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桜と呉春と画鬼と [美術館]

週明けから花冷えでしたが、今日は春がすみって感じのぽか
ぽか陽気。神戸の桜の名所、夙川の桜も眺めつつ、春の名の
付く呉春の絵を愛でようと、阪神香櫨園駅の西宮市大谷記念
美術館で、今日からはじまった「四条派への道 呉春を中心と
して」を観に行ってきました。
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与謝蕪村に学び、四条派の祖と言われる呉春を中心にと言う
かほぼ呉春の作品ばかりだったんですが、それ以外にお弟子
さんや同時代の円山派の作品が70点あまり展示してありまし
た。
呉春は蕪村のお弟子さんってことで穏やかな中国風の文人画
のイメージも強いんですが、けっこう細密画のように描いた
作品も多く多彩な呉春を楽しませてもらいました。
屏風なんですが、絵巻物のように時間経過が描かれている“大
江山鬼賊退治図”は、鬼たちが宴会の準備をしてるなど妙に生
活観溢れる風情が描かれていて面白かったですし、絵巻物で
春の田植えから秋の稲刈りまで畑仕事を緻密に描いた“四季耕
作図絵巻”などユーモラスな雰囲気の作品が目をひきました。
そして、円山派からは、春はあけぼのって感じで、円山応挙
の“嵐山春暁図”。水面に月が残る明け方の嵐山の桜を楽しま
せてもらいました。桜の季節の京都は(特に嵐山方面は)、
とんでもなく混むので足が向かないですが、神戸で京都の桜
を眺めさせてもらいました!笑

西宮市大谷記念美術館の呉春の後は、夙川でしばし桜散策。
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こちらは宴会や家族連れでお弁当を食べている人たちで賑わ
っていて、ちょっと写真は撮りにくかったんですが、ハラハ
ラと散り始めた花びらが川面を彩って美しかったです。

夙川でしばし桜を楽しんだ後は岩屋に移動し、こちらも今日
からはじまった兵庫県立美術館の「没後130年 河鍋暁斎」を
拝見。
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暁斎は、国芳から浮世絵を学んだってことで浮世絵の作品も
多いですし、浮世絵以外にも多彩でちょっと変わった絵を膨
大に描いているので、日本画の色々な企画の展覧会で作品を
見ることが多いんですが、暁斎単独の展覧会は、久しぶりに
見たような気がします。
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極彩色に彩色され異彩を放つ出来上がった作品はもちろん素
晴らしいんですが、今回、多量に描いた写生や下絵もたくさ
ん展示してあって、どのようなプロセスで絵を描いていたの
かを垣間見ることができで面白かったです。
後、毎日書いていた絵日記なども展示してあり、正に画鬼の
呼び名のごとく、絵を描くことに取り憑かれ、9歳のときに
神田川で生首を拾ってきて写生をしたと言う伝説の残る暁斎
の描くことへの執念のようなものを感じさせてもらいました。
それこそ、放屁合戦から仏まで清濁併せ持った暁斎の世界を
たっぷりと堪能しました(前後期合せて200点あまりの作品
が展示されるみたいです)。
濃厚過ぎてかなり疲れましたが・・。

常設の方は「2019年度コレクション展 I 境界のむこう」と
言う企画展示が行なわれていました。
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領域、線、東西、生死、自他、裏表、内外など境界と言う視
点で、大岩オスカールさんの“ブラジル丸”や“www.com”、
辻本悦子さんの“内外”、木下佳通代さんの写真、森村泰昌さ
んのセルフポートレート、浜田知明さんやジャン・フォート
リエさんの版画、福岡道雄さんの彫刻、米田知子さんの眼鏡
とテキストのシリーズ写真、大西伸明さんの彫刻“Vacuum-
Alias”、イサム・ノグチさんの彫刻“小さなイド”などなど、
印象的な作品が多数展示してありました。素晴らしい!

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