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生の風信帖 [美術館]

初夏のような陽気だった今日は、奈良国立博物館に
空海の生誕1250年記念した特別展「空海 KŪKAI
密教のルーツとマンダラ世界」を見に行ってきま
した。
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第1室は、部屋の中央には大日如来が鎮座した国
宝の“五智如来坐像”が四方に配置され、左右には
“不動明王坐像”と金剛峯寺の“大日如来坐像”。
左右の壁には、国宝“十二天像”と“真言八祖像”、
正面の壁には、金剛峯寺の両界曼荼羅(血曼荼羅)
と両部大壇具、まさに立体曼荼羅の世界が創り上
げてあり、圧巻の世界観です。すごい!
片隅に空海像も置いてあります。
また、難解な曼荼羅も分かり易く解説してあって、
会社員的な視点で見ると、胎蔵界曼荼羅は会社で
言うところの組織図みたいなモノで、金剛界曼荼
羅は経営計画書みたいなモノだなと思うと、なん
だかスッと頭に入ってきた感じでした。
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そんな曼荼羅と言えば、国宝の両界曼荼羅”高雄
曼荼羅(胎蔵界)”と“西院曼荼羅”も展示。高雄
曼荼羅の方は濃緑地に金銀泥で繊細な線描で描か
れた仏、西院曼荼羅は本当に平安時代のモノなの
と思えるくらい色鮮やか!ビックリです。

他に、空海が中国から持ち帰ったと伝わる国宝の
“金銅密教法具”と“錫杖頭”、空海が枕元に置いて
いたので枕本尊とも言われる国宝の“諸尊仏龕”な
どなども飾ってあって、密教世界にどっぷりと浸
れました。

それと、密教の経由も詳しく解説してあり、イン
ドから陸のシルクロードで大日経と共に中国に伝
わった胎蔵界系の密教。
一方、インドから海のシルクロードでインドネシ
ア経由で金剛頂経と共に中国に入った金剛界系の
密教。
空海の師である恵果が、この2系統の密教を一つ
にまとめて、それを空海に伝授し、それが空海を
通して日本に伝わったと言う事みたいです。
伝播の歴史をふまえて密教を見ると言うのも面白
かったです。
今回は、インドネシアで発掘された“金剛界曼荼羅
彫像群”による立体曼荼羅も飾ってありました。

唯一の写真OKの品は、空海が唐の長安で見たかも
しれないと言う大理石の“文殊菩薩坐像”も飾って
ありました。
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密教は無論ですが、空海と言えばやはり“書”って
感じで、コロナ禍に筆ペン臨書で散々書いた大好
きな“風信帖”の生を見ることができました!と言
うかこれを見たくて、奈良まで足を伸ばしたと言
っても過言ではありません。
軽やかに書かれた書簡から最澄との関係性まで垣
間見えるような素敵な文字でした。
他に“金剛般若経開題残巻”、“灌頂歴名”、“聾瞽指
帰”、“三十帖冊子”、“大日経開題”など国宝を含め
書も多数飾ってありました。

空海とは直接関係無いですが、金剛峯寺のそれこ
そ孔雀に座った快慶作と言われる“孔雀明王坐像”
の美しさは圧巻でした。

空海の密教面ばかりではなく、書の方も充実した、
大満足の展覧会でした。
でも最後は、空海さん(金剛峯寺の弘法大師座像)
にそっぽを向かれて会場を後にしました!苦笑

なら仏像館では「特別公開 金峯山寺仁王門 金剛
力士立像」が開催されてました。
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この金剛力士立像(吽形・阿形)は、金峯山寺仁
王門(国宝)に置かれているモノで、5mほどの
高さがあり、部屋の中で見ているってこともあっ
て圧倒的な存在感でした。
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力士立像と言えば、志村けんさんの「アイーン!」
みたいな姿の力士立像もありました!
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ユーモラスでカワイイ!


それにしても奈良はと言うか奈良も、海外の観光
のお客さんが凄かったです。日本人比率低めでし
た。
海外の方で面白かったと言えば、空海展で見かけ
た中国の学生さんっぽい女性2人が経典や空海の
書を中国語で読みながら解説をしあっていて、確
かに昔の中国語だけど、今の子も読めるの?って
気になりました。大学で仏教の勉強でもしてるの
なか?

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