六本木と原宿でふるえる [美術館]
夏季休暇前の東京日帰り出張。金曜ですがすでに朝から帰省
か旅行の方々で混雑していて、お休みムード漂う新幹線で東
京へ。
せっかく東京に行ったので、是非にも見たいと思っていた大
好きな塩田千春さんの個展「塩田千春展 魂がふるえる」を見
に森美術館に行ってきました。
塩田さんの作品は、芸術祭など色々なところで見かかるので、
好きで見に来る人も、そこそこいるだろうな~!なんて甘く
考えていましたが、チケット売り場を超えて入口の螺旋階段
のところまで行列ができていてビックリ!
しばし並んでチケットを買って、一気に53階へ。会場に上る
エスカレータの空間に白い舟“どこへ向かって”が並んで塩田
ワールドに誘ってくれます。
会場に入ると、儚さと危うさを感じる子供の手が支える針の
塊の様な繊細で小ぶりのブロンズの作品“手の中に”が展示し
てあり、集中して眺めることで気持ちが切り替わり、その後
の大きな作品に臨むスイッチが入る感じです。
そして、今回の展覧会のビジュアルイメージにもなっている
舟にからんだ赤い毛糸が部屋中にうごめく“不確かな旅”。真
っ赤な世界の迫力に圧倒されます。
展示室全体を使ったインスタレーションが印象的なんですが、
不在や死をイメージした作品を創る塩田さんの25年の活動を
振り返る展示にもなっていて、学生の時に描いたと言う抽象
画や、私が塩田さんを知るきっかけになった靴と赤い毛糸の
作品“DNAからの対話”の写真などが飾ってあって、なんとな
く懐かしさも感じることができました。
また、美術館の中から大都会東京の風景を眺めることのでき
る部屋には、無数の小さなオブジェが赤い糸で結ばれた縁の
世界が広がってました。
赤のイメージの次は黒と言う感じで、赤い糸が黒い糸が切り
替わる。
次は、焼けたピアノと椅子が並ぶ空間に張り巡らされた黒い
糸が静寂を奏でる“静けさの中で”、レクイエムと言うか戦争
や死や不在を感じて心がゾワッとする作品でした。
その奥に“時空の反射”と言う2着のドレスが黒い糸でがんじ
がらめになった作品があるんですが、半分は鏡に映っている
と解っていても、眺めれば眺めるだけ実像と虚像の区別が曖
昧になる不思議な作品でした。
ベルリンの再開発で廃棄された無数の窓枠で壁を再構築した
“内と外”は、豊島の作品が思い出されて面白かったです。
最後は、赤い紐で吊るされた無数の古いスーツケースが揺れ
る“集積 目的地を求めて”に見送られながら会場を後にしまし
た。
か旅行の方々で混雑していて、お休みムード漂う新幹線で東
京へ。
せっかく東京に行ったので、是非にも見たいと思っていた大
好きな塩田千春さんの個展「塩田千春展 魂がふるえる」を見
に森美術館に行ってきました。
塩田さんの作品は、芸術祭など色々なところで見かかるので、
好きで見に来る人も、そこそこいるだろうな~!なんて甘く
考えていましたが、チケット売り場を超えて入口の螺旋階段
のところまで行列ができていてビックリ!
しばし並んでチケットを買って、一気に53階へ。会場に上る
エスカレータの空間に白い舟“どこへ向かって”が並んで塩田
ワールドに誘ってくれます。
会場に入ると、儚さと危うさを感じる子供の手が支える針の
塊の様な繊細で小ぶりのブロンズの作品“手の中に”が展示し
てあり、集中して眺めることで気持ちが切り替わり、その後
の大きな作品に臨むスイッチが入る感じです。
そして、今回の展覧会のビジュアルイメージにもなっている
舟にからんだ赤い毛糸が部屋中にうごめく“不確かな旅”。真
っ赤な世界の迫力に圧倒されます。
展示室全体を使ったインスタレーションが印象的なんですが、
不在や死をイメージした作品を創る塩田さんの25年の活動を
振り返る展示にもなっていて、学生の時に描いたと言う抽象
画や、私が塩田さんを知るきっかけになった靴と赤い毛糸の
作品“DNAからの対話”の写真などが飾ってあって、なんとな
く懐かしさも感じることができました。
また、美術館の中から大都会東京の風景を眺めることのでき
る部屋には、無数の小さなオブジェが赤い糸で結ばれた縁の
世界が広がってました。
赤のイメージの次は黒と言う感じで、赤い糸が黒い糸が切り
替わる。
次は、焼けたピアノと椅子が並ぶ空間に張り巡らされた黒い
糸が静寂を奏でる“静けさの中で”、レクイエムと言うか戦争
や死や不在を感じて心がゾワッとする作品でした。
その奥に“時空の反射”と言う2着のドレスが黒い糸でがんじ
がらめになった作品があるんですが、半分は鏡に映っている
と解っていても、眺めれば眺めるだけ実像と虚像の区別が曖
昧になる不思議な作品でした。
ベルリンの再開発で廃棄された無数の窓枠で壁を再構築した
“内と外”は、豊島の作品が思い出されて面白かったです。
最後は、赤い紐で吊るされた無数の古いスーツケースが揺れ
る“集積 目的地を求めて”に見送られながら会場を後にしまし
た。
やっぱり、塩田さんはイイですね。けっこうお客さんも多か
ったんですが、人々が気配だけの存在に変わる感じで、そこ
はかとなく孤独に浸りながら作品の中を旅することができま
した。
仕事で行った場所のすぐ横に、浮世絵を専門に展示する太田
記念美術館があって、猛暑の夏にぴったりな「異世界への誘
い 妖怪・霊界・異国」と言う展覧会をやっていたので、日差
しを避けて、しばし身も心も涼ませてもらいました。
今回、お化けの絵ってことで、歌川国芳と月岡芳年が多数展
示してあり、歌川国芳では、“東海道五十三対 桑名 船の
り徳蔵の伝”や“木曽街道六十九次之内 妻籠 安倍保名葛葉
狐”、九尾の狐を描いた“三国妖狐図会”など。
月岡芳年の方は、いかにもという“羅城門渡辺綱鬼腕斬之図”
や“日蓮上人石和河にて鵜飼の迷魂を済度したまふ図”の他、
淡い色調で大好きな作品“新形三十六怪撰 ほたむとうろう”
や“新形三十六怪撰 皿やしき 於菊の霊”や“月百姿 源氏
夕顔巻”も目を引きました。
これ以外に葛飾北斎の遠近法浮世絵“新版浮絵 浦島龍宮入之
図”、フランスを描いた“阿蘭陀フランスカノ伽藍之図”、ロ
ードス島を描いた“羅得島湊紅毛船入津之図”、アメリカを描
いた“亜墨利加国”など、ちょっと変わった作品も飾ってあり
けっこう面白かったです。
お客さんと会う時間が急に変わって、EX予約で変更しよう
としたら帰りの新幹線の指定席がすべて満席で変更できず!
あわててもしょうがないなと思って、東京駅にある寿司屋
「築地 寿司 清」さんの江戸ちらしでゆっくり晩ごはん。
美味しかったです。
お腹も膨れたので覚悟を決めて改札を抜け、2本後くらい
の自由席に転がり込んだら運良く座れたんですが、その後
通路まで人が溢れてえらい事になった新幹線で大阪に戻り
ました。