SSブログ

消しゴムの仏様 [美術館]

曇天模様ですっきりしない冬空の今日は、気になっていな
がらギリギリになってしまいましたが、兵庫県立美術館の
注目作家紹介プログラム10で開催している「入江早耶展
純真(ロマンス)遺跡 愛のラビリンス」を観に行ってきま
した。
IMG_1835.JPG IMG_1837.JPG 
美術館のある御影の処女塚古墳と東求処女塚古墳と西求処
女塚古墳にまつわる菟原処女の伝説を題材にしたインスタ
レーション。
IMG_1844.JPG IMG_1878.JPG 
1300年続いた菟原処女をめぐる2人の男性菟原壮士と茅渟
壮士の争いに、菟原処女が参戦しテレビゲームで2人を負か
して戦いが円満内に終わり、3人とも成仏すると言う物語。
入江さんは、パッケージの箱や印刷物の模様や絵を消しゴ
ムで消して、そのカスでオブジェを作る作家さんで、物語
の最後に見事な三尊像(女性は円満千手観音、男声は円満
毘沙門天と円満不動明王)が祀ってありました。
IMG_1872.JPG
IMG_1876.JPG IMG_1857.JPG
IMG_1869.JPG IMG_1864.JPG
元ネタは菟原処女が命を絶つと言う悲しい話ですが、今回
のは、幻想的でちょっと笑えてハッピーエンドな素敵な作
品でした。
IMG_1839.JPG IMG_1840.JPG 
ロッカールームや情報センターにも作品が配置され、スタ
ンプラリー的に作品をめぐったり、また、ワークショップ
で子供たちが作った消しゴムカス人形の作品も飾ってあり
ました。

そして、こちらも気になていたコレクション展の小企画
「塩売りのトランク マルセル・デュシャンの小さな美術
館」も拝見。
IMG_1883.JPG 
現代アートの父とも言われるルセル・デュシャンが、自
身の作品約80点ほどをミニチュアや写真に仕立ててトラ
ンク位の大きさの箱に収めた作品“トランクの中の箱”の
内、今回はGをばらした感じで展示してありました(箱
はA~Gまで存在するそうです)。小さな泉(便器)の
ミニチュアも収めてあって、作品の複製(コピー)を収
めた作品自体が作品になる入れ子構造の作品で、また、
その作品が複数存在するという、デュシャンの遊び心と
皮肉たっぷりの作品をじっくり楽しませてもらいました。
やっぱりデュシャンは面白いですね。

会場では作品解説ボランティアの練習会(発表会?)み
たいなものが行われていて、関係者とおぼしき十数人に
取り囲まれて、通りがかりのカモ(お客さん)が、私も
含め4人ほどいて、逃げにくい状況でじっくりと作品の
解説を聞かせてもらいました。
作品タイトルの“UNE VALISE DU MARCHAND DU SE
L(塩売りのトランク)”のDU SELをSEL DUに置き換え
て読むとマルセル・デュシャンのトランクに聞こえるこ
とや、普通に絵画を描いていた若かりし頃、キュービズ
ムに時間の概念を持ち込んだらフランスでは批判され、
アメリカでは評価されたなどなど、面白かったです。

1階の常設会場でやっている特集展示の「もうひとつの
日常」もけっこう面白かったです。
IMG_1884.JPG IMG_1886.JPG 
IMG_1887.JPG IMG_1892.JPG 
IMG_1895.JPG IMG_1898.JPG 
IMG_1900.JPG IMG_1902.JPG 
IMG_1904.JPG IMG_1911.JPG 
IMG_1915.JPG IMG_1918.JPG 
IMG_1929.JPG IMG_1926.JPG 

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感