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能と狂言のオペラ [観劇(他)]

三連休の中日、兵庫県立芸術文化センター 阪急
中ホールに「オペラ“卒塔婆小町”/“赤い陣羽織”
を見に行ってきました。
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「卒塔婆小町」の元ネタは、観阿弥作のお能の
演目で、小野小町を主人公とする小町物と言わ
れる作品ですが、それを三島由紀夫が、近代能
楽集と題して現代の物語に仕立て、その三島の
卒塔婆小町に石桁真礼生氏が作を付けたのが今
回のオペラだそうです。
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指揮は、牧村邦彦さんで、ザ・カレッジ・オペ
ラハウス管弦楽団の方々の生演奏でのオペラで
した。中ホールには色々な作品を見に行くんで
すが、ステージ前方に楽団の入るスペースが用
意されているのを初めて見ました。
能や狂言とオペラの融合と言う事で、演出は狂
言師の茂山千三郎さんでした。

怪しげな夜桜の咲く公園のベンチでイチャイチ
ャしている若い男女、そんなのお構いなしで、
シケモクを拾って歩く老婆(福原寿美枝さん)、
そんな老婆に詩人(伊藤正さん)が若い連中の
恋路を邪魔しないようにと諭すが、99歳と言
う老婆は昔話を始める。小町(東野亜弥子さん)
と呼ばれて美しかったころに若草少将に言い寄
られたが、私を美しいと言った男はみんな死ん
でいったと語り、私を美しいと言うとあなたも
死ぬことになるると詩人に忠告するが・・・。浮
浪者役で茂山千三郎さんも舞台に立たれてました。

現代劇に仕立てては有りましたが、幽玄な雰囲気
が漂うお能と言うオペラでした。

次の「赤い陣羽織」は、狂言を題材にした作品で、
作が木下順二氏で作曲は大栗裕氏。オペラ以外に
も歌舞伎など色々な舞台で上演されているみたい
です。
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こちらも指揮は牧村邦彦さん、演奏はザ・カレッ
ジ・オペラハウス管弦楽団で、演出は茂山千三郎
さんでした。

とある村で、おやじ(松本薰平さん)と妻のおか
か(大岡美佐さん)、馬の孫太郎(茂山千三郎さ
ん)が仲良く暮らしていたが、新任の代官(松原
友さん)がおかかを気に入り、手下(孫勇太さん)
を連れて三日にあげずに見回りにやってくる。
なんとかおかかを我がものにしようと画策し、庄
屋(片桐直樹さん)におやじを捕まえさせ、その
隙に家に忍び込もうとするが、近くの川に落ちる
は、おかかにはクワで殴られ散々な目に遭い、自
慢の赤い陣羽織を干していたが、庄屋の家から抜
け出して戻ってきたおやじだが、代官の服が脱ぎ
散らかしてあるのを見て逆上し、意趣返しに、赤
い陣羽織を着て代官の家に乗り込むが、奥方(溝
越美詩さん)が機転を利かせ、浮気をする代官を
こらしめようとおやじを利用すると言う話。
狂言仕立てと言う事で笑いが満載の楽しいオペラ
でした。

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