能とLED [能・狂言]
そろそろ花粉も飛び出し、ぼんやりしたような天気の日曜日。今日は、山本能楽堂
で行われた「光と照明による能舞台の陰翳 #WORK12 船弁慶」を観に行ってき
ました。
山本能楽堂では、お能の裾野を広げようと様々な企画が行われているんですが、
このお能もその一環、能楽師の山本章弘さんとLED照明デザイナーの藤本隆行さ
んがコラボレーションして、幻想的な光の中でお能を見せてくれるものです。
かなり初期だと思うんですが、2010年秋に“安達原”を見せてもらって以来、私的
には今回2回目でしたが、この企画自体は、今回で第12弾になるそうです。
先ずは、舞台に山本章弘さんが登場して、今回上演する“船弁慶”とお能と照明に
ついての解説。
能楽堂はもともと野外に造られ、お能も本来は、5つの演目を朝から夕刻まで演じ
ていたので、斜めに入るやわらかな朝の光から始まり、昼は上からの強い光で舞
台の前と奥の陰影がはっきりし、夕刻には物寂しい光が斜めから入ってきて、遅く
なれば薪の灯りと言う具合に、自然の光が演目とあいまって効果的に鑑賞されてき
たそうです。が、今、能楽堂はほとんど劇場内に移り、自然光が入らない中、蛍光
灯の均質な光で観るのが当たり前になっていて、これにLED照明で一石を投じたい
と言うのが、この企画の主旨だそうです。
船弁慶は、義経が兄頼朝から逃げるために大物浦に静御前を残して船出をした時、
急に海が荒れだし、平知盛の怨霊が現れて義経に襲いかかるのを、弁慶が神通力
で追い払うと言う話。とは言え弁慶は主役ではなく、前シテは残されて嘆く静御前、後
シテは知盛の怨霊。そして、義経は子供が演じるそうです。山本さん曰く、お能では、
義経と静御前を子供と大人に配役されることがあり、これは男女と言う性的な側面を
無くすための演出だそうです。
そして、会場が暗くなって、幻想的な光の中で、船弁慶が始まりました。照明とのコラ
ボと言っても能の世界観を活かすような抑制の効いた照明で、特に、知盛の怨霊の
迫力と能衣装が美しく映えるさまが素晴らしかったです。
船弁慶を観る前の腹ごしらえは、能楽堂近くにあったブリティッシュパブ「THE HAR
RIS」さんでフィッシュ&チップス。
サクサクのフィッシュフライに、サーソンのモルトビネガーと言う少しクセのあるお酢
をたっぷりかけて食べたんですが、美味しかったです。
「ランチもやってますよ!」と呼び止めてくれたお母さん曰く、去年の夏に娘さんが英
国人の旦那さんを連れて日本に帰ってきてからパブを始めたそうで、お母さんも、昔、
近所で割烹をやっていて、その時の血も騒いで、今はパブを手伝っているとのことで
した。
で行われた「光と照明による能舞台の陰翳 #WORK12 船弁慶」を観に行ってき
ました。
山本能楽堂では、お能の裾野を広げようと様々な企画が行われているんですが、
このお能もその一環、能楽師の山本章弘さんとLED照明デザイナーの藤本隆行さ
んがコラボレーションして、幻想的な光の中でお能を見せてくれるものです。
かなり初期だと思うんですが、2010年秋に“安達原”を見せてもらって以来、私的
には今回2回目でしたが、この企画自体は、今回で第12弾になるそうです。
先ずは、舞台に山本章弘さんが登場して、今回上演する“船弁慶”とお能と照明に
ついての解説。
能楽堂はもともと野外に造られ、お能も本来は、5つの演目を朝から夕刻まで演じ
ていたので、斜めに入るやわらかな朝の光から始まり、昼は上からの強い光で舞
台の前と奥の陰影がはっきりし、夕刻には物寂しい光が斜めから入ってきて、遅く
なれば薪の灯りと言う具合に、自然の光が演目とあいまって効果的に鑑賞されてき
たそうです。が、今、能楽堂はほとんど劇場内に移り、自然光が入らない中、蛍光
灯の均質な光で観るのが当たり前になっていて、これにLED照明で一石を投じたい
と言うのが、この企画の主旨だそうです。
船弁慶は、義経が兄頼朝から逃げるために大物浦に静御前を残して船出をした時、
急に海が荒れだし、平知盛の怨霊が現れて義経に襲いかかるのを、弁慶が神通力
で追い払うと言う話。とは言え弁慶は主役ではなく、前シテは残されて嘆く静御前、後
シテは知盛の怨霊。そして、義経は子供が演じるそうです。山本さん曰く、お能では、
義経と静御前を子供と大人に配役されることがあり、これは男女と言う性的な側面を
無くすための演出だそうです。
そして、会場が暗くなって、幻想的な光の中で、船弁慶が始まりました。照明とのコラ
ボと言っても能の世界観を活かすような抑制の効いた照明で、特に、知盛の怨霊の
迫力と能衣装が美しく映えるさまが素晴らしかったです。
船弁慶を観る前の腹ごしらえは、能楽堂近くにあったブリティッシュパブ「THE HAR
RIS」さんでフィッシュ&チップス。
サクサクのフィッシュフライに、サーソンのモルトビネガーと言う少しクセのあるお酢
をたっぷりかけて食べたんですが、美味しかったです。
「ランチもやってますよ!」と呼び止めてくれたお母さん曰く、去年の夏に娘さんが英
国人の旦那さんを連れて日本に帰ってきてからパブを始めたそうで、お母さんも、昔、
近所で割烹をやっていて、その時の血も騒いで、今はパブを手伝っているとのことで
した。
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