日本の美しさ [歌舞伎]
めちゃ寒かった日曜日。本日は、大阪松竹座に「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演
(中村七之助出演)」を観に行ってきました。
入口には餅花が飾られ初春公演のめでたい雰囲気が漂っていました。中に入ると
「午」と書かれた玉三郎さんの色紙も飾ってあります。
席について双眼鏡のピント合わせなどしているうちに開演となり。先ずは、「村松風
二人汐汲」。在原行平が残した烏帽子と狩衣を身にまといながら踊る須磨の浦の
海女の姉妹。しっとりとした風情の玉三郎さんの松風と初々しさを感じる七之助さん
の村雨。紅白の豪奢な着物が新春公演のお祝いムードを醸し出していました。
次も新春ムード漂う「操り三番叟」。翁(月乃助さん)と千歳(笑三郎さん)の厳かな
舞いが終わると、後見(薪車さん)が、舞台に置いてあった箱から三番叟の人形(猿
弥さん)を取り出し、糸をくくって、ユーモラスな舞の始まり。途中で糸が切れて変な
踊りになったりと、端々で笑わせてもらいました。格式の中に笑いをちりばめた楽し
い演目です。
そして、待ってましたの「二人藤娘」。松の大木のもとで、華やかで艶やかに踊る玉
三郎さんと七之助さんの二人の藤の精。歌麿の美人画から抜け出したような、浮世
離れした美しさの玉三郎さんの藤の精と、渓斎英泉の美人画から抜け出したような、
上品さの中にどことなく艶かしいデカダンスな雰囲気を感じる七之助さんの藤の精の
対比が素晴らしかったです。
双眼鏡の中で藤娘を舞う玉三郎さんは、左右の顔が違った表情に見え、人間と精
霊、生と死、現世と浄土がこん然となったような美しさに息を呑むばかりでした。
最後は、七之助さんがお光・お染・久松の早替りをする「於染久松色読販 心中翌の
噂」。七之助さん演じる物狂いのお光の姿がなんとも生々しくってエロティックで、や
っぱり英泉の浮世絵が頭を過ぎりました。見せ場は、“なかむらや”の文字も鮮やか
な傘が乱舞する中でのお染・久松の早替り!素晴らしかったです。最後に、玉三郎
さんの土手のお六も登場し終演の挨拶となりました。
久しぶりに玉三郎さんを観ましたが、やっぱり凄いです。
朝、日曜美術館を見ていたら藤田嗣治の特集をやっていたので、なんとなく本物が
見たくなって玉三郎さんを観る前に、山王美術館で開催中の「藤田嗣治展」に立ち
寄ってみました。
日本画の手法である下地の色(藤田の場合、この下地の乳白色が代名詞になって
ます)を活かしつつ、極細の繊細な輪郭線で女性の美しさを表現した藤田の洋画の
耽美的な世界を堪能させてもらいました。
別の部屋には、逆に、洋画のように輪郭線を排除し、新しい日本画に挑んだ横山
大観の作品も展示してあり、藤田の絵と見比べながら楽しませてもらいました。
(中村七之助出演)」を観に行ってきました。
入口には餅花が飾られ初春公演のめでたい雰囲気が漂っていました。中に入ると
「午」と書かれた玉三郎さんの色紙も飾ってあります。
席について双眼鏡のピント合わせなどしているうちに開演となり。先ずは、「村松風
二人汐汲」。在原行平が残した烏帽子と狩衣を身にまといながら踊る須磨の浦の
海女の姉妹。しっとりとした風情の玉三郎さんの松風と初々しさを感じる七之助さん
の村雨。紅白の豪奢な着物が新春公演のお祝いムードを醸し出していました。
次も新春ムード漂う「操り三番叟」。翁(月乃助さん)と千歳(笑三郎さん)の厳かな
舞いが終わると、後見(薪車さん)が、舞台に置いてあった箱から三番叟の人形(猿
弥さん)を取り出し、糸をくくって、ユーモラスな舞の始まり。途中で糸が切れて変な
踊りになったりと、端々で笑わせてもらいました。格式の中に笑いをちりばめた楽し
い演目です。
そして、待ってましたの「二人藤娘」。松の大木のもとで、華やかで艶やかに踊る玉
三郎さんと七之助さんの二人の藤の精。歌麿の美人画から抜け出したような、浮世
離れした美しさの玉三郎さんの藤の精と、渓斎英泉の美人画から抜け出したような、
上品さの中にどことなく艶かしいデカダンスな雰囲気を感じる七之助さんの藤の精の
対比が素晴らしかったです。
双眼鏡の中で藤娘を舞う玉三郎さんは、左右の顔が違った表情に見え、人間と精
霊、生と死、現世と浄土がこん然となったような美しさに息を呑むばかりでした。
最後は、七之助さんがお光・お染・久松の早替りをする「於染久松色読販 心中翌の
噂」。七之助さん演じる物狂いのお光の姿がなんとも生々しくってエロティックで、や
っぱり英泉の浮世絵が頭を過ぎりました。見せ場は、“なかむらや”の文字も鮮やか
な傘が乱舞する中でのお染・久松の早替り!素晴らしかったです。最後に、玉三郎
さんの土手のお六も登場し終演の挨拶となりました。
久しぶりに玉三郎さんを観ましたが、やっぱり凄いです。
朝、日曜美術館を見ていたら藤田嗣治の特集をやっていたので、なんとなく本物が
見たくなって玉三郎さんを観る前に、山王美術館で開催中の「藤田嗣治展」に立ち
寄ってみました。
日本画の手法である下地の色(藤田の場合、この下地の乳白色が代名詞になって
ます)を活かしつつ、極細の繊細な輪郭線で女性の美しさを表現した藤田の洋画の
耽美的な世界を堪能させてもらいました。
別の部屋には、逆に、洋画のように輪郭線を排除し、新しい日本画に挑んだ横山
大観の作品も展示してあり、藤田の絵と見比べながら楽しませてもらいました。
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