SSブログ

夏の終わりの能 [能・狂言]

朝夕、早々に秋の気配を感じる今日この頃。本日は、大槻能楽堂に「第七十六期
第三回 上野松颯会定期能楽会」を観に行ってきました。
Img_1687.jpg Img_1692.jpg 
今日の番組。先ずは、仕舞で三浦信夫さんの“芭蕉”、川中治作さんの“雲林院”、
上野雄介さんの“松虫”。次のお能は小寺一郎さんの“羽衣”。ちょっと一息って感
じで茂山良暢さんの間狂言“呼声”を挟んで、仕舞の“花筐”は久保田稔さん。最後
のお能は上野朝彦さんの“殺生石”でした。

“羽衣”は、有名な羽衣伝説を題材にして世阿弥が創作したお能だそうで、三保の
松原で白龍という漁師が、松の枝にかけてある衣(実際に橋がかりの1ノ松に衣が
かけてあります)を持ち帰ろうとすると、天女が現れ、衣を返してくれるように頼み、
返す代わりに舞い舞うという話なんですが、如何せん天女が出てきて舞台のほぼ
真ん中で諸々の状況を説明して舞うというだけの展開で1時間!いゃ~~!眠気
との戦いでした!

次の狂言“呼声”は、主人に無断で旅に行った太郎冠者をとがめようと、主人が次
郎冠者と一緒に太郎冠者の家に赴くが、居留守をつかい太郎冠者が出てこない!
なんとか太郎冠者を引き出そうと、平家節や小唄節や踊り節で呼びかるって話。テ
ンポの良いリズミカルな狂言でおおいに笑わせてもらいました。

そして、“殺生石”は、那須湯本温泉にある殺生石にまつわる話。玄翁という僧が
那須を通りかかると、鳥が死んで落ちてくる石があり不思議に思っていると、里の
女が現れ、これは殺生石だと教えてくれる。天竺、唐を経て日本に渡ってきた狐
の化け物(有名な九尾の狐)が、玉藻ノ前に取り付いて鳥羽上皇に害を与えようと
したのを安倍泰成によって見破られ、那須に逃げ殺生石になったと言う石の由来
を語って聞かせ、女は舞台中央の大きな石の作り物の中に消えていく!石に向か
って玄翁が祈ると殺生石が真っ二つに割れ、中から狐の精が現れて、仏事のおか
げで成仏できると語って去って行くという、中々面白い展開です。
お能はちょこちょこしか観ないので、これくらいドラマティックな話で、物理的にも舞
台に変化が有る方が楽しいですね!

お能前の腹ごしらえは(腹ごしらえをするから眠くなるんですが・・)、谷六の「そば
切り文目堂」さんで、粗挽きの辛み大根おろしそばを手繰りました。
Img_1686.jpg 
大根の辛さに負けない風味豊かな粗挽き蕎麦!めちゃ美味しかったです。

そして、能楽堂までの道すがらにあるパン屋「gout」さんで、丹波黒豆パンと天然
酵母くるみイチジクパンを所望。
Img_1689.jpg 
黒豆たっぷりのパンと香ばしい胡桃とイチジクの甘さが絶妙なパン、どちらもめち
ゃ美味しい!
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0