消しゴムの仏様 [美術館]
曇天模様ですっきりしない冬空の今日は、気になっていな
がらギリギリになってしまいましたが、兵庫県立美術館の
注目作家紹介プログラム10で開催している「入江早耶展
純真(ロマンス)遺跡 愛のラビリンス」を観に行ってきま
した。
美術館のある御影の処女塚古墳と東求処女塚古墳と西求処
女塚古墳にまつわる菟原処女の伝説を題材にしたインスタ
レーション。
1300年続いた菟原処女をめぐる2人の男性菟原壮士と茅渟
壮士の争いに、菟原処女が参戦しテレビゲームで2人を負か
して戦いが円満内に終わり、3人とも成仏すると言う物語。
入江さんは、パッケージの箱や印刷物の模様や絵を消しゴ
ムで消して、そのカスでオブジェを作る作家さんで、物語
の最後に見事な三尊像(女性は円満千手観音、男声は円満
毘沙門天と円満不動明王)が祀ってありました。
元ネタは菟原処女が命を絶つと言う悲しい話ですが、今回
のは、幻想的でちょっと笑えてハッピーエンドな素敵な作
品でした。
ロッカールームや情報センターにも作品が配置され、スタ
ンプラリー的に作品をめぐったり、また、ワークショップ
で子供たちが作った消しゴムカス人形の作品も飾ってあり
ました。
そして、こちらも気になていたコレクション展の小企画
「塩売りのトランク マルセル・デュシャンの小さな美術
館」も拝見。
現代アートの父とも言われるルセル・デュシャンが、自
身の作品約80点ほどをミニチュアや写真に仕立ててトラ
ンク位の大きさの箱に収めた作品“トランクの中の箱”の
内、今回はGをばらした感じで展示してありました(箱
はA~Gまで存在するそうです)。小さな泉(便器)の
ミニチュアも収めてあって、作品の複製(コピー)を収
めた作品自体が作品になる入れ子構造の作品で、また、
その作品が複数存在するという、デュシャンの遊び心と
皮肉たっぷりの作品をじっくり楽しませてもらいました。
やっぱりデュシャンは面白いですね。
会場では作品解説ボランティアの練習会(発表会?)み
たいなものが行われていて、関係者とおぼしき十数人に
取り囲まれて、通りがかりのカモ(お客さん)が、私も
含め4人ほどいて、逃げにくい状況でじっくりと作品の
解説を聞かせてもらいました。
作品タイトルの“UNE VALISE DU MARCHAND DU SE
L(塩売りのトランク)”のDU SELをSEL DUに置き換え
て読むとマルセル・デュシャンのトランクに聞こえるこ
とや、普通に絵画を描いていた若かりし頃、キュービズ
ムに時間の概念を持ち込んだらフランスでは批判され、
アメリカでは評価されたなどなど、面白かったです。
1階の常設会場でやっている特集展示の「もうひとつの
日常」もけっこう面白かったです。
がらギリギリになってしまいましたが、兵庫県立美術館の
注目作家紹介プログラム10で開催している「入江早耶展
純真(ロマンス)遺跡 愛のラビリンス」を観に行ってきま
した。
美術館のある御影の処女塚古墳と東求処女塚古墳と西求処
女塚古墳にまつわる菟原処女の伝説を題材にしたインスタ
レーション。
1300年続いた菟原処女をめぐる2人の男性菟原壮士と茅渟
壮士の争いに、菟原処女が参戦しテレビゲームで2人を負か
して戦いが円満内に終わり、3人とも成仏すると言う物語。
入江さんは、パッケージの箱や印刷物の模様や絵を消しゴ
ムで消して、そのカスでオブジェを作る作家さんで、物語
の最後に見事な三尊像(女性は円満千手観音、男声は円満
毘沙門天と円満不動明王)が祀ってありました。
元ネタは菟原処女が命を絶つと言う悲しい話ですが、今回
のは、幻想的でちょっと笑えてハッピーエンドな素敵な作
品でした。
ロッカールームや情報センターにも作品が配置され、スタ
ンプラリー的に作品をめぐったり、また、ワークショップ
で子供たちが作った消しゴムカス人形の作品も飾ってあり
ました。
そして、こちらも気になていたコレクション展の小企画
「塩売りのトランク マルセル・デュシャンの小さな美術
館」も拝見。
現代アートの父とも言われるルセル・デュシャンが、自
身の作品約80点ほどをミニチュアや写真に仕立ててトラ
ンク位の大きさの箱に収めた作品“トランクの中の箱”の
内、今回はGをばらした感じで展示してありました(箱
はA~Gまで存在するそうです)。小さな泉(便器)の
ミニチュアも収めてあって、作品の複製(コピー)を収
めた作品自体が作品になる入れ子構造の作品で、また、
その作品が複数存在するという、デュシャンの遊び心と
皮肉たっぷりの作品をじっくり楽しませてもらいました。
やっぱりデュシャンは面白いですね。
会場では作品解説ボランティアの練習会(発表会?)み
たいなものが行われていて、関係者とおぼしき十数人に
取り囲まれて、通りがかりのカモ(お客さん)が、私も
含め4人ほどいて、逃げにくい状況でじっくりと作品の
解説を聞かせてもらいました。
作品タイトルの“UNE VALISE DU MARCHAND DU SE
L(塩売りのトランク)”のDU SELをSEL DUに置き換え
て読むとマルセル・デュシャンのトランクに聞こえるこ
とや、普通に絵画を描いていた若かりし頃、キュービズ
ムに時間の概念を持ち込んだらフランスでは批判され、
アメリカでは評価されたなどなど、面白かったです。
1階の常設会場でやっている特集展示の「もうひとつの
日常」もけっこう面白かったです。