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お盆っぽい映画 [映画]

第七藝術劇場とシアターセブンの共同企画。ヴィジュア
ル・フォークロアの制作のした民俗ドキュメンタリー映
画14本を、7月から10月まで4期に分けて紹介する「映
像×民俗(ヴィジュアル・フォークロア)」の第2講として
上映された、宗教史から民俗学まで幅広く活躍するの中
沢新一さんが脚本を務め、北村皆雄さんが監督した2007
年の作品「精霊の山ハヤマ」を観に、昨日につづき今日
も十三に行ってきました。
IMG_8071.JPG 
ハヤマ(端山・羽山・葉山)と呼ばれる村の裏山の様な
独特の形の低い山を対象とした山岳信仰を題材にした作
品で、国の重要無形文化財にも指定されている福島の“木
幡の旗祭り”と“金沢の羽山ごもり”、山形の“山寺の夜行
念仏”と“三森山のモリ供養”を追いかけたドキュメンタリ
ー映画でした。

出羽三山、特に月山のつながる信仰がベースになってい
て、東北では、村で亡くなった人は、先ずは身近な低い
山に魂が登り、その後徐々に高い山に移って、最後は月
山にたどり着くと考えられていて、ハヤマはその入口の
様な場所として信仰の対象になっているそうです。
福島の旗祭りと羽山ごもりは、山=女性と言う思想がベ
ースになって、ハヤマで生まれ変わって成人になる儀式
や豊年や子孫繁栄を願う儀式、夜行念仏とモリ供養の方
は、亡くなってハヤマに昇った魂と再会する行事でした。
形式としては、仏教や神道の形をとっていますが、見え
ないものと心をつなげるような、もっと原始的な信仰の
様な感じがしました。

上映後に北村監督のレクチャーも開催され、最初に少し
だけこの映画を制作した経緯である千歳栄さんとの出会
いについて話をされた後、お客さんの質問に答える形で、
映画の背景や撮影秘話(羽山ごもりの撮影はかなりハー
ドルが高かったことなど)などを詳しく伺うことができ
て、非常に面白かったです。(質問している方々も宗教
や民俗学系に詳しい方ばかりみたいで、自説もからめた
質問が飛んでいました)

古くからの山岳信仰と神仏習合があいまって形作られた
伝統が、明治の廃仏毀釈でいったん崩壊しそうになった
のを、なんとか踏みとどまって今日まで受け継いでいる
そうですが、残念なことに、近年の過疎と高齢化には勝
てず継続が難しい状況だそうです。日本各地に残る伝統
行事はおおむねそのような環境に置かれているそうです。

監督は違いますが、昨年拝見した同じ東北のドキュメン
タリー映画“廻り神楽”もヴィジュアル・フォークロアの
制作だそうで、その話もお客さんとのやり取りの中で少
しだけ出てきました。

しっかし、暑いですね~!こんな時は思わずアイスが食
べたくなります(下戸で甘党なので)ってことで、森永
乳業の北海道あずき。
IMG_8074.JPG 
練乳の風味とつぶ感のある小豆が絶妙に美味いです。

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