中央で真っ赤な紋付を着た演者が棒を回転させ
る儀式的な曲で終演。

5時間におよぶ無言劇を堪能させてもらいました。
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第七十二期第二回 上野松颯定期能楽会 [能・狂言]

なんだか久しぶりのお能。今日は、大槻能楽堂に上野松颯会
定期能楽会を見に来ました♪
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本日の番組は、仕舞の雲林院、桜川、天鼓。次に赤井きよ子
さんのお能の百萬。間に小笠原匡さんと小笠原弘晃君の狂言
の魚説法と仕舞の杜若、昭君をはさみ、最後は上野朝義さん
の西行桜。
終演後、先頃亡くなられた三宅昭雄氏の追善と震災への思い
をこめて野村四郎さんが、仕舞で「江口」の、舞い終えた江口
の君が、普賢菩薩となって西方浄土に去って行く場面を舞わ
れました。
百萬は、奈良の西大寺で生き別れた母と子が嵯峨の地で再会
をするという話、お能にしては演劇的な演出で分りやすい内容
でした。
狂言の魚説法は小さな弘晃君が一生懸命に演じてる姿にハラ
ハラドキドキ!魚づくしの台詞をよく憶えたなぁ~!と関心しか
りでした。
西行桜は、西行庵の桜が美しいと京の町から大勢花見客が訪
れ、一人でゆっくり楽しみたかった西行が思わず詠んだ「花見
んと 群れつつ人の 来るのみぞ あたら桜の 咎にはありける」と
言う愚痴の歌に対して、桜の精が納得いかないとクレームをつ
けに出てきて、京都の桜の名所を織り込んだ舞いを舞うって話。

久々のお能でしたが、今回も気持ちの良いゆらぎの中でうたた
寝をさせてもらいました。
お能自体も、うたた寝で見た夢のような話が多いですが、その
お能を見てる私もうたた寝で夢心地(笑)!


先日読んだ万城目学さんの“プリンセス・トヨトミ”が面白くって思
わず、お能の前に、空堀商店街を散策してしまいました。
上町台地をまたぐ様な構造で、高低差が激しいってことを改めて
確認した次第です。
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立体迷路のような場所もあり、隣の家の1階と2階が同じ位置っ
て感じで、なかなか面白い所です。

暫し、空堀で遊んだ後は、腹ごしらえをしようと能楽堂近くにある
定食屋「お食事処正富」さんで、玉子焼きの定食と惣菜を所望。
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なんと言うか普通が美味しいって感じで、白ご飯をガツガツ食べ
させてもらいました。
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第3回大阪天満宮梅まつり 勧進能 [能・狂言]

大阪城で梅を楽しんだ後は、天満橋まで歩いて、天満宮前の
能楽堂“朝陽会館”で行われていた「第3回大阪天満宮梅まつ
り 勧進能」を観に行ってきました。
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昨年、お能の説明などワークショップで楽しませてもらったので、
今年も参加したしだいです。

赤井きよ子さんの仕舞「羽衣」を拝見した後に、ワークショップ
の始まり。
先ずは、上野朝義さんが登場してお能の説明。次は、善竹隆
司さんが登場し狂言の説明。
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お二人のそれぞれの説明の後は、小鼓方の上田敦史さんも加
わって、能と狂言の違いや能・狂言それぞれの面の説明などが
続き、その後、お客さんに能衣装を着せてくれるコーナー!

それと並行して、次の箙(えびら)で舞う長山耕三さんが衣装の
仕上げから面を付けるまでの支度を舞台で見せてくれました。
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ワークショップの流れでそのまま、長山耕三さんの装束付舞囃
子「箙」が始まり、目の前で迫力のある舞いを楽しませていただ
きました。
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今回ワークショップで、能と狂言の違いについて詳しく説明して
もらって、非常に勉強になりました。
能が夢と現を表現するのに、巧妙に時間軸をずらした構成をし
ているなど、今後、能を観る時に意識したい点が増えました。
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