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捨てられた女性の絵 [美術館]

11月下旬とは思えないようなポカポカ陽気に誘われ、いた
だき物の招待券もあったので、今日は、あべのハルカス美
術館に「ラファエル前派の軌跡展」を観に行ってきました。
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ラファエル前派と言うのは、19世紀中盤あたりのイギリス
で起こった美術運動だそうで、ルネサンスの巨匠ラファエ
ロを手本とするロイヤル・アカデミーの美術教育に異を唱
えた若き画家ホルマン・ハント、ロセッティ、ミレイの3人
を美術批評家ジョン・ラスキンが擁護し、その後、バーン
=ジョーンズやウィリアム・モリスらも第2波として活動
に加わり、その後の美術史に影響を与えるムーブメンにな
ったみたいです。
個人的には、あまり積極的には見ない分野の絵で、ラファ
エル前派と言う文言くらいは、目にしたり耳にしたりして
ましたが、ミレイの“オフィーリア”とロセッティの面長で
エキセントリックな雰囲気の女性の絵くらいのイメージし
かなかったです。

先ずは、ラファエル前派の産みの親とも言えるジョン・ラ
スキンの紹介って感じで、会場に入ると、モネの“印象 日
の出”を思わせるターナーの“カレの砂浜 引き潮の餌取り”
が目に飛び込んできます。そこからしばらくは、ターナー
やラスキンのスケッチや書籍が並んでいました。

そして、いよいよラファエル前派の展示がはじまり(一部
写真撮影も可能です)、ミレイ、ロセッティ、ホルマン・
ハントの作品が並んでいました。
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神話や聖書を少し過剰演出気味の写実で描いた耽美主義的
な雰囲気が漂っている中、小さな作品でしたがミレイの絵
は独特な輝きを放ってました。(写真の女性の作品は“結
婚通知 捨てられて”と言うタイトルで、婚約破棄になった
女性を描いたものだそうです。が、なぜわざわざそこを
描く!って気もします!苦笑)

後半は、バーン=ジョーンズとウィリアム・モリスの壁紙
などのデザイン画も多数飾ってありました。

招待券をいただいてなかったら足を運んでいなかったであ
ろう展覧会でしたが、150点あまりの作品が並んでいて見
応えもありましたし、なんとなく言葉だけ知っていたラフ
ァエル前派の全容がイメージできる面白い展覧会でした。
会場内の解説曰く、作者の意図や背景や文脈が重視される
現代のアートとは真逆で、背景や物語や作者の想いより画
面の美しさを追求した唯美主義的な絵画活動だったそうで
す。昨今のアートを取り巻く面倒な状況を見ていると、そ
れはそれで有りかなとも思います。

帰りに物産展に立ち寄ってつるさき食品さんのサンチー(三
角チーズパン)を買って家路につきました。
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ピンポイント過ぎるご当地グルメって感じですが、大分の
高校の購買部で売られているパンだそうで、三角に切った
食パンにチーズクリームを挟んでメロンパン風の皮で包ん
だパンだそうです。

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