SSブログ

めでたい文楽 [文楽]

今日は、観劇仲間の方々と、国立文楽劇場に豊竹
呂太夫改め十一代目豊竹若太夫襲名披露公演「令
和六年 四月文楽公演(第二部)」を観に行ってき
ました。
435283574_7048997078542555_6691518416794263331_n.jpg 435319675_7048997105209219_1237225629903309083_n.jpg 
202404_poster.jpg 
演目は、お祝い事ってことで“団子売”。そして若
太夫さんの襲名披露口上。続いて襲名披露公演で
“和田合戦女舞鶴(わだかっせんおんなまいづる)”
から市若初陣の段。最後は狂言でお馴染みの“釣
女”でした。
435315601_7048997455209184_7365893444084622642_n.jpg 
最初の団子売(だんごうり)は、お祝い事の時に
よく上演される演目で、夫婦円満や子孫繫栄を願
ったものだそうです。
団子売りの夫婦が町中で団子を売る姿を舞踊的に
描いたもので、杵と臼を男女になぞらえ、ちょっ
と下ネタチックな浄瑠璃に合わせて、軽く明るく
踊る華やかな舞台です。
浄瑠璃は、藤太夫さん、靖太夫さん、咲寿太夫さ
ん、織栄太夫さんに三味線が、清志郎さん、寛太
郎さん、清允さん、藤之亮さん。
人形は団子売の杵造に玉佳さん、団子売のお臼に
一輔さんでした。

次は、今回のメイン!豊竹呂太夫改め十一代目豊
竹若太夫さんの“襲名披露口上”。
435383521_7048997198542543_2383142330936592264_n.jpg 435295850_7048997185209211_3189503431092579820_n.jpg 
若かりし頃のお話などを交えつつ、若太夫さんの
お人柄をうかがえる笑いいっぱいの口上でした。

そして、襲名披露公演で“和田合戦女舞鶴”から市
若初陣の段。
中を務める浄瑠璃は希太夫さんと清公さん。切は
もちろん、呂太夫改め若太夫さんと清介さん。
途中ウトウトしていたってこともありますが、人
間関係が複雑なのと相まって、内容がさっぱり分
かりませんでした!汗
解説曰く、将軍源実朝の妹を斎姫を殺して逃亡し
ている荏柄平太。平太の妻綱手(玉誉さん)は、
子供の公暁丸(勘次郎さん)といっしょに実朝の
母政子尼公(簑二郎さん)の屋敷にかくまわれて
いる(この時点で何故?と言う疑問が湧いて出て、
後の話が頭に入ってこない)。
この屋敷には浅利与市(玉志さん)の妻で武芸に
秀でた板額(勘十郎さん)が息子の市若丸(紋吉)
とともに護衛をしている。
与市が公暁丸の首を差し出すようにと言う命令を
受けてお屋敷にやってくるが、公暁丸を生かすた
めに身代わりに与市と板額の息子市若丸の首を母
の板額が切り落とし父である与市に渡すと言う展
開。実は誰それは誰だったみたいなご都合主義っ
ぽい多構造になっていて、この段を見ただけでは
全容どころか目の前の人間関係も曖昧な感じです。
この不条理感は文楽の十八番なので違和感は無い
ですが、それにしても難し!

釣女(つりおんな)は、文楽でも狂言でも何回も
見ている演目なのでさらりと見ましたが、独身の
大名(簑一郎さん)と太郎冠者(玉也さん)が
西宮神社にお参りして、釣り竿で女性を釣り上げ
ると言う話!
大名は美女(紋吉)を釣り上げて結婚し、太郎冠
者は醜女(清十郎さん)を釣り上げたけど嫌がっ
て、美女をかっさらって逃げていくと言う、諸々
大丈夫か?と言うような内容です。
寂しですが、こう言うのはその内上演されなくな
るんでしょうね。
浄瑠璃は、芳穂太夫さん、小住太夫さん、聖太夫
さん、南都太夫さん。三味線は、錦糸さん、清馗
さん、友之助さん、燕二郎さんでした。

御襲名おめでとうございます&楽しい公演でした!
ありがとうございました。

終演後の食事会は、難波の本場系中華料理店「小
四川」さんで、もろもろ香辛料の効いた料理をい
ただきました。
435377685_7048997488542514_6474954820341274352_n.jpg 435471502_7048997261875870_3533138460738001243_n.jpg 
435388287_7048997278542535_9207222320473832964_n.jpg 435385368_7048997381875858_2031344652414905731_n.jpg 
IMG_0041.JPG IMG_0043.JPG 
IMG_0044.JPG IMG_0046.JPG 
IMG_0051.JPG IMG_0052.JPG 
IMG_0053.JPG IMG_0055.JPG 
IMG_0056.JPG 
これで2度目の来店です。基本どれも辛いですが
どの料理も美味しかったです。
香辛料使いが独特なんですが、炒飯は普通でした!

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ケラさんの描く戦争 [観劇(他)]

昨夜は、サンケイホールブリーゼにケラリーノ
・サンドロヴィッチさん作・演出の演劇「KERA
CROSS 第五弾“骨と軽蔑”」を観に行ってきまし
た。
IMG_0020a.jpg 
キャストは女性7名で、宮沢りえさん、鈴木杏
さん、犬山イヌコさん、堀内敬子さん、水川あ
さみさん、峯村リエさん、小池栄子さんでした。

抽選に2度ハズレ、ダメかなと思いながら3度
目のチェレンジでなんとか取れた席は2階の最
上段!舞台を遠くに見下ろす感じでの観劇とな
りました。が、劇場の構造の関係か、闇の中で
長方形に切り取られた舞台がそのまま映画のス
クリーンみたいな感じで、全体を引いた視点で
見ながら、オペラグラスで演技をクローズアッ
プしながら楽しませてもらいました。

西の国と東の国との戦争が長らく続き、空襲や
ミサイルの爆発音が日常になって久しい国(両
国、ほとんど男性が戦死し、女性と子供が徴兵
され戦っている状況)での物語。西の国の軍需
産業で富を得る会社のお屋敷での女性7名の日
常化した非日常をシニカルでコミカルに描いた
会話劇の作品でした。

お屋敷の中庭とリビングルームを合わせた様な
舞台で、外と内とがコロコロと入れ替わる演出
で、後半この舞台自体をネタにして、外と内と
を混同するようなシーンも盛り込んでありまし
た。

先ずは、家政婦のネネ(犬山イヌコさん)が登
場し、軽い客いじりで客席に話しかけながら話
が始まり、次にお屋敷の次女ドミー(鈴木杏さ
ん)が現れ、ネネと意思疎通ができているのか
でいていないのかの絶妙な会話が繰り広げられ、
ケラさんの舞台が始まったな~って感じでした。

場面はリビングルームに移り、お屋敷の長女で
幻想小説作家のマーゴ(宮沢りえさん)とドミ
ーのどちらが先だでループする子供の様な口喧
嘩が繰り広げられ、余命いくばくとない主人
(社長)の暴力と看病で疲れアルコール依存症
になった社長の妻でマーゴとドミーの母グルカ
(峯村リエさん)が現れます(後半、夫に勝る
とも劣らない非情でワンマンな経営者の顔を覗
かせます)。
ある意味異物で異邦人的だけど、この物語に深
くかかわるマーゴの熱狂的なファン(ストーカ
ー?)のナッツ(小池栄子さん)が登場し、マ
ーゴの逃げた夫についての伏線を回収をしつつ、
ぎくしゃくとした家族関係を解体し再構築して
いきます。マーゴとドミーとナッツの会話劇が
素晴らしかったです。
物語の展開にスパイス的に効いていた社長秘書
&愛人(?)で社長亡きあとグルカを補佐する
ソフィー(水川あさみさん)も印象的でしたし、
物語のポジティブとネガティブな転換の切っ掛
けになる虫の亡霊とマーゴの編集者のミロンガ
(堀内敬子さん)もイイ感じでした。

コミカルに展開する7人の素敵な女性の会話劇
と端々に現れる身近な戦争の悲劇が相まって心
に刺さる作品でした。素晴らしかったです。

観劇前の腹ごしらえに会場地下にあるパン屋
「ブーランジェリーブルディガラ 大阪店 」さ
んのセーグルフリュイ(レーズン、イチジク、
オレンジピール、 カレンズとクルミを練りこ
んだライ麦パン)。
IMG_0018.JPG 
美味しい!

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

パマさんの桜 [雑記]

今年はかなり遅くなりましたが、桜も満開って
ことで、いつも楽しみにしている京阪西三荘駅
そばにあるパナソニックさんの「さくら広場
(門真)」に自転車を漕いで桜を見に行ってき
ました。
IMG_0002.JPG IMG_9942.JPG 
扇形に整然と並んだ満開の桜、美しかったです。
IMG_0005.JPG 
今年もお客さんは多かったんですが、ここの良
い所は、パナさんの施設なので、飲食禁止!
ってことで、ブルーシートをひいて酒を飲んで
いる人がいないので、純粋に桜の花が楽しめま
す。と言うか、飲食どころか、桜の木の生えて
いる芝の上にも入れないので、人は多いですが、
写真が撮りやすいと言うメリットもあったりし
ます。
IMG_9954.JPG IMG_9962.JPG 
IMG_9958.JPG IMG_9938.JPG 
IMG_9945.JPG IMG_9952.JPG 
IMG_9975.JPG IMG_9983.JPG 
今年は、瀬戸芸の“豊島横尾館”を設計した建築
家永山祐子さんが手がけた漁網リサイクルネッ
トを使った「うみのハンモック」が設置してあ
り、大勢の子供たちがよじ登って遊んでました。
IMG_9968.JPG 
永山さんは、関西万博のパナソニックさんのパ
ビリオン“ノモの国”を担当されているそうです。

アート作品と言えば、西野康造さんの「気流 風
になるとき(2018)」も春風に揺れていました。
IMG_0003.JPG 
こちらは、植松奎二さんの「浮くかたち一垂
Floating form-vertical(2018)」です。
IMG_9999.JPG 

守口での昼ごはんは、西三荘駅からは少し離
れますが、土居にある「ハンバーグとカレー
あおやま軒」さんで、大きなハンバーグをい
ただきました(もうワンサイズ大きい奴もあ
りました)。
IMG_0010.JPG IMG_0011.JPG 
黒コショウをたっぷり振って食べたんですが、
シンプルな味で美味しかったです。

そして、桜と言えば桜餅って感じで、花より
団子よろしく、桜餅を買って帰りました。
IMG_0013.JPG 

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

大好きな漣 [美術館]

黄砂予報は出てましたが、ポカポカ陽気で気持ちの
良い土曜日だったので、自転車を漕いで、大阪中之
島美術館で開催している「没後50年 福田平八郎」
展を見に行ってきました。
434326476_7014564985319098_3198717399170873614_n.jpg 434324226_7014565168652413_8588021073553956680_n.jpg 
デザイン的というか装飾的と言うか“漣”の頃の福田
平八郎の絵が大好きなんですが、今回は、没後50年
の大回顧展ってことで、“野薔薇”や“雨後”など卒業
の頃に描いた初期の細密描写の絵から、晩年の太い
線と鮮やかな色でサラッと描いたような作品まで、
150点以上の作品が展示してあって(前後期合わせ
ると200点あまり)、じっくりたっぷり楽しませて
もらいました。
同時開催中のモネの方は、二の足を踏むほどのお客
さんでしたが、こちらはそこそこって感じで、のん
びり鑑賞できました。

初期の作品では、上記以外に“池辺の家鴨”、“夜桜”、
“安石榴(ざくろ)”、“鯉”などが印象的でした(鯉
は何点かありましたが初期の鯉が好きでした)。
IMG_9856a.jpg 
“朝顔”の屏風あたりが写実の頂点って感じで、その
後は装飾的な表現に移っていくってことでしたが、
初期から晩年まで、変わらないのは構図が絶妙にお
しゃれなんですよね。
IMG_9858a.jpg 
大好きな“漣”もですが“水”、“氷”、“新雪”、“雲”な
ど水に関わる作品を多数残されているんですが、
写生帖を見ると20年以上水を追及されていてなん
ともすごかったです!
IMG_9859a.jpg 
IMG_9862a.jpg IMG_9864a.jpg 
IMG_9869a.jpg 
IMG_9880a.jpg IMG_9863a.jpg 
晩年の“桃”の、桃自体とお盆に写る桃の描写には見
とれました。
IMG_9872a.jpg 
ため息が出るほど美しかったです。
IMG_9876a.jpg 
IMG_9878a.jpg 
作品はもちろん良かったんですが、写生狂を自称す
るような方だたってってことで、作品側に置いてあ
った写生帖もすごかったです。

自転車で戻りつつ、肥後橋の“Yoshimi Arts”さんで
今日までやっていた興梠優護さんの個展「Balm」
を拝見。
434283147_7014565285319068_5548617926806308267_n.jpg 
はっきりと顔を描かないとろけたような表現が印象
的な絵で、今回はメゾンレクシアさんと言う化粧品
メーカーの香水瓶のパッケージを担当された記念の
個展と言う事で、香水も置いてありました。
けっこう甘めなオリエンタル調の香水で好きな香り
でした。

もう少し足を伸ばして、空堀商店街にあるギャラリ
ー“+1art”さんではじまった、ひらいゆうさんと井
上明彦さんの2人展「水たまり」も覗いてみました。
434363279_7014565035319093_4131342128137089126_n.jpg 434327486_7014565331985730_3425654591089569339_n.jpg 
IMG_9891.JPG IMG_9893.JPG 
ちょうど井上さんがいらして、今回の作品はブルキ
ナファソと言うガーナの上に在る西アフリカの国の
土壁の装飾に使うオレンジと黒の土を採取してきて、
日本画の技法の膠に溶いてドローイングを描いたっ
て事でした。
IMG_9901.JPG IMG_9897.JPG 
IMG_9895.JPG 
思わず触りたくなるようなザラザラした質感が印象
的な作品でした。
(私はブルキナファソと言う国を知らなかったんで
すが、アート界隈では有名な国だそうです)

ひらいゆうさんの方は、京都出身でパリで活動をさ
れている作家さんで、実家の襖を使った作品や暗い
水の上に浮かんだような人物などなど。
IMG_9890.JPG IMG_9896.JPG 
ちょっと怪しげな独特の雰囲気が漂う面白い絵でし
た。

自転車で絵を見に行ったついでというか、こちらが
本命と言うか、昨年、調整をしてもらってだましだ
まし乗っていたブロンプトンですが、いよいよ調子
が悪くなったので、谷四にあるブロンプトンの修理
で定評のある自転車屋「Bici Termini」さんにブロ
ンプトンを預けてきました。
20年以上乗ってる自転車なので、部品も無いから直
る保証はないけど頑張ってみますってことでした
(一時期だけ出回っていた台湾ロンプトンなので、
なおのこと部品が無いみたいです)!
お任せするしかないですが、さてさてどうなるやら?
IMG_9908.JPG IMG_9913.JPG 
IMG_9920.JPG 434357499_7014565228652407_3256169041844107930_n.jpg 
京橋の大阪王さんで餃子で晩ご飯♪
IMG_9922.JPG 

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

若い発想が面白い [美術館]

雨模様の土曜日、今日は空堀商店街にあるギャラ
リー“+1art”さんに京都市立芸術大の一回生の学
生さんたちの2023年度総合基礎実技第2課題
展「課外授業 身体」と、別館“+2”で開催してい
る昨年末にチャリティーオークションで作品を買
った松下みどりさんの個展「出つる未明の」を見
に行ってきました。
434065817_6986944091414521_4231567105576715053_n.jpg 434040683_6986936978081899_4483829541113224859_n.jpg 
「課外授業 身体」の方は、ギャラリーの床と壁に
はカラフルなテープで描かれた空堀商店街界隈の
地図が浮かび、その中に6名の教員の方々の支援
を受けた6名の学生(浅見泰佑さん、木村健太郎
さん、小島大地さん、中尾澪さん、古野佐和夏さ
ん、山本ふたばさん)のインスタレーションが展
示してありました。
IMG_9791.JPG 
IMG_9795.JPG IMG_9802.JPG 
水を使って上町台地の高低差を表現した精巧なオ
ブジェ、這ウスと言う駄洒落のために測量に使う
距離計を頭に付けて這うパフォーマンス(体力が
無く這えずじまいだったそうですが・・)、人の
頭の動きを描き留めたドローイング、地図アプリ
をコラージュした石垣、空堀でイタチになってイ
タチを探すパフォーマンス、商店街にひっそりと
置かれたあひるちゃん、どこでも輪投げなどなど、
IMG_9794a.jpg IMG_9803.JPG 
IMG_9799.JPG IMG_9801.JPG 
IMG_9806.JPG IMG_9809.JPG 
IMG_9810.JPG IMG_9812.JPG 
IMG_9813.JPG 
実験的だったりナンセンスだったりで、けっこう
面白かったです。

そして、あひるちゃんを探しながら+2まで歩いて、
松下みどりさんの個展。
IMG_9815.JPG IMG_9814.JPG 
日本画専攻で今年院を卒業されたそうです。が、
今回は、日本画に使う素材“膠”に焦点を当てた作
品を制作してらして、膠をそのまま固めた作品、
熱い膠を手を使って和紙の上で引きずって描いた
作品、膠が乾くがままに変形させた和紙など実験
的で面白い作品でした。
IMG_9818a.jpg 
IMG_9823.JPG IMG_9819.JPG 
IMG_9821.JPG IMG_9827.JPG 
IMG_9828.JPG 
絵も飾ってあって、月と桜と水たまりを描いた三
部作は、幻想的な夜桜の風情が漂う素敵な作品で
した。
IMG_9820a.jpg 
IMG_9824a.jpg IMG_9825.JPG 

ギャラリーからの帰り、商店街にある和菓子屋
「東雲堂」さんで、お彼岸の牡丹餅を購入。
434138568_6986918101417120_4119443961464087621_n.jpg 
小豆の味が濃いつぶ餡と上品な風味と舌触りの
こし餡、どちらも美味しかったです。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感